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2018/10/29 20:00

【保存版】人気ミラーレスカメラ5台を徹底比較! 初級者が見るべきポイントをプロが解説【外観&基本仕様編】

スマホカメラは手軽で便利ですが、趣味として写真撮影を楽しむにはやはり、「レンズ交換式」のカメラが欲しいところ。とはいえ最新のフルサイズミラーレスはまだまだ高価。そんなふうに感じるビギナーには、レンズキットが10万円前後で買えるエントリー向けミラーレスカメラがおすすめです。そこで今回は、いま人気の5モデルを全3回にわたってさまざまな角度から徹底比較。第1回となる今回は外観基本仕様をチェックしましょう。第2回は「画質」、第3回は「機能」をチェックしていきます。

用意したカメラは、オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」、キヤノン「EOS Kiss M」、ソニー「α6300」、パナソニック「LUMIX GF10/GF90」、富士フイルム「FUJIFILM X-T100」の5台。発売時期はまちまちですが、いずれもローエンドからミドルクラスの間に位置する各社の売れ筋モデルです。
※本記事内の価格は、2018年10月現在の税込み価格です

 


まずは各モデルの基本仕様をおさらい


【その1】

女性にも人気のオシャレな外観! オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9

↑オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」。発売は2018年3月。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが7万3440円、標準ズームが付属するキットが8万9640円、ダブルズームキットが10万5840円

 

オリンパス「OLYMPUS PEN E-PL9」は、デザイン性が高く、特に女性や若年層からの人気が高いOLYMPUS PENシリーズの最新モデルです。2016年に発売された前作「E-PL8」から撮像素子や手ブレ補正機構を継承しつつ、さらなる機能強化と操作性の改良を図っています。

↑外形寸法は、幅117.1×高さ68×奥行き39mm。カラーバリエーションは写真のホワイトのほかブラックとブラウンを用意

 

↑バッテリーとカードを含めたボディ重量は約380g。レンズキットには、薄型軽量の沈胴式標準ズーム(35mm判換算で28-84mm 相当をカバー)が付属します

 

↑液晶モニターには、3型/約104万ドットのTFTを採用。タッチパネルにも対応。電子ビューファインダーは非搭載となります

 

<OLYMPUS PEN E-PL9の基本仕様まとめ>

センサーサイズ4/3型(マイクロフォーサーズ)
有効画素数約1605万画素
背面モニター3.0型約104万ドット、チルト式/タッチ対応
電子ビューファインダー非搭載
大きさ・重さ117.1×68.0×39.0mm・約380g
ボディ価格(2018年10月現在)7万3440円

 

【その2】

満を持して登場した“Kissブランド”初のミラーレス! キヤノン「EOS Kiss M

↑キヤノン「EOS Kiss M」。発売は2018年3月。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが7万9380円、標準ズームが付属するキットが9万5580円、標準ズームと単焦点レンズがセットになったダブルレンズキットが11万2860円、ダブルズームキットが12万420円

 

キヤノン「EOS Kiss M」は、ロングセラーを誇る一眼レフカメラ「EOS Kiss」のブランド名を受け継いだミラーレスカメラです。同社ミラーレスのラインナップでは、中級機「EOS M6」と初級機「EOS M100」の中間に位置付けられています。

↑外形寸法は、幅116.3×高さ88.1×奥行き58.7mm。カラーバリエーションは写真のブラックのほかホワイトを用意

 

↑バッテリーとカードを含めたボディ重量は約387g。レンズキットには、小型軽量の沈胴式標準ズーム(35mm判換算で24-72mm相当をカバー)が付属します

 

↑液晶モニターには、3型/約104万ドットのTFTを採用。タッチパネルにも対応。電子ビューファインダーには、0.39型/約236万ドットの有機ELを搭載

 

<EOS Kiss Mの基本仕様まとめ>

センサーサイズAPS-C
有効画素数約2410万画素
背面モニター3.0型約104万ドット、バリアングル式/タッチ対応
電子ビューファインダー0.39型約236万ドット
大きさ・重さ116.3×88.1×58.7mm・約387g(ブラック)
ボディ価格(2018年10月現在)7万9380円

 

