ボーズのサングラス型ウェアラブルスピーカー「Bose Frames」に音が良くなった新しい2モデルが11月5日に発売されます。ファッショナブルな「Bose Frames Soprano」と初のスポーツタイプ「Bose Frames Tempo」をひと足早くレポートします。
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サングラス型ウェアラブルスピーカーはどう使う?
Bose Framesシリーズは2019年秋に日本上陸しました。当時本誌では最初のモデルとなる「Bose Frames Alto」をレポートしました。
今年追加されるBose Frames Sopranoは大型レンズのキャッツアイ・デザイン、Bose Frames Tempoは顔にピタリとフィットするスポーツタイプ・防滴仕様のサングラス。どちらも価格は3万3000円です。
Bose Framesはサングラス型のBluetoothスピーカーです。レンズに動画やスマホからの通知を表示する映像系の機能はありません。スマホに接続して、音楽再生やラジオ、映画にハンズフリー通話の音声を聴くためのデバイスとして捉えるのが正解です。米国ではよりリアルな音による没入感が楽しめる独自のオーディオコンテンツ「Bose AR」も提供されていましたが、現在はそのサービスを終了しています。
世の中にはヘッドホンやイヤホンもあるのに、なぜスピーカー付きサングラスが必要なの? と思われるかもしれません。Bose Framesにはパワフルなスピーカーが内蔵されており、独自の設計機構により耳にサウンドをダイレクトに届けてくれます。そのためサウンドはかなり聴きやすく、また耳を塞がずに音を聴くことができるため、周囲の環境音を聴きながら仕事や家事をしたり、屋外を散歩してみると、独特なリスニング体験の魅力が実感を伴ってきます。
スピーカーの開口部は少しサイズが厚めのテンプル(つる)の、耳に近いところに内蔵されています。ユーザーが音を聴きやすい構造になってはいるものの、やはりイヤホンのように耳に栓をして聴くタイプのオーディオではないため音漏れはします。静かなカフェ、混み合う公共交通機関の中で使う場合は周囲に音漏れによる迷惑をかけないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
スピーカーのサイズが拡大。音質がグンと良くなった!
新しいBose Framesはテンプルのスピーカーキャビネットのサイズが大きくなりました。また音の出口となるスピーカー開口部のレイアウトとデザインに見直しをかけたことで、よりクリアでエネルギッシュなサウンドが直接耳に届く手応えが感じられます。
ペアリングや本体設定を行うためのアプリが「Bose Music」になりました。Bose Frames Tempoにペアリングするとバッテリーの残量などがトップページに表示されます。ボーカルが艶っぽく、低音のリズムがしっかりと体の芯にまで伝わってくる、スポーツシーンでのリスニングに最適なサウンドです。
Bose Frames SopranoのサウンドはTempoに比べるとフラットバランスで、人の声がナチュラルに再現されます。日常の生活シーンでBGMやラジオを聴く用途にも向いている“疲れにくい”チューニングです。
フレームのデザイン、装着感が好みに合わない場合は難しいかもしれませんが、筆者はBose Frames Altoをビデオ会議にもよく使っています。本体にはマイクも内蔵されているため、ハンズフリー通話にも使えるからです。サングラスで仕事のミーティングに参加すると相手に不快感を与えるかもしれないので、レンズを度付きのクリアタイプに交換した経緯については後ほど説明します。
Tempo/Sopranoは機能面でも進化している
Bose Frames Sopranoは2019年モデルのAlto/Rondoをベースにサウンドの強化を図り、フレームに光沢感を持たせた男女兼用できるスタイリッシュなデザインに仕上がっています。
内蔵するバッテリーの連続駆動時間は最大5.5時間。Bose Frames Altoの最大3.5時間よりも伸びています。充電には専用のカスタム4ピンケーブルが必要です。
本体にはタッチセンサーリモコンとモーションセンサーが内蔵されています。右のテンプルを前後にスワイプすると音量のアップダウン、ダブルタップでスマートフォンの音声アシスタントを起動します。また本体を外して逆さに向けて置くと電源がオフになります。
Bose Frames Altoは右側のテンプルに搭載されているマルチファンクションボタンを長押しして、本体を身に着けた状態で顔を左に向けると音量ダウン、右に向けると音量アップになるジェスチャーコントロールをソフトウェアアップデートにより追加しています。こちらは使ってみると意外に便利です。ボーズの製品、他社のヘッドホン・イヤホンもこれを搭載すれば歓迎されそうな気がします。
