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2018/10/8 20:30

一眼カメラ、10万円前後の混戦6モデルを比較! プロが本音採点

旅行やイベント用にスマホの一段上のカメラが欲しい人や、趣味として写真撮影を楽しみたい人には、10万円前後のレンズ交換式の一眼カメラがオススメ。そこでこの記事では、いま人気の一眼カメラ6台を、現役カメラマンにホンネでレビューしてもらいました。

 

【ジャッジした人】

カメラマン・永山昌克さん

10万円前後のクラスではパナソニックGF9を愛用するカメラマン。携帯性と操作性を特に重視しています。

 

一眼カメラ、10万円前後の売れ筋は小型軽量&高画質モデル

レンズキットを10万円前後で購入できる一眼カメラは、現在の市場で最も激戦区であり、多種多彩な製品が揃っています。なかでも特に選択肢が多いのは、エントリークラスのミラーレスカメラ。「最近のミラーレス入門機は、小型軽量と高画質の両立がトレンドで、トータルバランスに優れています」と語るのは最新機種に詳しいカメラマンの永山さん。自分の撮影用途を想定し、特に何を重視するかを熟考すべきといいます。

 

「例えば、旅行や日常的なスナップに使うなら、できるだけコンパクトなモデルが便利です。画質やボケ表現にこだわるなら、携帯性よりもセンサーサイズの大きさを重視すべき」とのこと。

 

画質やボケに有利なフルサイズセンサー搭載機は、かつては高価という印象が強かったが、最近では数年前の発売モデルなら新品でも10万円台前半で購入できるケースもある。「たとえ型落ちのモデルでも、フルサイズならではの高画質や立体感は一度味わうと病みつきになります」とプロも推します。

 

さらにファインダーにこだわる場合は、エントリー向け一眼レフという選択肢も忘れてはなりません。「いまはミラーレス全盛ですが、光学ファインダーを通して被写体をきっちりと見られる一眼レフにも独自の良さがあります」。

一眼カメラ、10万円前後の6モデルをガチンコレビュー!

【その1】

グリップ感や電池寿命にこだわった小型軽量のエントリー一眼レフ

ニコン

D3500

実売価格6万9520円(レンズキット) 

ニコンの入門者向け最新一眼レフ。2016年発売の既存モデルD3400から小型軽量化しつつ、バッテリーの長寿命化や操作ボタンのレイアウト変更を図っています。新機能としてスマホによるリモート撮影が可能になりました。【撮像素子:APS-C】【連写:秒約5コマ】【常用最高:ISO25600】【ボディ質量:約415g】

SPEC●有効画素数:2416万画素●レンズマウント:Fマウント●モニター:3.0型約92万ドット●OVF:視野率約95%、約0.85倍●サイズ:W124×H97×D69.5㎜

 

↑前機種から長寿命化し、撮影可能枚数1550コマを実現。残量を気にせず撮影に専念できます

 

↑表示タイムラグがなく、連写中も見やすい光学ファインダーの搭載は一眼レフの利点です

 

<ホンネの200字レビュー!>

タッチ操作非対応は惜しいが光学ファインダーはやはり快適

前作からの改良点は少ないですが、これは一眼レフ入門機としてすでに完成形にあることの証左。背面ボタン類が右側にまとまったことで、右手のみで素早く操作可能になった点は◎。小型化しながらもグリップ形状の改良によってホールド感が向上したこともありがたいです。非可動の液晶やタッチ操作非対応は不満ですが、画質は高精細かつ低ノイズです。光学ファインダーを通して実像を見ながら撮影できる一眼レフは動体撮影に強い。動きモノをよく撮る人にオススメです。

結論→「動体撮影ならオススメ!」

 

 

【その2】

画質も操作性もハイレベルな人気のKissシリーズ初のミラーレス一眼

キヤノン

EOS Kiss M

実売価格8万8960円(レンズキット)

