正統派超広角18mm相当のお散歩レンズ「7Artisans 12mm F2.8」
一眼レフを手に入ると望遠レンズが欲しくなるもの。メーカー側もズームレンズが何倍ズームかを競い合っていますが、望遠鏡のように遠くのモノが大きく見える効果はインパクト抜群なものの、実際に撮影すると広角レンズを使う機会の方が多いことが分かってきます。
いまではスマホの標準レンズは28mmですが、銀塩時代の標準レンズと言えば50mmでした。広角は35mm、28mmと24mmは上級者向けの広角、20mは超広角レンズと呼ばれ特殊レンズでした。それが普通の人の限界で、18mmなどは「ニコンの世界」という豪華版レンズカタログで眺めるだけの存在だったのです。このカタログ本の最初に出てくる超広角レンズが15mmF5.6でした。画角は110度あって、デメキンのようなレンズなのでフードは固定式、フィルターが使えず、切り替え式の専用フィルターを内蔵していました。
7Artisansの12mmは、重さわずか290gでφ63×67mmのコンパクトサイズで18mm相当の超広角レンズ。多くのミラーレスの標準ズームレンズの広角端は28mmか24mmなので、これはズームでは見られない超広角といえます。被写体深度を使えばピント合わせ不要なので、スナップ撮影にも最適です。最短撮影距離は20cm。レンズはアルミ合金で金属製の固定式フードが付いています。
【作例】広い所も狭い所も広々と撮れる
絞り込むと写真の四隅が暗くなる周辺光量落ちも楽しめます。渋めの発色のクラシッククロームモードを使用。ビルが台形に変形しているのは超広角レンズ特有のパースペクティブの強調によるものです。これはカメラをあおると強調されるので、歪みを出したくない場合はカメラの水平と垂直に気を付けましょう。EVFにグリッドか水準器を表示させるのがマルです。
広々とした公園を超広角で撮ることで、ポツンと花見をするカップルの孤立感を強調できました。28mmがスマホの標準レンズとなった現在、広角が24mmでは物足りません。20mmか18mmくらいは欲しいところです。
水平垂直に気を付ければモデルを撮影しても違和感はありません。人物は端に入れると歪みやすいので、なるべくレンズ中央に収めます。このように引きがない室内などで役立つレンズです。遠近感が強調されるのを利用して、足を長く見せることもできますよ。