【その3】

防塵防滴対応の高品位金属ボディが魅力! ソニー「α6300

ソニーα6300。発売は2016年3月。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが8万6270円、標準ズームが付属するキットが9万7070円、高倍率ズームが付属するキットが12万9470円

 

ソニー「α6300」は、Eマウントを採用したソニー製ミラーレスのエントリーモデルです。ラインナップ上では、2014年発売の「α6000」のひとつ上、2016年発売の「α6500」のひとつ下に位置しています。α6500と比べた場合、ボディ内手ブレ補正やタッチパネルには非対応ですが、画素数や連写速度は同等、かつ、より求めやすい価格になっています。

↑外形寸法は、幅120×高さ66.9×奥行き48.8mm。今回の5モデルでは唯一、防塵防滴に配慮されたフルマグネシウム合金ボディとなっています

 

↑バッテリーとカードを含めたボディ重量は約404g。レンズキットには、薄型軽量の沈胴式標準ズーム(35mm判換算で24-75mm相当をカバー)が付属します

 

↑液晶モニターには、3型/約92万ドットのTFTを採用。タッチパネルは非対応。電子ビューファインダーには、0.39型/約236万ドットの有機ELを搭載

 

<α6300の基本仕様まとめ>

センサーサイズAPS-C
有効画素数約2420万画素
背面モニター3.0型約92万ドット、チルト式/タッチ対応
電子ビューファインダー0.39型約236万ドット
大きさ・重さ約120.0×66.9×48.8mm・約404g
ボディ価格(2018年10月現在)8万6270円

 

【その4】

胸ポケットにも収まる超小型軽量ボディ! パナソニック「LUMIX GF10/GF90

↑パナソニック「LUMIX GF10/GF90」。発売は2018年2月。同社オンラインショップでの価格は、標準ズームと単焦点レンズが付属するダブルレンズキットが11万3184円

 

パナソニック「LUMIX GF10/GF90」は、多彩なラインナップを誇るLUMIX Gシリーズのローエンドモデルです。昨年発売された「LUMIX GF9」の後継機にあたり、チルト可動式の液晶モニターを受け継ぎつつ、自撮り機能などをさらに強化しています。なお、販路によってGF90とGF10の2つの型番が存在しますが、仕様に差はありません。

↑外形寸法は、幅106.5×高さ64.6×奥行き33.3mm。カラーバリエーションは写真のオレンジ×シルバーのほか、ホワイト×ローズゴールドとブラックを用意

 

↑バッテリーとカードを含めたボディ重量は約270g。ダブルレンズキットには、薄型軽量の沈胴式標準ズーム(35mm判換算で24-64mm相当をカバー)、および単焦点レンズ(35mm判換算で50mm相当をカバー)が付属します

 

↑液晶モニターには、3型/約104万ドットのTFTを採用。タッチパネルにも対応。電子ビューファインダーは非搭載となります

 

<LUMIX GF10/GF90の基本仕様まとめ>

センサーサイズ4/3型(マイクロフォーサーズ)
有効画素数1600万画素
背面モニター3.0型約104万ドット、チルト式/タッチ対応
電子ビューファインダー非搭載
大きさ・重さ約106.5×64.6×33.3mm・約270g
価格(2018年10月現在)11万3184円(レンズキット。ボディ単体の販売はなし)

 

【その5】

バランスが取れた端正な一眼フォルム! 富士フイルム「FUJIFILM X-T100

↑富士フイルム「FUJIFILM X-T100」。発売は2018年6月。同社オンラインショップでの価格は、ボディのみが8万460円、標準ズームが付属するキットが9万4500円、ダブルズームキットが10万7460円

 

富士フイルム「FUJIFILM X-T100」は、一眼レフを思わせる外観デザインを採用したX-Tシリーズのエントリーモデルです。「X-T20」などの上位製品に比べて、センサーや連写スピードなどの一部のスペックを抑えることで購入しやすい価格を実現しています。

↑外形寸法は、幅121×高さ83×奥行き47.4mm。カラーバリエーションは写真のブラックのほか、ダークシルバーとシャンパンゴールドを用意

 

↑バッテリーとカードを含めたボディ重量は約448g。レンズキットには、小型軽量の沈胴式標準ズーム(35mm判換算で23-69mm相当をカバー)が付属します

 

