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2018/3/27 19:15

【2018年春版】ソニーの人気ミラーレス一眼「α6500/α6300/α6000」3モデルの「違い」と「買い」の正解【後編】

後継機が発売されると、旧モデルは注目されなくなりがち。とはいえ、新旧の差が少ない製品も多く、旧モデルが実はお買い得というケースも少なくない。そこでここでは、ソニーのAPS-Cサイズミラーレス一眼、α6500、α6300、α6000の3世代のカメラを比較。それぞれの操作性や画質、連写性能などをチェックした。カメラ初心者的視点で吉森信哉さん、プロカメラマンの視点で永山昌克さんの評価を交え、3機種を評価する。

※記事内の価格は2018年3月現在の編集部調べによるものです

α6000シリーズは、APS-Cサイズ一眼で中級機の位置付けだが、連写は3機種とも約11コマ/秒と高速。新機種のほうが機能や性能面で進化しているが、2014年登場のα6000でも、あまり古さを感じない
↑α6000シリーズは、APS-Cサイズ一眼で中級機の位置付けだが、連写は3機種とも約11コマ/秒と高速。新機種のほうが機能や性能面で進化しているが、2014年登場のα6000でも、あまり古さを感じない

 

【連写性能を比較】連写速度は同じだが連続撮影枚数でα6500が圧倒

連写は3機種とも約11コマ/ 秒。ただし、α6300とα6000はRAW+JPEGだと連続21コマまでの対応で、α6500のみ連続100コマまで対応だ。

 

「今回実際に特急電車などを撮影したが、連続100コマのα6500は不足を感じることはなかった。ほかの2機種は連続21コマまでで、2秒弱しか高速連写できず、やや不満が残る。撮影開始のタイミングを上手く調整する必要がありますね」(吉森)

 

「α6300やα6000では、JPEGのみの連写を行うのがオススメ。AF追従も3機種とも優れていますが、不規則に動く被写体の場合は、測距点数の多いα6500やα6300が、ピントが合いやすいと思います」(永山)

↑奥の信号機の位置に先頭車両が来たら連写を開始。RAW+ JPEGで連写して高速連写の最終カットか、画面に先頭車両が入っている最後のカットを掲載
↑写真のように奥の信号機の位置に先頭車両が来たら連写を開始。RAW+ JPEGで連写して高速連写の最終カットか、画面に先頭車両が入っている最後のカットを掲載

 

↑α6300とα6000は、スペックどおり21コマ目以降で連写速度が低下し、その後は秒間1 ~2コマの連写になってしまった。α6500は、電車の先頭が画面を通り過ぎても連写できた。AF測距点自動選択を用いて撮影したが、3機種ともほとんどのカットでピントが合っていた。電車など、規則的な動きの被写体では、AFの差はほとんどないといえる
↑α6300とα6000は、スペックどおり21コマ目以降で連写速度が低下し、その後は秒間1 ~2コマの連写になってしまった。α6500は、電車の先頭が画面を通り過ぎても連写できた。AF測距点自動選択を用いて撮影したが、3機種ともほとんどのカットでピントが合っていた。電車など、規則的な動きの被写体では、AFの差はほとんどないといえる

 

【吉森信哉さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・9/10
●α6300・6/10
●α6000・6/10

連写は、α6500の一択といっていいと思う。特に初心者の場合は、連写開始のタイミングを計るのは難しく、撮り続けられるほど有利だ。

 

【永山昌克さんの連写性能の10段階評価】

●α6500・9/10
●α6300・6/10
●α6000・5/10

連写は3機種とも十分速いが、連続撮影枚数でα6500が圧勝。連写中のAF追従については、α6300も測距点数が多くα6000よりもやや有利だ。

 

【価格比較】ダブルズームキットも選べるα6000がコスパに優れる

それぞれのボディの大手量販店での実売価格は、α6500が15万730円、α6300が10万4560円、α6000が6万4670円と大きな差がある。しかもα6500はレンズキットの設定がなく、別途レンズも必要だ。レンズキットは、α6300が10万8990円、α6000が7万5470円でα6000はダブルズームキット(8万7530円)も選べる。

 

「Eマウントレンズを持っているならα6500がおすすめですが、レンズも購入するとα6500は20万円程度必要。α6000ならダブルズームキットでも10万円を切るのが魅力です」(吉森)

 

「キットレンズを単体で買うと標準ズーム、望遠ズームともに3万円以上する。α6500は画質重視で高級レンズを狙うのもアリだと思いますが、そうなると予算的には25万円コース。コスパはα6000が圧倒的です」(永山)

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↑キットレンズのE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS(写真)は、実売価格3万2640円。ダブルズームキットの望遠レンズ(E 55-210mm F4.5-6.3 OSS)も実売価格3万2590円なので、ダブルズームキットは非常にお得だ

