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2020/8/29 18:00

ダイソーで300円の「高音質イヤホン」は“買い”か!? 100円イヤホンと比べてみた

有線イヤホンが100円、片耳タイプのワイヤレスイヤホンが300円から買えるという、驚異の安さを誇るダイソーのオーディオアイテムですが、その実力はどうなのでしょうか?

 

今回は、ダイソーで300円(税抜)で販売されている有線式イヤホン3種類を購入して使ってみました。

↑ダイソーで300円で販売されている有線式イヤホン3モデル

 

まずは100円イヤホンを聴いてみる

今回試してみたのは、ダイソーで「高音質」イヤホンとして、ほかの商品よりお高めな300円(税抜)で販売されている3モデル。比較のため、同じくダイソーで100円(税抜)で販売されているイヤホンも聴いてみました。

 

こちらが100円の「カナル型イヤホン[シルバーライン]」。プラスチックの袋に入れられたシンプルなパッケージです。ケーブル長は1m。付属品はありません。

↑ダイソーの100円イヤホン

 

リモコンやマイクなども搭載しておらず、きわめてシンプルに音を聴くだけのモデルとなっています。プラグはストレート型の3極ステレオミニ。

↑リモコンやマイクは搭載していません

 

イヤホンにはシルバーのラインがあしらわれており、見た目はごく一般的なイヤホンという感じ。実際に手にしてみるとオールプラスチックで、かなりチープな印象です。そもそも、100円イヤホンに高級感を求めるほうが間違っているのでしょう。

↑シルバーをあしらったデザイン

 

今回は手持ちのソニー「ウォークマン NW-A106」を再生機にして音質をチェックしてみました。音を聴いてまず感じたのが、「あれ、左右の音が違う?」ということ。ステレオと思いきやモノラルだった、同じくダイソーのBluetoothイヤホンとはまた違う違和感がありました(詳しくは以前のレビューを参照下さい)。

 

片方ずつ聴いてみると、どうやら右は低域が強く、左は高域が強い音になっています。そのせいで両耳同時に聴いたときに違和感があったのでしょう。これが個体差なのか、仕様なのかはわかりませんが、残念ながら音楽を聴くのに適したイヤホンではないと思います。

 

音が聴こえればなんでもいいから、とにかくイヤホンがいますぐ必要なんだ! という緊急事態以外で、このイヤホンを選ぶ理由はないでしょう。

 

ダイソーの“高音質イヤホン”のクオリティは?

しょっぱなから不安を覚えてしまったのですが、続いて今回のメインアイテムである高音質モデル3種を聴いていきます。各モデルには型番があり、「HQ-002」「HQ-003」「HQ-004」となっています。もしかするとHQ-001やHQ-005というモデルも存在するのかもしれませんが、筆者が購入した店舗にはこの3モデルしか置いていませんでした。

↑ダイソーの高音質イヤホン。左からHQ-002、HQ-003、HQ004

 

いずれもスペックや使用は同じで、ケーブル部にマイク付きリモコンを備え、ケーブル長は1.2m。インピーダンスは32Ωで、再生周波数帯域は20Hz~20kHzとなっています。イヤホンで32Ωというのは、やや音量が取りにくい方に入るかもしれません。

↑音量はスライダーで調整可能。再生に使用したウォークマンではボタン操作はできませんでした

 

まずはHQ-002から見ていきましょう。このモデルは、白熱電球のソケット部分のようなハウジングデザインが特徴的です。

↑高音質ステレオイヤホン「HQ-002」

 

↑電球のソケットのようなハウジングが特徴

 

音を聴いてみると、一聴して先ほどの100円イヤホンとは“格”が違うのがわかります。さすが高音質をうたうだけあって、安心して音楽を聴けるクオリティにあると感じました。じっくり聴いてみると、低域が強めで中高域は控えめ。こもりのある暗めの音で、解像度は低いなりによくまとまっています。昔のジャズ音源などを聴くと雰囲気が出ますね。

 

続いてHQ-003を聴いてみます。こちらは黒のボディにゴールドのラインがあしらわれています。特筆すべきは、ハウジングの後方がパンチングされており、複数の穴が空いていること。そのせいか、ほかのモデルより若干音漏れしやすくなっています。

↑高音質ステレオイヤホン「HQ-003」

 

↑イヤホンの後方に穴が空いています

 

音質は、パンチングの効果もあってか音の抜けがよく、メリハリがあって明るい音となっています。低音もよく出ており、いわゆる“ドンシャリ”的なサウンドといえるでしょう。ポップスやロック、打ち込み系などノリのよいジャンルの楽曲に合う音です。

 

最後にHQ-004を試してみます。こちらはブラックをベースにシルバーがあしらわれており、デザイン的には3モデルのなかで最もシンプルなものとなっています。

↑高音質ステレオイヤホン「HQ-004」

 

↑ブラックのボディにシルバーがあしらわれたシンプルなデザイン

 

また、3モデルのなかでは唯一、ハウジングに角度がつけられており、そのおかげで耳にしっかりフィットしました。装着性を求める方はこのHQ-004一択でしょう。

↑上から見るとイヤホンに角度がつけられているのがわかります

 

音質は、HQ-002に似た暗めの音で、メリハリはないけどうまくまとまっています。若干低音の押し出しが強めな分、中高域が埋もれてしまっている感じも。解像感もあまり高くありません。

 

いずれも300円なら満足できるクオリティ

3モデルを試聴して筆者が1番気に入ったのは、メリハリのある音質のHQ-003。次点で、装着性の高いHQ-004でしょうか。いずれのモデルも300円という価格なら十分満足できるクオリティだと思います。

 

外出先でイヤホンを忘れたとき、ダイソーに駆け込んでイヤホンを調達するなら、100円のイヤホンではなく、この300円の高音質モデルを選ぶことをオススメします。

 

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