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2018/5/17 18:00

パナ、10年目のミラーレスは入門&中級とも侮りがたし!! 超本気2モデル詳細レビュー

ミラーレス一眼のパイオニア的存在であるパナソニックは、第1号機の発売から10年目を迎える2018年、積極的に新製品を発表しています。ここでは、前作から大幅進化を遂げた「LUMIX GF10/GF90」と「LUMIX GX7 Mark Ⅲ」の2モデルに注目。その実力をチェックしました!

 

コンパクトボディながらユニークな撮影機能が満載

パナソニックは、プロ仕様の上級機からビギナー向けの初級機まで、幅広いミラーレス一眼のラインナップを展開。そして、昨年末から今春にかけて、意欲的なミラーレス新製品を数多く投入しました。

 

なかでも注目は、手のひらサイズの小型軽量ボディを誇るローエンド機「LUMIX GF10/GF90」です。小型ながら撮影機能が豊富で、4K動画や高速連写、22種類のフィルターなどに対応。自分撮り機能として、美肌効果や背景ぼかしが選べる点もユニークです。

 

さらに一段上の高機能を求めるなら中級機「LUMIX GX7 MarkⅢ」が狙い目。コンパクトなボディに独自のチルト式ファインダーや5軸手ブレ補正などを搭載します。白黒フィルム風の粒状効果を加えられるなど、マニア心をくすぐる作画機能も充実しています。

 

【今回テストしたモデルはコレ!】

自分撮り機能がいっそう充実した小型ミラーレス

パナソニック
LUMIX GF10/GF90
実売価格7万4800円(ダブルレンズキット)

【1600万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO25600】【約270g】

2017年発売の「LUMIX GF9」の後継機。自分撮り対応のコンパクトボディを継承しつつ、撮影機能がいっそう充実。4K解像度で撮影した秒間30コマの連写画像から自分のベストな表情の1コマを切り出せる4Kセルフィー機能は、従来よりも広範囲を撮影可能になりました。夜景セルフィーも新搭載です。

SPEC●撮像素子:有効1600万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、104万ドット ●メモリ:microSDXCほか ●サイズ:W106.5×H64.6×D33.3mm

↑ファインダーやホットシューを省くことで小型軽量ボディを実現。操作ボタンも少なめ

 

【特徴01】

右手でも左手でも自分撮りがしやすい

液晶を180度回すと自分撮りモードが起動。左肩のフォーカスセレクトボタンでの撮影が可能に。美肌やスリムなどの効果も適用できます。

 

【特徴02】

素早く4K連写ができる専用ボタンを装備

4Kフォト機能を素早く呼び出すための専用ボタンを天面に搭載。通常の4K連写のほか、4K連写(広角)や4Kプリ連写なども選べます。

 

 

LUMIX GF10/GF90の実力を画質・休日力・旅行力の3分野でチェック!

<評価内容>

●画質

色味:オート撮影時の色味を判定。偏りや、実際と記憶のどちらに近い色味かをチェックしました。

高感度:各機種の最高感度まで、同一条件でテスト。ノイズと解像度のバランスを確認しました。

※テスト条件:色味は、屋外にて感度を最低感度に設定し、そのほかの機能を揃えて撮影。高感度は、屋内にて条件を揃えて撮影。掲載カット以外にも、全感度で撮影して評価しました

●休日力

AF:AFの範囲や速度、精度。子どもやペットなど動き回る被写体を追えるか注目しました。

フィルター機能:画像をデジタル加工して個性的な描写にするフィルター機能。数と効果をチェック。

スマホ連携:撮影中のリモコン機能や、撮影後の転送機能などの使い勝手を判定。対応機能もまとめました。

 

●旅行力

軽さ:撮影時、携帯時ともに重要なフルセットでの質量を実測。軽いほど持ち歩きはラクです。

バッテリー性能:ミラーレス一眼の泣き所のバッテリー持ちを比較。USB充電への対応も確認しました。

モニターの見やすさ:屋外で撮ることの多い旅先。晴天下での背面モニターの見やすさをチェックしました。

 

【画質】8/10

色味:☆×5

クリアな発色に好印象を受ける

濁りのないクリアな発色で、青空や樹木、赤レンガなどの色を正確に再現できました。オートの露出やホワイトバランスも的確です。

 

高感度:☆×3

高感度でもくっきりとした写り

オリンパス製品と同じく、センサーサイズは小さめ。ISO6400を超えると暗部ノイズが目立ちはじめ、同時に解像感が低下します。シャープネスは強めで、高感度でもくっきりとした描写です。

ISO6400

 

ISO25600

 

【休日力】13/15

AF(測距点の数&範囲):☆×4

独自の「空間認識AF」が快適

コントラストAFの一種である独自の「空間認識AF」に対応。測距点は49点と少なめですが、実写では動体にもしっかりと追従できました。

 

