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2020/8/21 20:00

やっぱり老舗は“上質さ”がひと味違う! ノイキャン機能付き完全ワイヤレス「ATH-ANC300TW」レビュー

アプリやリモコンの操作性も快適

スマホとの接続前後の設定はiOS/Androidに対応する専用モバイルアプリ「Connect」で行います。Connectアプリ自体はQuietPointシリーズをはじめオーディオテクニカの他のワイヤレスオーディオ製品も共通して使うオーディオテクニカ純正アプリ。ATH-ANC300TWをスマホにペアリングしてアプリを立ち上げると、ノイズキャンセリングやヒアスルーの強度調節をはじめ、本機専用のメニューが画面に表示されます。ATH-ANC300TWはaptXとAAC/SBCの3つのBluetoothオーディオのコーデックに対応しているイヤホンですが、それぞれの接続状態の確認とコーデックの切り換え選択、バッテリーの残量チェックなどができます。

 

アプリは完全ワイヤレスイヤホンは初めてという方でも直感的にすぐ使いこなせるよう、とてもシンプルなユーザーインターフェースにしています。探している機能に素速くたどり着けます。ノイズキャンセリング機能は強く効果がかかるAirPlaneから順にOn The Go/Office-Studyまで、切り換えて効果を確認しながらリスニングシーンに合ったシーンが選べます。

↑Connectアプリからイヤホンの各機能を操作・設定します

 

左右イヤホンのシェルの上側に、音楽再生とハンズフリー通話の際に使うリモコンボタンがあります。確かなクリック感が得られるボタンなので押し間違い発生しにくいのが良いところ。音量のアップダウンも含めて、スマホをポケットやバッグから取り出さなくてもオーディオの音量がイヤホンから変えられる所も優れています。左利き・右利きの違いによって、リモコンのキー配置をA/Bふたつのパターンから選択できます。

↑リモコンはボタン式。確実な操作性を実現しています

 

イヤーピースによるカスタマイズも可能

オーディオテクニカのATH-ANC300TWを完全ワイヤレスイヤホンの初心者の方にもおすすめする理由は、とてもナチュラルなサウンドバランスを実現しているから。ノイズキャンセリング機能をオンにすると、静かな環境の中で音楽リスニングに集中できるぶん、特定の帯域にバランスが偏ったチューニングは目立って聞こえる場合があります。偏ったバランスのサウンドはやはり長く聴き続けていると疲れてくるのです。

 

ATH-ANC300TWは特定の帯域を強調しないフラットバランスにチューニングされていて、ノイズキャンセリング機能をオンにした時の静寂の純度がとても高いイヤホンです。山の湧き水で淹れたコーヒーを味わうように、ジャンルやカテゴリーの区別なく、どんな音楽を聴いてもアーティストの存在がすぐ側に感じられ、楽器の音の生々しさ、演奏空間のスケールが真に迫る描写ができることも本機の特徴です。筆者は特にボーカルやアコースティック&エレキギターをハイライトした音楽が好みなので、それぞれのディティールが自然に浮き立ち、アーティストの熱気を近い距離で感じさせてくれるATH-ANC300TWに脱帽しました。

↑aptXにも対応するATH-ANC300TW。原田知世さんのシルキーな歌声もそのまま再現してくれます

 

ノイズキャンセリング機能のレベルを一番強い「AirPlane」に設定しても、音楽再生を邪魔しないナチュラルバランスで耳にストレスを感じない自然な消音効果もお見事。本機を飛行機の中で試したことは残念ながらまだありませんが、地下鉄に乗りながら動画を視聴する場面で使ってみたところ、セリフを明快に聞き取るためにはもう少し強い消音効果が欲しいと思うことがありました。

 

製品のパッケージには純正のシリコンイヤーピースのほかに、Comply製のフォームイヤーピースも付属しています。後者を選択するとパッシブな遮音性能が高められるのでおすすめ。また本体のノズルが汎用性の高い形状なので、サードパーティ製のイヤーピースに交換して音の違い、装着感のアレンジもできます。

↑シリコン製と低反発フォーム製のイヤーピースを同梱。サウンドやフィット感が調節できます

 

↑サードパーティ製のイヤーピースを装着して、音のカスタマイゼーションを深めることもできます

 

aptX再生に対応するスマホとペアリングして、アプリからAAC/SBCの各コーデックを手軽に切り換えながら好みの音を探りつつ楽しめるところも本機の魅力です。aptX接続で聴くサウンドは楽曲によってボーカルの艶っぽさ、生楽器の音色の鮮やかさが引き立ち、音場の広がりも一段と豊かになります。ふだん聴き慣れた楽曲も、ATH-ANC300TWで聴けば新たな発見があるかもしれません。

 

高機能マイク内蔵により通話品質も高い

今年は春から少しずつ、オフィスを離れてテレワークスタイルで仕事をこなせる環境を整えてきた方も多いでしょう。ワイヤレスイヤホンを使うと、周囲が賑やかな場所でも音が聞こえやすくなるので音声コミュニケーションのストレスが格段に減らせます。オーディオテクニカのATH-ANC300TWは高性能な通話用マイクを搭載したほか、周囲の環境ノイズを抑制するクアルコムのcVc(Clear Voice Capture)テクノロジーにより、ハンズフリー通話の際にはユーザーの声をクリアに相手へ届けることができます。本体の落ち着いたデザインとカラーはビジネススーツにもフィットするので、リモートワークのビデオ会議で使うと相手に“できるビジネスパーソン”の印象を与えるでしょう。

 

ノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンの人気が高まってきて、今年の後半には1万円前後の製品も様々なメーカーから発売されにぎわいそうです。もちろん高価な製品であることが、イコール上質な体験を得られるイヤホンを意味しているわけではありませんが、オーディオテクニカのATH-ANC300TWのように、音質から装着感まであらゆる側面から抜かりなく「上質であること」を真面目に探求したイヤホンは、手に取って試してみるとすぐに違いがわかるものです。そして長く使うほどに飽きのこない魅力がにじみ出てくることを知り、「最高の買い物」ができたこと実感できるはずです。

 

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