↑液晶モニターには、3型/約104万ドットのTFTを採用。タッチパネルにも対応。電子ビューファインダーには、0.39型/約236万ドットの有機ELを搭載

 

<FUJIFILM X-T100の基本仕様まとめ>

センサーサイズAPS-C
有効画素数2424万画素
背面モニター3.0型約104万ドット、3方向チルト式/タッチ対応
電子ビューファインダー0.39型約236万ドット
大きさ・重さ121.0×83.0×47.4mm・約448g
ボディ価格(2018年10月現在)8万460円

購入検討時にまずチェックすべき3つのポイント


【チェックポイント1】モニター(液晶)の仕組みとEVFの有無

今回の5モデルはすべて液晶可動に対応していますが、可動の向きと角度には違いがあります。

オリンパス

E-PL9

キヤノン

EOS Kiss M

ソニー

α6300

パナソニック

GF10/GF90

富士フイルム

X-T100

背面モニターチルト式バリアングル式チルト式チルト式3方向チルト式
タッチパネル対応対応なし対応対応
EVFなし搭載搭載なし搭載

まず上下方向のみに可動するチルト式は、E-PL9とα6300、GF10/GF90の3台が採用。このチルト式は、液晶の中心がレンズの光軸に近いため撮影時の視線移動が少なく、フレーミングがしやすく感じることや、ワンタッチで素早く可動できることなどがメリットといえます。デメリットは、カメラをタテ位置に構えた場合には可動が役に立たないこと。またα6300は液晶が反転しないため、自分撮りには非対応です。

 

一方でEOS Kiss Mは、左右と上下に可動するバリアングル式を採用。このバリアングル式は、カメラのヨコ位置でもタテ位置でも液晶可動が自由に使え、自分撮りも可能です。弱点は、素早く撮影したいときに液晶を開く手間がややかかることです。また、液晶の中心がレンズの光軸からズレるため、特にマクロ撮影や動体撮影の際、構図の微調整がやりにくい場合があります。

 

ユニークなのは、3方向チルト式という新基軸を採用したX-T100です。この方式では、ヨコ位置で撮る際は、通常の上下チルト式のように使用し、タテ位置撮影や自分撮りの際は、横方向にもチルトできます。チルト式とバリアングル式の利点を兼ね備えた仕組みといっていいでしょう。

 

また、スマホの操作に慣れている人であれば、タッチパネル搭載の有無についても確認しておくとよいでしょう。

↑オリンパスOLYMPUS PEN E-PL9。液晶モニターはチルト式で、自分撮りにも対応。EVFは非搭載

 

↑キヤノンEOS Kiss M。液晶モニターはバリアングル式で、自分撮りにも対応。有機ELのEVFを搭載

 

↑ソニーα6300。液晶モニターはチルト式。有機ELのEVFを搭載

 

↑パナソニックLUMIX GF10/GF90。液晶モニターはチルト式で、自分撮りにも対応。EVFは非搭載

 

↑富士フイルムFUJIFILM X-T100。液晶モニターは3方向チルト式で、自分撮りにも対応。有機ELのEVFを搭載

 

EVF(電子ビューファインダー)については、EOS Kiss Mとα6300、X-T100が搭載し、E-PL9とGF10/GF90は非搭載となります。

 

EVFが必要か必要でないかは、用途や使用レンズによって違ってきます。主に標準ズームを利用して気軽なスナップを撮るだけであれば、EVFの必要性をあまり感じないかもしれません。非搭載の2台は、ほかの3台に比べてボディがいっそう小さく軽く、携帯性と取り回しの面で有利です。

 

ただし、強い日差しでの屋外撮影や逆光撮影など、液晶モニターが反射して見えづらくなる条件下ではEVFがあると助かります。また望遠ズームなど焦点距離が長いレンズを使って動きのある被写体を撮る際も、液晶モニターよりもEVFのほうが画面が安定し使いやすく感じることが多いはずです。自分の撮影用途や撮影スタイルを考慮して判断するといいでしょう。

 

【チェックポイント2】センサーの仕様とレンズマウント

撮像素子(イメージセンサー)は、E-PL9とGF10/GF90が4/3型(マイクロフォーサーズ)の1600万画素クラスを採用。EOS Kiss Mとα6300、X-T100は、より大きなAPS-Cサイズの2400万画素クラスとなっています。それぞれどんな画質が得られるのかは、次回の実写編で詳しくチェックします。

