有線イヤホンが100円、片耳タイプのワイヤレスイヤホンが300円から買えるという、驚異の安さを誇るダイソーのオーディオアイテムですが、その実力はどうなのでしょうか?
今回は、ダイソーで500円(税抜)で販売されている有線式ヘッドホン2種類を、自腹購入して使ってみました。
おもちゃっぽい質感の「カラーコンビ」
最初に聴いたのは、ツートーンの「ヘッドホン カラーコンビ ブラウン×ブルー」。シックな茶色と暗めのブルーがおしゃれな印象です。
実際に手に取ってみると、ヘッドバンドからハウジングまですべてプラスチックでできており、かなりおもちゃっぽい感じ。子ども用として使うならアリですが、いい大人が外で装着するにはツライものがあります。
スペックを確認してみると、端子は3.5mm/3極のステレオミニで、ケーブルの長さは1.2m。マイクやリモコン等は搭載していません。インピーダンスは32Ω。再生周波数帯域は20Hz-20kHzで、もちろんハイレゾ非対応。この価格なら仕方ありませんね。
特筆すべき点は、ハウジングを開いてフラットにできること。折りたたみ式ほどコンパクトにはなりませんが、カバンの中に入れるときなどにはかさばらず便利です。
さっそく音をチェックしてみましょう。今回は再生機にソニーのウォークマンNW-A106を使用しました。
音を出してまず初めに思ったのは、「音がこもっている……」ということ。安いイヤホンやヘッドホンは解像感が低く音の分離がよくないため、全体的にモヤっとした音になりがちなのですが、こちらも御多分に漏れずこもり気味な音質でした。
全体的に音にメリハリがなく、もっさりした感じに聴こえるものの、ボーカルなどの中音域は割としっかり出ています。J-POPなどのボーカル主体の曲なら、そこそこ聴けるかもしれません。
ヘッドバンド部分は長さを調整でき、ハウジングの角度も変えられるので、ちゃんとフィッティングさせれば装着感は良好。オールプラスチックでとにかく軽いため、頭や首が疲れにくいのもメリットでしょう。ただし、しっかりフィットさせても遮音性は低いです。
高級感のある金属風パーツを使った「クロム風」
続いて、「ヘッドホン クロム風 シロ」を試してみました。こちらは、クロームメタル風のパーツを使っているので、見た目は先ほどのカラーコンビよりは高級感があります。大人が外で装着しても、そんなに違和感はなさそう。なお、カラバリとして黒もあるようです。
スペックはカラーコンビとまったく同じで、インピーダンス32Ω、再生周波数帯域20Hz-20kHz。ケーブル長は1.2mの3.5mmステレオミニプラグとなります。
さっそくヘッドホンを頭に乗せてみると、「うっ!」と思うほど締め付けがキツイ! ヘッドバンドの幅が狭く、調節もできないため、普通に装着するとかなり強力に締め付けられてしまいます。頭が小さめの人じゃないとキビしそう。筆者はヘッドバンドを後頭部にズラして、なんとか装着することができました。ヘッドバンド部はプラスチックなので、無理やり広げてクセをつければゆるくなるかもしれません。
ヘッドバンドの長さは調整できますが、カラーコンビと違いハウジング部を開くことができないため、装着感は劣ります。
音質については、カラーコンビよりも高域がクリアでメリハリを感じます。こもり感はそれほど感じませんが、全体にややエコーがかっている印象。カラオケで歌っているような感じに聴こえます。打ち込み系の曲などはカラーコンビよりも楽しく聴けそうです。
ダイソーヘッドホンはどちらが買い?
ヘッドホンは、イヤホンに比べてコストがかかるため、ダイソーにしてはお高めな500円という価格ですが、正直なところコスパはそれほど良くなく、「これが500円!?」という驚きは感じられませんでした。
2つのヘッドホンを比べてみると、見た目だけならクロム風の方がよいけど、装着感はカラーコンビの方が上。音質ははどちらもそれほど良くないものの、ボ―カル曲を中心に聴くならカラーコンビ、打ち込みやダンス系の曲ならクロム風の方が合っている、という感じでしょうか。
どちらを選ぶかとなると、やはり締め付けがキツいヘッドホンを使うのは厳しいので、装着感の差でカラーコンビの方に軍配が上がります。いずれにせよ、今回試したダイソーのヘッドホン2種は、あまり積極的に選ぶ理由がないと感じました。
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