動画表示性能を高めた4K有機ELブラビア「A8H」
もうひとつの新製品であるA8HシリーズはBRAVIAの4K有機ELテレビ。サイズ展開は65インチと55インチの2種類。こちらも北米での価格と発売時期は未定です。
高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載した本機には、速い動きの映像もくっきりと再現できるよう、有機EL素子の明滅を制御して動画応答性能を高める「X-Motion Clarity」がBRAVIAの4K有機ELテレビに初めて採用されました。部屋の明るさに合わせて画面の明暗を自動コントロールする「アンビエント オプティマイゼーション」はA8Hシリーズにも乗ります。
画面から音が出てくるような臨場感あふれるサウンドはソニー独自の「アコースティック サーフェス オーディオ」によるもの。ウーファーユニットを背面に別途載せて、タイトで力強い低音再生も可能にしています。スポーツのライブ放送はスタジアムの熱気まで伝わってきそう。
そしてZ8H、A8Hともにドルビーアトモスの立体サウンドも単体で再現できるテレビであることも気にとめたいポイントです。サウンドバーなどがなくてもドルビーアトモスの音声を収録したコンテンツが迫力いっぱいに楽しめます。
映像制作者の意図を忠実に再現する4K有機EL「HZ2000」
パナソニックは2020年にヨーロッパで発売する4K有機ELテレビの新製品「HZ2000」シリーズをCESで発表しました。サイズ展開は65インチと55インチの2機種。日本での発売予定はパナソニックも「検討中」とのみアナウンスしています。
最新世代のパネルを、ハリウッドで活躍するカラーリストたちの評価も仰ぎながら丁寧にチューニングしてきたという「Master HDR OLED Professional Edition」と名付けた有機ELディスプレイを搭載。特徴は従来の有機ELディスプレイよりも明るい映像を再現できるピーク輝度の幅が約20%向上したことです。
高画質プロセッサーはパナソニック独自の「HCX PRO Intelligent Processor」を搭載。HDRの映像ソースから自然な明暗、コントラスト再現による立体感を引き出します。なおHDRの映像方式はHDR10/HDR10+/Dolby Vision/HLGを幅広くサポートして、あらゆる映像コンテンツを最適な画質で楽しめることをパナソニックは新シリーズの強みとして推していました。
HZ2000シリーズから搭載される「Filmmaker Mode」機能は、映画やテレビドラマなどの映像を手がけたクリエイターの創作意図を、ありのままパナソニックのテレビで再現するために新設されました。テレビの映像メニューからFilmmaker Modeを選択すると、映像を滑らかに表示するためにテレビが“味付け”を加える「モーションスムージング」と呼ばれる補正処理機能がオフになり、映像のフレームレートや画角がソースが持っている情報を元に忠実に再現されます。
パナソニックのHZ2000シリーズも、テレビを置いた部屋の明るさに呼応して画面の明るさを自動で最適化する機能を備えます。特に昼間の明るめな部屋でHDR映像を視聴する時に効果を発揮します。またDolby VisionのHDRコンテンツを再現する際には、映像メニューから画面の明るさを3段階から選べる機能も搭載されています。
パナソニックの4K有機ELテレビのフラグシップに位置付けられるHZ2000シリーズは、内蔵スピーカーを合計140Wのデジタルアンプで強力にドライブ。人の声を再現するセンターチャンネル、ドルビーアトモスの音声コンテンツを再生したときに高さ方向の音成分をリアルに再現する上向き配置のイネーブルドスピーカーも本体に内蔵して、テレビ単体で鳴らしているとは思えないほど活き活きとした力強いサウンドを聴かせてくれました。HZ2000シリーズのサウンドチューニングはパナソニックのHi-Fiオーディオブランドであるテクニクスのエンジニアが手がけています。
テレビの存在を不必要に際立たせないミニマルなプロダクトデザインもHZ2000シリーズの魅力。日本仕様のモデルについても早く発表される機会が訪れてほしいものです。
そして、パナソニックからはCESの時点で8Kテレビに関するアナウンスがありませんでした。東京五輪が開催される大事な年に、パナソニックが8Kテレビを出さないことはないとは思いますが、今後も同社の動向から目が離せません。
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