機能面で強化されたポイントはBose Frames Tempoの方により多くあります。
タッチセンサーリモコンやモーションセンサーによる機能はSopranoと同様ですが、Tempoは本体がIPX4相当の防滴対応です。スピーカーの開口部には音響機器用のメッシュ素材を使用して、水や異物が入るのを防ぎます。SopranoとAlto/RondoはIPX2相当の生活防水対応。
Tempoは空気力学を考慮してデザインされた流れるようなフォルムが特徴。空気抵抗を防ぎます。フレームの素材を軽量ナイロンとして、さらに3サイズのシリコン製ノーズパッドが着脱交換できるので、体を激しく動かしてもフィット感がブレません。ノーズパッドはぜひSopranoにも採用してほしかった機能です。
そしてTempoはUSB-Cポートを搭載しているので、本体を充電する際にAndroidスマホなどに多く採用されているUSB-Cケーブルと同じアクセサリーが使えます。ケーブルはバリスティックナイロン製の専用キャリングケースに入れて持ち歩けるので、アウトドアスポーツにも最適です。
度付きのクリアレンズに交換する方法。サングラスのレンズにもオプションあり
筆者は昨年、Bose Frames Altoを入手してからずっと使っています。欧米の方に比べると、日本人に“サングラス”はあまり馴染みのないアイウェアでしょう。少なくとも筆者は夏場の日射しが強い時間帯に外を歩く時や、たまにクルマを運転するときに使う程度。ところがBose Framesの心地よいサウンドと、耳を塞がずに音楽やラジオが聴ける便利さを体験してしまうと、できれば四六時中身に着けていたくなってきました。
自宅とはいえ、常時サングラスを着けていると家族に嫌がられてしまいます。そして何より筆者はコンタクトレンズが苦手なので、度付きのクリアレンズを作りたいと思って大手の眼鏡店に相談して交換レンズをつくってもらいました。顛末については本誌で詳しくレポートしているので参考にしてみてください。
眼鏡店のJINS(ジンズ)では、現在もいくつかの店舗でBose Frames Alto/Rondoのレンズ交換の依頼を受けているようです。新しいBose Frames Soprano/Tempoも携えて相談に訪れてみましたが、製品の発売前だったこともあってレンズは製作できないという回答でした。
これはあくまで筆者の個人的な手応えですが、レンズのタイプ、フレームの形状と厚みが比較的近いSopranoは発売後に受け付けてくれる可能性もありそうです。ただ、スポーツタイプのTempoはレンズの湾曲がかなり強いため製作そのものが難しく、またレンズを固定する上側リムの溝の幅が決まっているため、厚みのある度付きレンズは装着できない可能性が高いと思います。本機についてはコンタクトレンズを付けてから、スポーツシーン等で音楽を楽しむ用途に向いているサングラスです。
ボーズからは2つの新製品に対応する交換レンズ(度なし)も発売されています。Bose Frames Sopranoは購入時にブラックの偏光レンズが装着されていますが、ミラード ローズゴールド(偏光)/パープルフェード(非偏光)の2タイプを交換レンズとして揃えています。素材は破損や傷に強いプレミアムプラスチックです。
Bose Frames Tempoには購入時にミラード ブラックレンズが装着されています。交換レンズは偏光タイプの3種類、トレイルブルー/ロードオレンジ/トワイライトイエロー。可視光線透過率(レンズの明るさ)がそれぞれに異なっています。
レンズの交換はユーザーが自分でもできますが、最初は少し戸惑うかもしれません。各交換レンズのオンライン取扱説明書を見ながら挑戦するとよいでしょう。
サングラスは苦手という方にも試してほしい。テレワークにもおすすめ
ふだんサングラスをする習慣がないという方も、メガネ型のヘッドホン・イヤホンのようなオーディオ機器として、ぜひ一度Bose Framesシリーズを試してみることをおすすめします。ヘッドホンやイヤホンとはまたひと味違う、自分の周りだけを音楽が包み込むような新鮮なリスニング体験が味わえるからです。
クリアレンズへの交換が可能なタイプの製品はビジネスシーンでも、ビデオ会議に明瞭な音声を聴いて・伝えるための“テレワーク用アクセサリー”として活躍してくれることでしょう。ボーズには眼鏡店とのコラボも広げつつ、Bose Framesシリーズをますます充実させてもらいたいと思います。
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