フィルター機能:☆×5

22種類のフィルターが選べる

フィルターは、オールドデイズやクロスプロセスなど22種類と非常に豊富。フィルターなし画像の同時記録ができる点も便利です。

 

スマホ連携:☆×4

【Bluetooth:×、NFC:×、QRコード:○、自動転送:○】

リモート撮影や自動転送に対応

リモート撮影では、カメラ側/スマホ側のどちらからでも、撮影や細かい設定変更が可能。撮影直後の自動転送にも対応します。

 

【旅行力】12/15

軽さ(※):☆×5

小さな記録メディアを採用

記録メディアにmicroSDを採用しており、354gの軽量ボディを実現。サイズも非常に小さく、日常的に持ち歩いても苦になりません。

※:ボディ+キットレンズ+カード+バッテリー+ストラップの合計(編集部調べ)

 

バッテリー性能:☆×3

持久力は不満だがUSB充電は便利

CIPA準拠の撮影可能枚数は、約210枚。もの足りない枚数ですが、USB充電への対応は便利。モバイルバッテリーでの充電も可能です。

 

モニターの見やすさ:☆×4

細かいカスタマイズも可能

屋外での見やすさはまずまず。輝度のほか、コントラストと彩度、赤み、青みをそれぞれ細かくカスタマイズできる点もありがたいです。

 

LUMIX GF10/GF90の総合評価は?

小型バッグに入れて気軽に持ち歩き、自分撮りした写真などを素早くSNSにアップする用途にピッタリ。ターゲット層は女性ですが、圧倒的小型ボディは男性のホビーユースにも役立ちます。ワンタッチで設定を初期化できるリセットボタンなどを備え、細部の使い勝手も良好。

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パナソニック
LUMIX GX7 Mark Ⅲ
実売価格11万3250円(ズームレンズキット)

【2030万画素】【秒約6コマ連写】【常用最高ISO25600】【約450g】

2016年に発売されたLUMIX GX7 Mark Ⅱの後継機。センサーの高画素化による画質向上を図ったほか、メリハリ感のあるモノクロ表現「L.モノクロームD」やフィルム風の「粒状」効果に新対応。ボディ内手ブレ補正の搭載や外部フラッシュの採用など一段上の高機能も魅力です。

SPEC●撮像素子:有効2030万画素4/3型Live MOSセンサー ●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●液晶:3.0型、124万ドット ●メモリ:SDXCほか ●サイズ:W124×H72.1×D46.8mm

 

【特徴01】

構図の自由度をいっそう高める2つのチルト機構

チルト可動式の液晶モニターを搭載。また、前モデルでは省かれたファインダーのチルト可動機構も復活しました。マクロやローアングルでの撮影時に役立ちます。

 

【特徴02】

4K動画を応用した多彩な撮影機能

レンズ画角をフルに生かせる「4K連写(広角)」や、深いピントが得られるフォーカス合成、動きを捉える軌跡合成などに対応。4Kを利用した付加機能が充実しています。

 

【GF10/GF90とココが違う!】

ワンランク上の画素数や利便性が魅力

晴れた日の屋外撮影のほか、望遠レンズ使用時に便利な電子ファインダーの搭載が魅力。またセンサーの画素数が多く、風景などの細部表現で有利になります。

 

 

ライカブランドの名玉から携帯重視の薄型まで揃う交換レンズ

パナソニックのミラーレス一眼は、オリンパスと同じくマイクロフォーサーズシステムを採用。この2社にサードパーティ製品を加えた多数の交換レンズが利用できます。なかでも特に相性がいいのは、独自の強力な手ブレ補正「Dual I.S.」などが使えるパナソニックの純正レンズです。

 

大きなボケが欲しいならコレ!

 

パナソニック
LUMIX G 25mmF1.7 ASPH.
実売価格1万8640円

【焦点距離50mm相当】【フィルター径46mm】【全長52mm】【約125g】

昔ながらの標準レンズにあたる焦点距離50mm相当の単焦点レンズ。人間の視覚に近い自然で素直な画角で撮影できるほか、開放F値が明るいので暗所でのノーストロボ撮影にも役立ちます。

 

ワイドもテレも1本で撮りたいならコレ!

 

パナソニック
LUMIX G VARIO14-140mm F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S
実売価格6万5860円

【焦点距離28〜280mm相当】【フィルター径58mm】【全長75mm】【約265g】

手ブレ補正を内蔵した10倍の高倍率ズーム。ステッピングモーターによる高速AFや、動画用にも適した静音駆動に対応。LUMIX GX7 Mark Ⅲとの組み合わせでは「Dual I.S.」が利用できます。

 

 

文・作例撮影/永山昌克