 

↑高級なバリオ・テッサーT* E16~70ミリ F4 ZA OSSは、8万5970円。写りは申し分ないので、α6500の性能をフルに引き出したいなら有力候補
↑高品位なバリオ・テッサーT* E16-70mm F4 ZA OSSは、実売価格8万4230円。写りは申し分ないので、α6500の性能をフルに引き出したいなら有力な候補だ

 

【吉森信哉さんの連写性能の10段階評価】
●α6500・5 /10
●α6300・6/10
●α6000・9/10

α6000のコスパは圧倒的。4K動画を撮るにはα6300以降が必要だが、初めてEマウントのカメラを買う場合や静止画オンリーというならα6000ダブルズームキットが○。

 

【永山昌克さんの連写性能の10段階評価】

●α6500・6/10
●α6300・7/10
●α6000・9/10

できればα6500を選びたいが、キットレンズがないことも考慮するとやはり高価。ただ、4K動画機能も捨てがたく、α6300がバランス良く感じる。

価格変動は少なく、新機種登場時期にやや安くなる程度

α6000シリーズは旧機種も併売となっているため旧型でも型落ちせず、価格低下しにくい製品ではあるが、それでも時間経過や新機種の登場によって多少の低価格化は期待できる。そこで今後の価格変動を「価格.com」に掲載のα6000ボディの平均価格グラフを参考に予想してみよう。

↑グラフの青い線が購買支援サイト「価格.com」でのα6000ボディの平均価格(赤い線は最安値)だ。グラフは過去2年間のものだが、初値は6 万1000 円で最近でも5万9000円台。とはいえ、α6500登場時期となる、昨年12月に5万7000円台をマークしている。どうやら新機種登場時期が狙い目のようだ
↑グラフの青い線が購買支援サイト「価格.com」でのα6000ボディ(ブラック)の平均価格(赤い線は最安値)だ。グラフは過去2年間のものだが、初値は6 万1000 円で最近でも5万9000円台。とはいえ、α6500登場時期となる、昨年12月に5万7000円台をマークしている。どうやら新機種登場時期が狙い目のようだ。(2018年2月時点)

 

2014年登場のα6000は初値が6万1000円で、初値の段階でα6500よりもかなり低価格だった。グラフを見ると、2016年中盤に価格高騰しているが、これは4月に発生した熊本地震の影響と思われ、それを除くと2015年後半から16年にかけては概ね6万円台前半、2017年が6万円台前半から5万円台後半で推移。α6500登場の昨年12月に5万7000円台と比較的低価格になった。α6500も価格は大きくは変動せず、新機種登場時期に多少安くなる程度と思われる。

 

【総合評価】コスパのα6000と機能のα6500で識者の意見も割れる

操作性や実際の写りなどを考えるとα6500が魅力的だが、価格も考慮するとα6300やα6000に分がある。価格と性能のバランス面では、写りがα6500に近く、4K動画撮影も可能なα6300がベストな印象もある。

 

「まずは、高速連写が必要かで判断するのがいいと思います。連写はα6500がやはり有利。5軸手ブレ補正の有無については、手ブレ補正対応レンズを使えば、ほかの2機種でもある程度カバーできます」(永山)

 

「決定的な差があるのは、連写と価格。画質はRAW現像や仕上がり設定でカバーできそうです。性能重視のα6500、バランス重視のα6300、コスパのα6000といった感じ。個人的には、α6300は少し中途半端な印象。予算次第でα6500かα6000を選びたい」(吉森)

 

α6500の機能も凄いが、α6000のコスパも凄い。メインの被写体と予算に合わせて機種選びすれば、後悔のない買い物ができそうだ。

 

【吉森信哉さんの総合評価】
●α6500・41/50
●α6300・33/50
●α6000・34/50

トータルではα6500が優れているが、コスパで有利なα6000も魅力的。画素数的には3機種とも同等なので、4K動画撮影機能が必要なければα6000でも十分撮影を楽しむことができると思う。

 

【永山昌克さんの総合評価】

●α6500・42/50
●α6300・34/50
●α6000・31/50

プロ目線という点で操作性や画質に優れたα6500をおすすめしたい。とはいえ、コスパも重要なので、サブ機と割り切れるならα6000も良さそうだ。α6300は手軽に4K動画を楽しみたい人に向く。

 

【まとめ】こんな人にオススメ!
a6500/連写や操作性を重視する人に向く
a6300/4K動画撮影を手軽に楽しみたい人に最適
a6000/コスパ重視で小さな一眼が欲しい人に向く

 

写真/吉森信哉 解説/河野弘道

 

協力/価格.com