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2018/4/5 20:15

クラシックで新しい、そんなミラーレス――もはや名機確定「FUJIFILM X-E3」を改めて評価&レビュー!

ミラーレス一眼は光学ファインダーを持たないためデザインの自由度が高く、コンパクトデジカメのようなスクエアでスマートなデザインのカメラも存在する。そうしたカメラの注目株が、昨年発売された富士フイルム「FUJIFILM X-E3」だ。このX-E3は、ファインダー搭載ミラーレスのXシリーズで最小最軽量ボディを実現し、2430万画素センサーと画像処理エンジン「X-Processor Pro」の組み合わせで、画質に関してもハイレベル。タッチパネルの採用により操作性も進化している。ここでは、このX-E3について従来機からの進化点や特徴をチェックし、その魅力を探る。

↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現
↑上面のシャッター速度ダイヤルなどは従来機種を踏襲しつつ、背面モニターをタッチパネル化。十字ボタンなどを廃して、すっきりとした操作系を実現。実売価格/ 8万7510円(ボディ)

 

【基本スペック】

画素数が2430万にアップして4K動画撮影などにも対応

独自のカラーフィルター配列を採用するローパスフィルターレス構造の「X-Trans CMOSセンサー」は、高品位画質の重要ポイント。そのセンサーの有効画素数が1630万画素から2430万画素にアップ。画像処理エンジンの進化などで、常用ISO感度も1段アップした。タッチ対応モニターや、4K動画撮影機能も魅力。それでいて、ボディ横幅はかなり抑えられた。

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↑正面
↑正面

 

↑背面
↑背面

 

↑上面
↑上面

 

↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している
↑X-E2はフラッシュが内蔵されていたが、X-E3には非搭載。代わりに「クリップオンフラッシュEF-X8」が付属している

 

【特徴①タッチパネル】

タッチパネル採用により十字キーを省略したシンプルな操作系

操作面では、タッチパネル式背面モニターにより、直感的にピント位置の移動やレリーズ操作が可能。スマホのようなフリックやダブルタップなどの操作に対応し、各種の機能呼び出しや設定を直感的に行える。これにより十字キーを省略して背面がシンプルになり、よりグリップしやすいボディに進化した。

↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える
↑十字キー操作のような感覚で、フリック操作で主要機能を呼び出して設定できる。スマホのような感覚で、違和感なく操作を行える

 

↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能
↑ファンクション設定により、各種ボタンの機能割り当てが変更できる。上下左右のフリック操作で呼び出せる機能も変更可能

 

【特徴②AF】

像面位相差AF採用で高速かつ高精度なAFが可能

AF測距点は91点(最大325点)。高速で高精度な位相差AFエリアは全画面の横50%と縦75%の広い範囲をカバーする。画像認識アルゴリズムの改善で、被写体への追従性も向上。また、フォーカスレバーによるダイレクトな操作で、迅速なAF測距点選択が行える。

↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑背面のフォーカスレバーを操作し、被写体に重なるAF測距点を選択。タッチAFが可能なだけでなく、ファインダー使用時の測距点選択も快適だ/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴③連写】

電子シャッター使用により14コマ/秒連写が可能

小振りでクラシカルな外観だが、本格的な連写機能を搭載。メカシャッター連写の最速値は8コマ/秒で、画質設定がJPEGモードなら連続62枚まで撮影することができる(非圧縮RAWでは23枚)。なお、電子シャッター設定時には、約14コマ/秒という高速連写も可能だ。

↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた。305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400
↑食事中のチョウを「8.0コマ/秒」の高速連写で撮影。フォーカスレバーによる測距点選択と相まって、リズミカルに一瞬が捉えられた/305mm相当 絞り優先オート(F4.8 1/60秒) +0.3補正 WB:オート ISO400

 

【特徴④フィルムシミュレーション】

手軽にフィルム感覚での仕上がり設定が可能

80年以上のフィルム製造で培ったノウハウを生かした「フィルムシミュレーション」も、Xシリーズの大きな魅力の1つだ。PROVIA /スタンダード、Velvia /ビビッド、ASTIA /ソフト、ACROS、など、フィルムを交換するような感覚で仕上がりが調整できる。

↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した。305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250
↑豊かな階調を追求した新モノクロモード「ACROS」で撮影。さらに、グレインエフェクト機能も使い、フィルム風の粒状感を演出した/305mm相当 シャッター優先オート(F4.8 1/500秒) WB:オート ISO250

 

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↑フィルムシミュレーションは計15モードを搭載

 

↑「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能
↑画像の粒状感が調整できる「グレインエフェクト」の機能は、メニューの画質設定内で設定する。OFF、弱、強から強度を選択可能

 

【特徴⑤Bluetooth】

スマホとの常時接続が可能で画像の自動転送が容易

Bluetooth機能を搭載。これにより、専用アプリを導入したスマホやタブレットと常時接続が可能になり、撮影画像を自動的に転送することが可能になった。また、スマホやタブレットを使ったリモート撮影やカメラ内閲覧も可能だ。

↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる
↑セットアップメニュー内の「Bluetooth設定」。各端末とのペアリングや、機能のオンオフ、自動画像転送の有無を設定できる