小型サイズの新スタンダード「SR15」
A&norma SR15はヨーロッパでの販売価格が749ユーロ(約9.8万円)、発売時期は6月から7月ごろを予定。ラテン語で“norma=普遍的な”という意味を名付けられたプレーヤーはブランドの新しいスタンダード機になります。3.3型の液晶タッチパネルを斜めに傾けた大胆なデザインとしていますが、クアッドコアCPUと新しいUIによる操作感はとても快適。AK70MkIIに近いサイズ感のプレーヤーです。ボディの素材はアルミニウム、色はダークグレー。
DAコンバーターにシーラス・ロジックの「CS43198」を2基搭載するデュアルDAC構成。リニアPCM系は最大192kHz/24bitまで、DSDも2.8MHzまでのネイティブ再生をサポートしています。DSD5.6MHzもリニアPCM変換再生によって楽しむことが可能。
イヤホン端子は2.5mm/4極のバランス出力にも対応しており、64GBの内蔵メモリーとmicroSDカードスロットが1基搭載されています。BluetoothはaptX HD対応。
AK第四世代はキャラクターの違いに注力
アステル&ケルンのハイレゾ対応プレーヤーの開発を長年指揮するアイリバーのJames Lee氏に、先行しているSP1000を含めた3つの“第4世代モデル”のキャラクターを尋ねてみました。
「第4世代では3つのモデルに最新のDACチップを搭載して、音のキャラクターにもメリハリの効いた“違い”をつけることに力を入れました。特にSE100に搭載しているESSのチップは元がとてもハイパワーなので、ポータブル機としてのバッテリーライフをはじめとした使い勝手を確保しながら搭載するための工夫には時間をかけてきました。おかげさまでそれぞれに個性豊かな3つのモデルが出そろったと自負しています。音のイメージを“食”に例えるなら、フラグシップのSP1000が“懐石料理”、エネルギッシュなSE100は“松”グレードの”とんかつ”、SR15は“新鮮なフルーツ”に近いと思います」(James Lee氏)
イベント会場ではフラグシップのSP1000も含めて、新しいSE100とSR15をアステル&ケルンのAK T1pにつないで聴き比べることができました。SP1000のスムーズで上質なサウンドに対して、SE100は活き活きとした力強さを色んな音楽ソースから引き出せるパフォーマンスを備えていました。SR15はAK70MkIIと同じバランスのよいマルチプレーヤーとしてのキャラクターを引き継ぎながら、さらにワイドレンジで解像度の高いサウンドに仕上がっている印象でした。
今回発表された新製品を含むアステル&ケルンの最新第4世代のプレーヤーから、コンパクトなファイルサイズで高品位なハイレゾ再生が楽しめることで注目されているMQA音源の再生に対応することになりそうです。今回のイベント会場ではMQA再生に対応した試作機によるデモンストレーションも紹介されていました。アステル&ケルンの担当者は「MQA対応の時期は未定ですが、準備ができたらソフトウェアアップデートなどによってすぐに対応したいと考えています」とコメントしていました。
アステル&ケルンの新製品が日本で出そろう日はいつになるのか、楽しみですね!