ダウンロード音源に負けない情報量が多く厚みのある音だった
「PMA-150H」にデスクトップで使っている8cmフルレンジスピーカー「Ishida model」を接続して宇多田ヒカル「FirstLove」のULTRA HD音源(96kHz/24bit)を再生してみると、まずイントロの低音のビートが違います。低音から中音まで厚みがあってボーカルの存在感が際立って、音楽全体が緻密で濃い印象。同じ曲をCDからリッピングした音源(44.1kHz/16bit)で再生すると、音数が減って寂しい感じになり、低音のビートだけが空しく響きます。これはドンシャリな録音なのかと錯覚してしまいそう。
今度はAmazon Music HDの目玉であるユーミン400曲の中から聴いてみます。荒井由美時代のファーストアルバムからすべてULTRA HD化されているので、LPレコードで聞いて音がスカスカだった曲も、改めて聞き直してみると音に厚みと空間が感じられました。埋もれていた情報がハイレゾ化によって復活してデスクトップを音楽で満たしてくれます。これだけでもAmazon Music HDに入ってもいいと思えてくるほど。さすがマスターテープを発掘してデジタルリマスタリングしただけのことはあります。いままでは無線LAN接続でしたが、有線LAN接続に変更すると、ボーカルがなめらかでしっとりと落ち着いた感じになります。広がり感と奥行き感もさらに出てきました。小型スピーカーだけではもったいないので、大型スピーカーも鳴らしてみましたが、オーディオマニアも納得の音を出してくれました。
「PMA-150H」でラクラク高音質再生
Amazon Music HDは専用アプリによってスマホとタブレット、PCにも対応しており、それぞれ単体でもHD再生ができます。しかし、iOSかAndroidか、内蔵DACの仕様などによって設定が異なるほか、外部DACの接続が必要なこともあり、設定を間違えるとHDで再生できないことも。つまり、結構、敷居が高いのです。
それがHEOS対応の「PMA-150H」なら、面倒な設定は不要で確実にULTRA HDかHD音質で楽曲を再生可能。もちろんアンプとしての能力も高いのでスピーカーの実力も発揮されます。クラスDアンプの特徴を生かした低音から高音までフォーカスがピシッと合って、クッキリとした粒立ちのいい音を聞かせてくれました。HEOSはハイレゾストリーミングの心強い味方といえます。もっと対応機器を増やして欲しいですね。
Amazon Music HDに関しては、44.1kHz/16bitのCD音質をHDと呼ぶことに違和感がありますが、確かにULTRA HDの音質はストリーミング音源と思えないほど高音質です。専用アプリはインターフェイスが独自で、プレイリストも作りにくいので今後の改善を期待しましょう。スマホ単体での再生では内蔵DACの仕様とか、ストリーミングでギガがどんどん減るなどの問題もありますが、日本初のサブスク、ハイレゾストリーミングとして注目のサービスといえます。11月25日からはソニー・ミュージックエンタテインメントのハイレゾストリーミング「mora qualitas」の開始が予告され、令和元年は日本のハイレゾストリーミング元年になりそうです。
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