デュアルBAドライバー搭載の「Sonic Pro」
続いて紹介する「Sonic Pro」は音質を徹底追求したSOUNDPEATSのハイクラスモデルです。昨年11月に発売した「Sonic」からサウンドの中核を担うドライバーを変更して、さらに充電ケースにはQi対応のワイヤレスチャージ機能を付けています。税込価格はSonic Proが6080円、Sonicが4980円。音質に関してはSonicの充実ぶりも負けていないので、筆者はふたつのモデルを“兄弟機”として位置付けるべきと考えています。
Sonic Proには2基のBA型ドライバー、Sonicには6ミリ口径のダイナミック型ドライバーが搭載されています。どちらのイヤホンもハウジングは密閉型。アクティブ・ノイズキャンセリング機能は搭載していませんが、付属するイヤーチップと外耳にぴたりと沿うハウジングのデザインによる高い遮音効果が得られます。
フル充電からの連続音楽再生は、選択するBluetoothのオーディオコーデックにもよりますが、イヤホン単体で約15時間が目安になります。在宅リモートワーク中、ビデオ会議の通話用にこのイヤホンを選んで、いくつかの長時間に渡るミーティングを連続でこなしたとしてもバッテリー切れの心配がなさそうです。
イヤホン本体は本機もIPX5相当の防水対応。雨の日の屋外やスポーツシーンでも気兼ねなく使えます。サイドパネルのリモコンはボタン式ですが、室内ランニングやダンスなど体を動かしながら音楽を聴く時には、タッチセンサーよりもボタン式のリモコンは操作ミスが抑えられるので良いという声もよく聞きます。
高音質コーデックaptX Adaptiveの音を聴いた
Sonic ProとSonicには、米クアルコムの新しいBluetoothオーディオチップが採用されています。また高音質・低伝送遅延を特徴とするクアルコムの最新BluetoothオーディオコーデックのaptX Adaptiveにも対応しています。
aptX AdaptiveコーデックによるBluetooth音声の送り出しに対応するソニーの最新スマホ「Xperia 10 III」に接続して、Sonic ProとSonicの音質を聴き比べてみました。
5人組のアカペラグループ「ペンタトニックス」による、オフィシャル髭男dism「Pretender」のカバーを試聴すると、Sonic Proはとても艶やかでクリアなボーカルが際立ちます。ビートボックスのリズムも切れ味抜群。5人の声のニュアンスを丁寧に描き分けながら、広々とした音場を描きます。
6ミリのダイナミック型ドライバーを搭載するSonicのサウンドは心地よい一体感を持ち味としており、ふっくらとした柔らかなハーモニーに包まれる魅力があります。厚みのある中低域がスムーズに立ち上がり、ボーカルに独特の温かみが感じられました。
欲張ってSonic ProとSonicを両方手に入れても合計価格は1万2000円以下。それぞれ音質が違うイヤホンを、その日の気分で贅沢に使い分ける楽しみ方もアリだと思います。
Sonic Pro、SonicともにBluetoothオーディオの伝送遅延をさらに低く抑える「ゲームモード」を搭載しています。本体の電源を投入後、左側のリモコンボタンをトリプルクリックするとゲームモードのオン・オフが切り替わります。
その効果をXperia 10 IIIで試してみました。aptX Adaptiveのコーデック自体が元もとBluetoothオーディオの低遅延を実現しているので、ゲームモードと相まってタッチパネルによる入力操作がモタつくことがなく、とても快適な操作性が得られます。例えばピアノのキーボードを叩きながら音楽を演奏するゲームも、鍵盤をタッチしたとたんに音がほぼ遅れることなく聞こえてくるので、気持ちよく演奏が楽しめました。とても実用性の高い機能だと思います。
Sonicシリーズもやはり様々な種類のスマホ、ポータブルオーディオプレーヤーとの安定したワイヤレス接続を「Qualcomm TrueWireless Mirroring」という技術によって実現しています。同じクアルコムのチップを搭載するスマホだけでなく、iPhoneで音楽を聴く時にもSonicシリーズなら快適なリスニング体験が得られます。