「パーソナライゼーション機能」がウリのJBL
ハーマンインターナショナルが取り扱うJBLのブランドは、今年もCESで大量の2020年新製品を発表しています。
完全ワイヤレスイヤホンは、外音取り込み機能付きの「LIVE 300TWS」が4月発売。JBLシグネチャーサウンドを継承する上位モデルで、ユーザーの耳の聞こえ方に音をパーソナライズできるJBL独自の測定機能「Personi-Fi」を搭載します。本体はIPX5相当の防滴性能。4色のカラバリを揃えます。
外音が自然に取り込めるオープン型構造の「TUNE 220TWS」は、デザインもどこか同じオープン型のAirPodsに近く、スティック型としています。価格は99ドル(約1万円)とお手頃。全6色のカラバリが揃います。
Indiegogoでクラウドファンディングを始めた異色のワイヤレスヘッドホン「JBL REFLECT Eternal」は、太陽光・環境光で本体のバッテリーを充電し続けることができます。肝はヘッドバンドに搭載したソーラーチャージパネル。冬の晴天時に得られる5万ルクス前後の太陽光を2時間ほど照射させれば約1時間の音楽リスニングが楽しめます。
ソーラーチャージは以前にフィーチャーフォンなどのモバイル端末に搭載された製品もありましたが、ワイヤレスヘッドホンには前例がないと思います。なるほど、その手があったかと、筆者もハーマンが本機のクラウドファンディングを始めた時に思わず膝を打ちました。クラウドファンディング後には今年の後半に向けて商品化も検討しているそうです。どれぐらい充電しないでも使い続けられるのか、発売が決まったらぜひ試してみたいと思います。
このほか、ゲーミングヘッドセット「QUANTAM」シリーズも発表されました。e-sportsに注目が集まるなか、オーディオブランドによるゲーミングヘッドセットの展開も2020年のキーワードになりそうです。
JVCはスポーツタイプ。立体サラウンド対応ヘッドホンも
JVCはヘッドホン再生でスピーカーの音場と定位感を再現する、独自の頭外定位音場処理技術の「EXOFILED(エクソフィールド)」の7.1.4chマルチサラウンド版新製品「XP-EXT1」をCESで発表しました。去年はプロトタイプとして見せていたテクノロジーが商品化にたどり着いた格好です。欧米では春頃に1000ドル(約11万円)で販売を予定。日本でも時期は未定ですが発売を予定している製品です。
製品はヘッドホンとHDMI入出力を搭載するサウンドプロセッサーを組み合わせるシステム構成。別途用意したUHD BDプレーヤーなど再生機器を接続して、ヘッドホンで映画や音楽を楽しむスタイルになります。プロセッサーとヘッドホンとの間は5GHz/2.4GHz併用のデジタル無線接続です。
最初に頭外定位の効果をユーザーの耳の形状などに合わせた最適化を行います。プロセッサーとヘッドホンをケーブルにつなぎ、さらにモバイルアプリを使って測定を実行。一度測定したデータは本体に保存されます。
EXOFIELDの効果はオン・オフを選択可能。CES会場でデモを体験してみたところ、EXOFIELDのサラウンドは強調感がなく、自然な感覚で音に包まれる心地よさが特徴的でした。聴き疲れしないサラウンド。S/Nがよく、透明な空気感を見事に再現しています。既にシアタールームをお持ちの方でも、夜中に音量を気にせず映画や音楽ライブを楽しみたい時のサブシステムとしておすすめできます。
もちろんシアターシステムを買う予定はないけれど、NetflixやAmazonプライム・ビデオの動画配信をもっといい音で楽しみたいという方の、初めてのサラウンドヘッドホンシステムとしてもXP-EXT1はよい選択肢になりそう。ステレオ音源からの7.1.4chアップミックス機能もあるので、テレビの放送やゲームなどもたっぷりの臨場感を加えて楽しめると思います。
JVCはほかにも完全ワイヤレスイヤホンの新製品「HA-AE5T」を展示。IP55相当の防塵・防滴性能を備えるスポーツタイプのイヤホンです。価格は150ドル(約1.6万円)を想定しています。