オリンパス

E-PL9

キヤノン

EOS Kiss M

ソニー

α6300

パナソニック

GF10/GF90

富士フイルム

X-T100

センサーサイズ4/3型(マイクロフォーサーズ)APS-CAPS-C4/3型(マイクロフォーサーズ)APS-C
有効画素数1605万画素2410万画素2420万画素1600万画素2424万画素

レンズマウントについては、交換レンズがどれほど充実しているか、自分が使いたいレンズが揃っているか、といった点がポイントになります。

↑オリンパスOLYMPUS PEN E-PL9は、有効1605万画素の4/3型 Live MOS センサーを搭載。レンズマウントはマイクロフォーサーズマウントです。オリンパスの純正レンズに加え、同じくマイクロフォーサーズマウントを採用するパナソニック製レンズも使用可能。さらに、安価なものから高級品まで数多くのサードパーティ製レンズが発売されています

 

↑キヤノンEOS Kiss Mは有効2410万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載。レンズマウントはキヤノンEF-Mマウントです。純正のマウントアダプターを利用すれば、一眼レフ用のEFレンズやEF-Sレンズが使用でき、その際でもAFは快適に作動します

 

↑ソニーα6300は有効2420万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載。レンズマウントはソニーEマウントです。純正に加え、多彩なサードパーティ製が選べるほか、マウントアダプターを介して他マウントのレンズを装着する選択肢も豊富です

 

パナソニックLUMIX GF10/GF90は撮像素子は有効1600万画素の4/3型 Live MOS センサーを搭載。レンズマウントはマイクロフォーサーズマウントです。パナソニックとオリンパスの製品に加え、国内外の多彩なサードパーティ製レンズが用意されています

 

↑富士フイルムFUJIFILM X-T100は有効2424万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載。レンズマウントはFUJIFILM Xマウントです。サードパーティ製品は少なめですが、光学性能を重視した純正レンズが数多く揃っています

 

【チェックポイント3】記録メディアとバッテリー持久力

記録メディアは、GF10/GF90が小型軽量ボディ優先のためmicroSDメモリーカードを採用。それ以外の4台は、一般的なSDメモリーカード(UHS-I 対応)となっています。

オリンパス

E-PL9

キヤノン

EOS Kiss M

ソニー

α6300

パナソニック

GF10/GF90

富士フイルム

X-T100

記録メディアSDSDSDmicroSDSD
撮影可能枚数約350枚約235枚約350枚約210枚約430枚
USB給電不可不可対応対応対応

電源は、撮影可能枚数の目安(CIPA規格準拠)をチェックしましょう。今回の5モデルでは、約210枚のGF10/GF90が最も少なく、約430枚のX-T100が最も優秀です。

 

またUSB充電に対応しているか否かも使い勝手を左右するポイントのひとつです。α6300とGF10/GF90、X-T100の3台はUSB充電ができ、E-PL9とEOS Kiss Mは非対応となっています。

↑オリンパスOLYMPUS PEN E-PL9。記録メディアはSDメモリーカード。リチウムイオン充電池の撮影可能枚数は約350枚。USB充電は不可

 

↑キヤノンEOS Kiss M。記録メディアはSDメモリーカード。リチウムイオン充電池の撮影可能枚数は約235枚。USB充電は不可

 

↑ソニーα6300。記録メディアはSDメモリーカード、およびメモリースティックPROデュオなど。リチウムイオン充電池の撮影可能枚数は約350枚。USB充電に対応

 

↑パナソニックLUMIX GF10/GF90。記録メディアはmicroSDメモリーカード。リチウムイオン充電池の撮影可能枚数は約210枚。USB充電に対応

 

↑富士フイルムFUJIFILM X-T100。記録メディアはSDメモリーカード。リチウムイオン充電池の撮影可能枚数は約430枚。USB充電に対応

 

このように基本仕様をチェックしていくだけでも、機種ごとに大きな違いや個性があることがわかります。何もかもが完ぺきなカメラというものはありません。自分の使い方に最もマッチする1台を探してみましょう。次回は実写編をお届けします。

 

協力:楽天市場