人気ブランドEOS Kissの名を初めて冠したミラーレス入門機。瞳AFや4K動画などに対応し、自由度の高いバリアングル液晶を搭載します。操作部のレイアウトも初級者にも扱いやすいようシンプルな仕様に一新されています。【撮像素子:APS-C】【連写:秒約7.4コマ】【常用最高:ISO25600】【ボディ質量:約387g】

SPEC●有効画素数:2410万画素●レンズマウント:EF-Mマウント●モニター:3.0型約104万ドット、バリアングル式、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W116.3×H88.1×D58.7㎜

 

↑ビギナー向けのメニュー画面を用意。モードの意味や効果を写真と文章で示してくれます

 

 

↑上下左右に動くバリアングル液晶を採用。カメラの向きを問わず、自由な構図で撮れます

 

<ホンネの200字レビュー!>

中級機に匹敵する高機能とシーンを問わず安定した画質が◎

同社の中級一眼レフEOS 80Dに匹敵するハイスペックを小型軽量ボディに凝縮。小型だがグリップが大きく突き出ているので持ちやすく、各種ボタンも操作しやすい位置にまとまっています。画質はオートの安定感の高さが好印象。どんなシーンでも露出や発色が崩れにくく、見栄えのする絵に仕上がります。専用レンズの数は少なめですが、アダプター経由でEF/EF-Sレンズが使えるのは◎。気になる点は新フルサイズ機EOS Rとマウントに互換性がないことです。

結論→「絶対オススメ!」

 

 

【その3】

10万円台前半で味わえるフルサイズミラーレスの画質とボケ味

ソニー

α7

実売価格12万9470円(レンズキット)

フルサイズミラーレスの先駆けα7シリーズ第1世代の標準機として2014年に発売。液晶はチルト式でロー/ハイアングル撮影に対応。タッチ操作や4K動画は非対応ですが、AFはコントラストAFと像面位相差AFを併用し、正確です。【撮像素子:フルサイズ】【連写:秒約5コマ】【常用最高:ISO25600】【ボディ質量:約474g】

SPEC●有効画素数:2430万画素●レンズマウント:Eマウント●モニター:3.0型約92万ドット、チルト式●EVF:約236万ドット●サイズ:W126.9×H94.4×D54.8㎜

 

↑フルサイズセンサー搭載。高感度でもノイズが目立たず、背景をぼかしやすい利点があります

 

↑防塵防滴に配慮されたボディ。内部フレームには高剛性のマグネシウム合金を採用します

 

<ホンネの200字レビュー!>

AFやシャッター音はやや不満だが解像力や高感度性能は見事!

発売から約4年が経ち、最新モデルに比べて操作や機能で見劣りする面もありますが、描写力は現時点でも高いレベル。2430万画素のフルサイズセンサーから生み出される画質は、APS-C以下のセンサー搭載機に比べてワンランク以上勝り、特に精細感と階調の豊かさ、高感度ノイズの少なさは優秀です。不満はシャッター音が大きめで、静音撮影機能がないこと。また、AFは遅めです。メニューUIが煩雑で目的の機能にアクセスするのに手間取ることもイマイチ。

結論→「画質重視ならオススメ!」

 

 

【その4】

洗練された小型ボディに4K動画やSNS連携機能を新搭載した入門ミラーレス

オリンパス

PEN E-PL9

実売価格7万3520円(レンズキット)

女性や若年層に特に人気のOLYMPUS PEN最新作。2016年発売のE-PL8から機能強化と操作性の改良を図っています。新機能としてはスマホへの自動転送や4K動画に対応。ボディを着飾る多彩なアクセサリーも揃っています。【撮像素子:4/3型】【連写:秒約4.8コマ】【常用最高:ISO25600】【ボディ質量:約380g】

SPEC●有効画素数:1605万画素●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●モニター:3.0型約104万ドット、チルト式、タッチ対応●EVF:非搭載●サイズ:W117.1×H68×D39㎜

 

↑多重露出やHDRなど凝った機能は「APモード」に集約。ダイヤル操作で素早く選べます

 

↑新アートフィルター「ネオノスタルジー」が追加。レトロ感と現代性が融合した効果です

 

