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2020/10/16 17:30

ボーズ伝家の宝刀「QuietComfort」の完全ワイヤレスイヤホン誕生! スポーツモデルとまとめてレビュー

ノイズキャンセリングの性能は「とても強力」

先にQC Earbudsのインプレッションから報告します。筆者は「QuietComfort3」から、あいだにいくつかの抜けはありますがボーズのノイズキャンセリングヘッドホンを長年愛用してきました。QuietComfortの名を冠するイヤホンのノイズキャンセリング性能が一番気になるところでした。

 

効果をひとことで表せば「とても強力」だと思います。ノイズキャンセリングの強度はAndroid/iOS対応の「Bose Music」アプリで、「0=ヒアスルー」も加えて“11段階”から選べます。最強レベルの「10」を選ぶと地下鉄のレール音、バスのロードノイズやまわりの人の話し声がすうっと聞こえなくなります。

↑Bose Musicアプリからヒアスルーも含む11段階でノイズキャンセリングのレベル調節ができます

 

↑ノイズキャンセリングの効果を3つプリセットとして保存。お気に入りとしてタッチセンサーリモコンから呼び出せます

 

一度自宅で本機を装着したまま掃除機をかけた時に吸引音がほぼ聞こえなくなって度肝を抜かれました。あいにく飛行機の中では試せていませんが、音楽をかけていなくてもノイズキャンセリング効果を有効にできるので、機内で仮眠したい時などにも重宝しそうです。

 

アプリでノイズキャンセリングの効果を段階的に変えていっても鼓膜を突くような不快なプレッシャーやノイズ感が感じられません。本機を2週間ほど試用しましたが、消音効果により音楽リスニングに違和感を感じることはありません。

 

ヒアスルー機能は、外音を取り込む量がソニーのWF-1000XM3やパナソニックのRZ-S50W、そしてアップルのAirPods Proなどの製品に比べるとやや“控えめ”かもしれません。

 

Bose Musicアプリによる設定、本体リモコンの操作もシンプル

サウンドはやや中低域の存在感が厚めではありますが、ビートに瞬発力と軽やかさがあり、ロックやEDMはアップテンポな曲を軽快に響かせる筋力があります。深く沈む低音をしっかりと鳴らし切るパワーのあるイヤホンです。

↑QC EarbudsのサウンドをiPhone 11 Proにペアリングして試聴しました

 

ボーカルは肉付きが良く輪郭の描き込みも力強く立体感が豊かです。とても温かみが感じられるサウンドなので、お気に入りのボーカリストの歌唱にゆっくりと耳を傾けたい時に最適なイヤホンでしょう。

 

Bose Musicアプリはユーザーインターフェースがとても簡潔にデザインされています。音楽再生やハンズフリー通話は本体側面のタッチセンサーから行います。右側面をダブルタップすると音楽の再生と一時停止、左側をダブルタップすると、アプリであらかじめ登録した好みのノイズキャンセリングレベルを3件まで登録して、使う場面によって切り換えることができます。

 

左側の長押しで「ショートカット」として「バッテリー残量の音声確認」かまたは再生中楽曲の「トラック送り」が操作できます。ソフトウェアアップデートなどによって機能を追加してもらえる余地がもしあれば、イヤホンからボリュームのアップダウンとトラック戻しもできるようになるとありがたいと思います。

 

しっかりとしたノイキャン効果を求める人に最適

QC Earbudsはアクティブ・ノイズキャンセリング機能の効果がとても明快に感じられる完全ワイヤレスイヤホンです。ガッツリとメリハリを効かせたノイズキャンセリング機能をイヤホンに期待したいという人にオススメ。音質はややウォームでインパクトが強めに感じられるかもしれませんが、長く音楽を聴いても疲れにくいほどの情報量もしっかりと感じられます。動画やゲームコンテンツの音声を楽しむイヤホンとしても最適だと思います。

 

StayHear Maxは耳に挿入するノズルとハウジングの先端を包み込むように装着して、魚のヒレのようなフィンを一体成形している本機専用のイヤーチップです。他のイヤーチップとの互換性がないので、イヤーチップで好みの音質にカスタマイズして楽しむことはできませんが、S/M/Lサイズのイヤーチップにより装着感のアレンジができます。

↑3種類のサイズのイヤーチップでフィット感を調節できます

 

イヤホン本体はIPX4相当の防滴仕様です。StayHear Maxイヤーチップによるフィットを調整できれば耳元にピタリと固定されます。スポーツシーンでも大変使いやすいワイヤレスイヤホンだと感じました。

 

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