iOS/Android対応のスマホアプリ「torne mobile」が、2017年10月リリースの新バージョンより機能を追加。録画番組の「書き出し機能」に対応しました。録画番組をストリーミングで再生する際、外出先からだとデータ通信量が気になりがちですが、あらかじめスマホ側に書き出しておくことで通信量を気にせず、かつ快適な視聴が楽しめるようになります。本記事では、あらためて「nasneやtorne mobileとはなんぞや?」というおさらいから、ビデオ書き出し機能のレビューまでまとめたいと思います。
HDDレコーダー「nasne」をスマホから見るアプリの決定版
torne mobileを知らない人のために少し説明すると、こちらはHDDレコーダー「nasne」をスマホで操作したり、録画した番組を観たりするためのアプリのひとつです。なお「torne」といえば、かつて大ヒットした“PlayStation 3用の地デジチューナー”も存在しますが、torne mobileで操作できる機器はあくまでHDDレコーダーのnasneのみ。
一般的なレコーダーと違い映像出力(HDMI端子)がなく、各種アプリからネット経由で使うしくみのnasne。対応機器は多く、PlayStation 3/4/VitaはもちろんスマホやPCからでも録画・再生ができます。再生はWi-Fi経由のストリーミングのほか、外出先からのリモート視聴も可能。
このように数あるnasne対応アプリのうち、スマホ向けの決定版として2015年春に登場したのがtorne mobileです。ただしtorne mobileは他のアプリで実現していた「録画番組の書き出し」に対応しておらず、例えば旅行や出張などの移動中などにたくさん録画番組を消化したい……といった時にはやや不便でした。今回の新機能は、2年半越しでついにそれらの不満を解消するものとなります。
ストリーミング再生とはひと味違う快適さ
ということでtorne mobileをアップデートし、録画番組の「書き出し機能」を試してみました。torne mobileは基本無料のアプリですが、使う機能により別途課金が必要で、書き出し機能には840円がかかります。
そもそもtorne mobileでは必須ともいえる「視聴再生機能」が有料(Android版が500円、iOS版が600円)のため、これに書き出し機能を加えると1300円以上となります。買い切りとはいえ、「ちょっと高いかな……」感は否めないところ。価格のぶん便利な機能であることを祈って購入することにします。
動画をスマホにダビングすることになるので、この書き出しは容量や転送スピードが肝になります。実際には30分の地デジ番組1本あたり、容量は約0.25GB~0.5GB程度、転送にかかる時間は2分~10分程度。「速度優先」の設定を選べば、朝の外出前など限られた時間でも転送ができ実用性は十分でしょう。
スマホに書き出した録画番組の再生は快適そのもの。特にチャプターやシーンのスキップがすばやくできることは重要で、ストリーミング再生では味わえない快速ぶりです。
いまだに機能の改良が続いていることのありがたみ
2年以上前のアプリに、今さら840円を課金するのもどうかなぁ……と思いつつも、torne愛好家としては便利さがよくわかってしまうビデオ書き出し機能。書き出した番組もちゃんとチャプターが有効だったり、ビジュアルシーンサーチがいつでも使えたりと安定感もあります。
個人的には、さらにニコニコ実況まで有効だったところに感動。この機能では、過去の録画番組を再生しながら、放送中についたコメントを見ることで当時の盛り上がりを追体験できます。マイナーながらtorneならではの楽しみなので、今後もぜひ継続してほしいサービス。
他のアプリに比べ書き出し機能の対応は遅かったものの、今回のアップデートでほぼ弱点なしのアプリに。「まだ改良が続いてたんだ!」という意味でも、今一度torne mobileとnasneを見直す機会になりました。