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2018/4/16 19:00

「Kiss」の名前はダテじゃない!! キヤノン渾身のミラーレス「EOS Kiss M」丸わかりレビュー!

【実写でチェック!】

携行性、AF、手ブレ補正――実に軽快に撮影が楽しめる!

実際に手にして撮影してみると、まず驚くのがその軽さだ。現行Mシリーズの最軽量モデルは「EOS M100」の約302gだが、こちらのモデルはEVFを搭載していない。EVF搭載モデルとしては、EOS M5があるが、こちらは最上位機種ということもあり約427gとやや重い。

 

その点EOS Kiss Mは約387gでM5よりも約40gも軽量となっている。ミラーレスカメラは小型モデルが多いこともあり、その見た目から実際よりも重く感じられるケースも少なくないが、本機は適度な大きさのグリップが備わっていることもあり、持ちやすく軽快に撮影が楽しめる。

↑十分な深さのあるグリップを採用。小型ボディであるため指は余りがちだが、軽量なので片手でも十分にカメラを支えられる

 

画質も十分に高精細で、ジャイロセンサーと撮像素子からのブレ情報を活用した「デュアルセンシングIS」により、手持ち撮影を行っても高精度に手ブレが補正され、ブレによる失敗が少ない。また、高感度でもノイズが発生しにくく、夕景や夜景、室内撮影なども安心して行える。

 

↑18-150㎜レンズの105㎜(168㎜相当)、ISO100、F6.3(開放)で撮影。画素数が有効約2410万画素と高く、小さな花の1つ1つまでシャープに写せた。画面の四隅でごくわずかに像が流れているが、絞り解放であることを考えると十分以上に優秀な写りだ

 

↑夜の東京タワーとこいのぼり。画面全体にピントが合うように絞りをF16まで絞っての手持ち撮影、というブレが心配になるシーンだが、ISO12800にすることで1/60秒で撮影できた。ノイズも目立たず、色再現も自然だ。

 

続いて、AFと連写性能をチェック。向かってくる列車をAIサーボAFでピントを合わせながら高速連写で撮影した。動きはそこまで速くなかったものの、AFが十分に追従していることを確認できた。

↑ AIサーボAFで撮影しているので、連写速度は約7.4コマ/秒。RAW+JPEGで撮影する場合は、10コマまで高速連写が可能だ。時間にすると約1秒と短く、その後は低速連写となる。そのため、撮影開始のタイミングが重要だ。動きが読めない被写体の場合は、JPEGのみでの撮影(約33枚撮影可能)がオススメ。

 

また、簡単な設定でさまざまな写真表現が可能な「クリエイティブフィルター」も楽しい。写真を印象的に仕上げたい場合に活躍するだろう。

↑「クリエイティブフィルター」の「水彩風」を使用。18㎜(28.8㎜相当)の広角で新緑と空を広く入れて撮影した。フィルターは、水彩風のほか「ソフトフィルター」や「ラフモノクローム」「トイカメラ風」「HDR」など複数が用意されており、フィルターによっては、効果の強弱などの調整も可能

 

【総まとめ】

扱いやすさと高性能を両立した、入門機を超えた入門機! サブカメラにも◎

EOS Kiss Mは、軽量で操作しやすく入門機として魅力的なのはもちろん、基本性能が高く、中・上級者にとっても不満なく使用できるパフォーマンスを持っている。そのため、入門者の最初の1台としてはもちろん、同社の一眼レフのサブカメラとして捉えても活躍が期待できる1台だ。

 

数少ない弱点としては、専用のEF-M交換レンズの数が執筆時点で6本と少ないのが気になるところ。ただ、この点に関しても「マウントアダプター EF-EOS M」を使用すれば、ほとんどすべての一眼レフ用EF&EF-Sレンズを使用することができる。

 

そのため、本機で大口径レンズを使っで大きなボケ描写をしたい、超望遠レンズで遠くの被写体を大きく写したい、といった場合には、このアダプターと目的に合ったEF&EF-Sレンズを揃えるのがおすすめ。むしろ、そうしたレンズや外付けフラッシュなどの拡張性の高さも魅力の1つと言えるだろう。

 

協力:楽天市場

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