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カメラ
2019/3/5 18:30

戦略的価格でフルサイズミラーレスの本命なるか? まもなく発売のキヤノン「EOS RP」に注目だ!

そろそろ物欲も“雪解け”。ここでは、活況なフルサイズミラーレスの本命といえるキヤノン「EOS RP」を中心に、注目のミラーレスカメラ3機を紹介します!

カメラマン

永山昌克さん

カメラの仕組みや製品動向に精通。雑誌やウェブ媒体にレビュー記事を多数執筆しています。

 

ボディ10万円台後半は超格安!待望のお手ごろフルサイズミラーレス「EOS RP」登場

キヤノン
EOS RP(3月14日発売予定)
実売予想価格17万3340円(ボディ)、23万7060円(レンズキット)

2620万画素フルサイズセンサーと最新映像エンジン「DIGIC 8」を搭載した小型・軽量モデル。最速で約0.05秒という超高速なAFを実現しました。また、映像情報からもブレを検知する「デュアルセンシングIS」にも対応しており、静止画で最大5段分の手ブレ補正効果が得られます。

「予想以上に小さくて軽いボディに驚愕! 単焦点レンズをつけて持ち歩くことで、フルサイズならではのボケ味と高画質をスナップ感覚で楽しめました。EOS Rとは異なりモードダイヤルを備える点や、無駄のない明快な操作系も気に入りました」(永山さん)。

↑自由度の高い撮影アングルを実現するバリアングルモニターを搭載。前面に向けて、自撮りも楽に行えます

 

↑ボディは小型ですが、グリップが深めでしっかりと握れます。別売で延長グリップ(1万260円)も用意しています

 

「大衆的」を意味する“P”を冠した戦略モデル

キヤノン、ニコンの参入で苛烈さを増したフルサイズミラーレス市場。そんななか、矢継ぎ早にキヤノンが2機種目のフルサイズミラーレス機を発表してきました。

 

それが、60年前に同社が発売した普及機のP型(※)にちなんで名付けられた、このEOS RPです。EOS Rと比べて、ボディ価格で約10万円安くなった本機は、まさに戦略的なプライシングという印象を受けます。また、価格だけでなく、そのサイズ感にも注目。EOS Rより約140gも軽量化され、一回り小型なボディは、本当にフルサイズ機か疑ってしまうほど。

※「Populair」(ポピュレール。仏語で「大衆的な」といった意味)に由来

 

同社独自のデュアルピクセルCMOS AFの採用による、高速かつ広範囲なAFも上位機種のEOS Rと同様です。まさに、定番入門機の「EOS Kiss」の次のステップとして最適な一台といえるでしょう。

 

同じタイミングでパナソニックやオリンパスも新旗艦モデルを発表しています。ミラーレス一眼市場は、今後も激戦が続きそうです。

 

EOS RPの注目ポイント

【ポイント1】フルサイズミラーレス初の限定カラバリもラインナップ

5000台限定でゴールドも同時発売。同色の延長グリップやマウントアダプターとのセットで20万4660円、レンズ付きで26万8380円です。

 

【ポイント2】EOS Kissシリーズで好評のビジュアルガイドにも対応

定番の入門機EOS Kissシリーズで採用されるUI「ビジュアルガイド」を本機も選択可能。撮影モードやメニュー画面などをグラディカルに表示できます。

 

【ポイント3】コントロールリング搭載のRFレンズは操作性に優れる

EOS RPには、昨秋EOS Rと同時に登場したRFレンズを装着可能。RFレンズはコントロールリングを備える点が特徴で、絞りなどの設定を変更しやすいです。

 

【ポイント4】EOS Rで搭載した新感覚のフレキシブルAEモードを踏襲

EOS Rが初めて搭載した自由度の高いオート露出「フレキシブルAE(Fv)」に対応。絞りやシャッター速度、ISOなど、任意の数値を自由に設定できます。

 

【ポイント5】いまや必須級トレンドの瞳AFはもちろんサポート

人物撮影時の失敗写真を格段に減らしてくれると、トレンド機能になっている「瞳AF」にも対応。連写時や動画撮影時も被写体の瞳にAFが追従します。

 

【ポイント6】フルサイズデジタル一眼レフよりこんなに小型!

上の図は、クラス的に同格となるフルサイズ一眼レフEOS 6D MarkIIとの比較。高さで約25.5㎜、幅で約11.5㎜も小型です。ボディの重さはEOS RPが約245g軽いです。APS-C一眼レフのEOS Kiss X9iと比較してもEOS RPのほうが小さいのは驚きです。

パナソニック&オリンパスもハイエンドモデルを刷新!

【パナソニック】プロも満足する超弩級スペックを備えたフルサイズ機

パナソニック

LUMIX S1/S1R(3月23日発売)

実売予想価格31万4000円(S1/ボディ)、46万4000円(S1R/ボディ)

同社初となるフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼。約4730万画素のS1Rと、高感度に強いS1の2モデルを用意します。レンズマウントはライカ社のLマウントを採用。複数枚を合成して最大1億8700万画素(S1R)の画像を生成できます。

<高性能を駆使できる心地よい操作感>

「『とにかく使いやすい!』というのが試用した第一印象です。特に、各種機能へのアクセス性のよさと、自分好みにカメラの状態を細かく変更できるカスタマイズの充実ぶり、そして、しっくりと手に馴染むボディ形状の3点に好印象を受けました」(永山さん)

 

【オリンパス】最大7.5段分の手ブレ補正に対応したフラッグシップ機

オリンパス
OM-D E-M1X
実売価格36万5040円(ボディ)

縦位置撮影用のグリップが一体化した旗艦マイクロフォーサーズ一眼。画像処理エンジン「TruePic VⅢ」を2基搭載することで、クルマや飛行機、列車を自動で判別し、適切に追尾する「インテリジェント被写体認識AF」などに対応しています。

<悪条件をものともしない安心感と信頼性>

「雨の夜という悪条件で使いましたが、濡れても問題なく作動し続けるボディのタフさと、暗所でもブレない強力な手ブレ補正効果を実感できました。また、画像合成で露光時間を擬似的に延ばす『ライブND』などの独自機能も新しい可能性を感じます」(永山さん)

 

<今春発売のミラーレス4モデルのスペック比較表>

 

文/森 有史(編集部) 撮影/高原マサキ(TK.c)