<ホンネの200字レビュー!>

所有欲を満たすデザインと高速連写や手ブレ補正が魅力の一台

低価格ながら高品位でファッショナブルな外観デザインにまず好印象を受けました。既存PEN E-PLシリーズに比べて機能と操作性がシンプル化したことは、中級者以上にはもの足りないものの、ビギナーにはありがたいです。自撮り対応の薄型ボディや、14.1コマ/秒の静音連写、豊富な交換レンズは魅力。センサーは高画素とはいえませんが、素直な発色と実用十分の細部描写力があります。3軸のボディ内手ブレ補正も良好。EVF非搭載は好みが分かれるところです。

結論→「SNS使用ならオススメ!」

 

【その5】

機能豊富で自撮りも強化常時携帯にも適した圧倒的な薄型軽量モデル

パナソニック

GF10/GF90

実売価格8万8700円(ダブルレンズキット)

多彩なラインナップを誇るLUMIX Gシリーズのローエンドモデル。昨年発売されたLUMIX GF9の後継にあたり、チルト液晶を受け継ぎつつ、自撮り機能が強化。夜景バックの自撮りやスリム効果の適用が可能になっています。【撮像素子:4/3型】【連写:秒約6コマ】【常用最高:ISO25600】【ボディ質量:約270g】

SPEC●有効画素数:1600万画素●レンズマウント:マイクロフォーサーズ●モニター:,,3.0型約104万ドット、チルト式(上方向のみ)、タッチ対応●EVF:非搭載●サイズ:W106.5×H64.6×D33.3㎜

↑自撮りモードでは、通常のシャッターボタンに加え、本体左上のボタンでも撮影できます

 

↑背面にリセットボタンを装備。機能を細かく設定した後、素早く初期状態に戻せます

 

<ホンネの200字レビュー!>

拡張性は乏しいものの動画も静止画も機能満載な点がいい

付属する標準ズームを含めても約337gという圧倒的な携帯性を誇るエントリーモデル。日常的に持ち歩き、通勤や通学の途中にスナップや作品撮りを楽しむ用途に最適です。EVFやホットシューが省かれているため中級者以上には使いにくい面もありますが、撮影機能はオートからマニュアルまでを完備。画質は高画素ではありませんが、実用十分の解像感があります。後からピント位置を選べる機能や30コマ/秒の超高速連写、4K動画を応用した独自機能も面白いです。

結論→「絶対オススメ!」

 

 

【その6】

端正な一眼レフ風ボディに多彩な機能モードを凝縮したエントリーミラーレス

富士フイルム

X-T100

実売価格9万4500円(レンズキット)

一眼レフを思わせる外観デザインを採用したX-Tシリーズのエントリー機。X-T20などの上位製品に比べて、連写などの一部のスペックを抑えることで低価格を実現。新しい液晶可動の仕組みや、充実したフィルター機能にも注目です。【撮像素子:APS-C】【連写:秒約6コマ】【常用最高:ISO12800】【ボディ質量:約448g】

SPEC●有効画素数:2424万画素●レンズマウント:Xマウント●モニター:3.0型約104万ドット、チルト式、タッチ対応●EVF:約236万ドット●サイズ:W121×H83×D47.4㎜

 

↑顔が正面を向いた瞬間に撮影できる「フェイスオートシャッター」など自撮り機能が充実

 

↑多彩なフィルムシミュレーションを搭載。フィルム交換の感覚で発色傾向を切り替えられます

 

<ホンネの200字レビュー!>

レスポンスに課題はあるが豊富な機能と明快な操作は好印象

富士フイルムの製品はアナログダイヤルを多用した、ややマニアックなカメラという印象がありますが、本機はビギナーでも取っ付きやすい一般的な操作系を採用。液晶は3方向にチルトするので、ロー/ハイアングル撮影のほか、自撮りも楽しめます。上位機のような独自のセンサーではありませんが、肌の色や緑が美しいという同社の画質傾向は継承。惜しいのはAFや連写があまり高速ではないこと。機能は比較的豊富で幅広いシーンに対応できます。

結論→「人物撮影ならオススメ!」

 

協力:楽天市場