しっかり効くけど自然な消音感
本機はイヤホンのノズルの中と、周囲の環境音をそれぞれ別のマイクで集音してノイズ成分を打ち消すハイブリッド方式のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載。遮音性能の高いシリコン製のイヤーピース“イヤージェル”は密閉度が高く、耳穴の中でしっかりとグリップしてくれます。音楽の邪魔になるノイズを自然に消してくれる消音効果がJabra Elite 7 Activeの特徴です。従来のモデルに比べても、周囲で話している人の声の消音効果が高くなったと筆者は感じました。
イヤホンに内蔵するマイクで周囲の環境音を取り込む「ヒアスルー機能」も搭載しています。スポーツで身体を動かしながら、あるいは街を歩きながら音楽を聴きたい時にも便利で、本体側面のボタンリモコンからノイズキャンセリングとヒアスルーのモードを素速く切り換えられます。ヒアスルーをオンにすると外の音がクリアに聞こえ、マイクに由来するノイズの不快感がありません。
ノイズキャンセリングとヒアスルーはSound+アプリからそれぞれ5つの段階で強弱を調整可能なので、常時任意のセッティングで使いやすいようにセットしておけます。
スポーツシーンを華やかに彩るアクティブサウンド
さっそくJabra Elite 7 Activeのサウンドを確かめてみましょう。本機はJabraが独自に設計した6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載しています。ハウジングの構造は密閉型で、パワフルでタイトなサウンドを再生。BluetoothオーディオのコーデックはAAC/SBCに対応しています。
iPhone 13 Proに接続してApple Musicで配信されている楽曲を聴いてみました。これまでに筆者が聴いてきたJabraの完全ワイヤレスイヤホンは音のバランスがニュートラルで、原音に対して忠実なサウンドを特徴としていました。Jabra Elite 7 Activeはより低音域に厚みを持たせて、中高音域もエネルギッシュで伸びやかに再現するようになった印象です。スポーツモデルにふさわしく、これまでよりもアクティブなイメージのサウンドに仕上がっています。
松本伊代の「センチメンタル・ジャーニー(40th Anniversary Version)」はふくよかなボーカルの温かみが感じられます。バンドが演奏する楽器の音色がとても鮮やかで、コーラスが重なりあうスケールの大きな演奏を描き出します。
上原ひろみ「Sliver Lining Suite」の収録曲「フォーティチュード」では、アップテンポなジャズピアノが躍動します。ピアノの音色が温かく、弦楽器のしっとりとした和音と柔らかく溶け合います。熱量の豊かな演奏がイヤホンを通して伝わってきます。
スポーツで身体を動かしながら音楽にも集中したい場面では、エネルギー感をストレートに伝えてくるJabra Elite 7 Activeのサウンドがなおのこと魅力的に感じました。Sound+アプリにはサウンドのバランスを自由にカスタマイズできるイコライザー機能もあるので、シーンや楽曲に合わせて音のバランスを変えたり、ボーカルを強調して聴いてみるなど工夫を楽しむのもいいでしょう。
同時期に発売されたJabra Elite 7 Proは、より全体に均整の取れたピュアなサウンドを特徴とする兄弟機です。音質に関してはそれぞれを聴き比べて好みのイヤホンを選ぶか、または両方手に入れてリスニングシーンに合わせて使い分けられればベストですね。
ビジネスシーンにも活躍する高い通話性能
Jabra Elite 7 Activeは本体に4基のビームフォーミングマイクを内蔵しており、ハンズフリー通話の音声もクリアに伝えることができます。身体を動かしながらでもクリアな音声を相手に伝えられるよう、風切り音ノイズを防ぐアコースティックメッシュでマイクの箇所を入念に覆う構造としています。
イヤホンに内蔵するバッテリーは通話で約6時間、音楽再生で約8時間の連続駆動に対応しています。ケースによる充電を繰り返せば最長30時間の使用も可能。本体が片側5.5gと軽量なので、ビジネスユースにも対応できるワイヤレスイヤホンとして最良の選択といえそうですね。
本機はスポーツイヤホンだからと使用シーンを決め込んでしまうのはとても勿体ないほど、多彩な機能を詰め込んだオールラウンダーです。価格は2万3980円(税込)ということで、新しいAirPodsが同価格のライバルになるでしょう。さらに上位機種であるノイキャン機能搭載のAirPods Proにとっても強力なライバル登場といえそうです。
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