7月といえば秋葉原で毎年開催される夏のポタフェスです。今年は、7月13、14日の2日間、ベルサール秋葉原の地下1階から1階、2階を使って開催され、トークショーやミニライブなどのイベントのほか、特別価格の即売会、そして各ブランドの最新モデルや参考展示品や試聴など、盛りだくさんの内容となっていました。
今回は、数多くのブースのなかから、行列ができていたブースの人気モデルを2回に分けてご紹介します。前編は、注目度の高い機種が出そろった「完全ワイヤレスイヤホン」編です。
ワイヤレス史上最強の重低音再生! オーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」
1階の入り口すぐの場所が定位置の人気ブースがオーディオテクニカ。今回は、7月12日に発売されたばかりのSOLID BASSシリーズの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS5TW」をメインに展示していました。このATH-CKS5TWは、声優でオーディオマニアの小岩井ことりさんに「自分でイコラインジングかけてるのかと思って確認しました」と言わしめるほど低域の量感があります。
量感があるからと言って解像度が下がってモコモコすることはなく、歯切れの良さと量感を両立させた絶妙の音作りがポイント。硬度の違う素材を積層した独自構造の振動板とφ10mmの大口径で重低音を実現しています。大型化されたハウジングが落ちないように、専用イヤーチップを開発、さらに3Dルーフサポートが耳にイヤホンをしっかり固定します。最新のワイヤレス通信チップを採用して、連続再生15時間というのも魅力です。
最高グレードのノイズキャンセリング機能を搭載したSONY「WF-1000XM3」
ソニーのブースで人気があったのが、7月13日に発売されたばかりの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」です。完全ワイヤレスではレアな「アクティブ型ノイズキャンセリング機能」を搭載しているので、その効果を知りたい人が列を作ったようです。
本機に搭載されたノイキャンは、2個のマイクを搭載したデュアルノイズキャンセリングテクノロジーを採用。さらにノイズキャンセリングプロセッサー「QN1e」の働きによって、同社の格付け3段階で最高レベルのノイズキャンリング効果を誇ります。
ノイキャンだけでなく同社の完全ワイヤレスイヤホンとして初めて、独自の高音質化技術「DSEE HX」を搭載。Bluetoothで伝送された音源を、最大96kHz/24bitまでアップコンバートして再生します。これによって、ワイヤレスでもハイレゾ相当の音が楽しめるそうです。もちろんイヤホンのドライバーも40kHzまで再生できます。
また同社独自の左右同時伝送を使って電波を送るため、電波干渉に強く、音の遅延がおこりにくくなっています。受信装置を選ばないのでiPhoneでも左右同時伝送が有効。連続再生時間は6時間で、10分充電で90分再生できる急速充電にも対応と隙のないスペックの最強モデルです。欲をいえば、aptX対応と防水防滴機能があれば完璧なのではないでしょうか。
スカルキャンディは「Indy」か「Push」か悩む
スカルキャンディからは、アンダー1万円の「Indy」(9980円)と、重低音主義の「Push」(1万2900円)という2種類の完全ワイヤレスイヤホンが登場。
「Indy」はIP55の防塵・防滴性能があり、タッチコントロール対応、そしてフラットバランスで聞きやすい中高音が特徴です。
「Push」はボタン操作でスカルキャンディらしい量感のある低音再生がポイント。毎月、限定色が発売されるという希少性もあります。コーデックはどちらもSBCのみ対応です。
アメリカで売上No.1のJLabのハイコスパモデルが日本上陸
2019年1月から6月の期間で、100ドル以下の完全ワイヤレスイヤホンの売上が全米で1位の実績を持つのが、JLab Audioです。ブースに展示されたのは3モデルで、いずれもドライバーは共通となり、コーデックはSBC対応、Bluetooth5.0を採用しています。
アンテナが特徴的な「AIR EXECUTIVE」(9540円)。連続再生は6時間。
防水性能がIP66でイヤーフックを持つスポーツ向けモデルの「AIR SPORT」(9540円)。連続再生は6時間。
基本モデルの「AIR」(7300円)は、連続再生3時間となります。
ケースはユニークなケーブル内蔵型になっています。ケースから出せば自動的にペアリングモードになり、タッチコントロール対応(AIRはボタン操作)と、手軽な完全ワイヤレス入門機として注目の製品です。フラットバランスでクッキリした音はスマホ向きといえます。
抜群のフィット感と9時間再生がウリのGLIDiC「Sound Air TW-7000」
GLIDiCのフラッグシップモデル「TW-7000」はフィット感にこだわり、ハウジングのデザインをカスタムイヤモニの国内メーカー、カナルワークス監修の元に最適化。重さ6.5gのコンパクトなボディで連続再生9時間、ケース併用時25時間再生を実現しています。また10分間の充電で2時間再生できる急速充電にも対応しました。完全ワイヤレスイヤホンを試してみたいが、自分の耳に合うかどうかが心配な人に試して欲しいモデルです。
サイバーなデザインのHiFiMAN初の完全ワイヤレス「TWS600」
平面駆動型ヘッドホンで有名なHiFiMANから初登場する「TWS600」(1万3900円)は、LEDを効果的に使った近未来的なデザインで目立つこと間違いナシです。フィット感がよく遮音性の高いハウジングで、独自コーティングされた振動板を採用。高域にハリがある音で、低域はやや物足りない感じがしました。連続再生5.5時間、発売は7月末か8月初旬予定です。
ラディウス「HP-T50BT」は小型軽量で高解像度
ラディウスの最新作が早くも試聴機として登場していました。7月下旬発売予定の「HP-T50BT」(実売価格約9980円)です。小型軽量設計で4色のカラーバリエーション、連続再生6時間、IPX5対応、コーデックはSBCとAACに対応します。派手なカラーにひかれて試聴してみると、予想外に解像度重視の本格的な音でした。低音の量感もありメリハリも感じられます。
クラウドファンディングからも注目の製品が登場予定!
クラウドファンディングのGREEN-FUNDINGでも、完全ワイヤレスイヤホンのプロジェクトが進行中です。まず、4mm径のドライバーを搭載した世界最小の「GRAIN TW-A10W」です。耳栓よりも小さいハウジングで本体にボタンなどはなく、操作はスマホの専用アプリからおこなう方式です。BluetoothユニットはクアルコムQCC3026という最新チップを採用するため、連続再生時間も期待できそうですね。
BoCoからは、骨伝導イヤホンで初の完全ワイヤレスモデルが「earsopen」シリーズから登場予定です。earsopenは独自開発のダイナミック振動子とイコライジング技術によって、従来の骨伝導イヤホンを超えた音質を実現しています。私も別のモデルを聞いたことがありますが、耳の穴を使わずにこんなにクリアでワイドレンジな音が出ることに驚きました。まあ、普通のイヤホンと比較すると圧倒的に低音不足で音量も出せませんが、以前の骨伝導イヤホンは音楽が聞けるようなシロモノではなかった事を考えると立派です。さらなる高音質と大音量化に期待します。
どちらの製品も撮影用しかなく、残念ながら試聴はできませんでしたが、このような開発中の最新機種をいち早く見ることができるのもポタフェスの醍醐味のひとつ。
後編では、有線モデルやポータブル音楽プレーヤーの注目製品を紹介しますのでお楽しみに!
【ギャラリー】
【関連記事】
来週末はアキバへGO! 国内最大級のオーディオイベント「ポタフェス2019」が13日・14日に開催