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2022/3/16 18:30

多機能なのに高コスパ! Amazonが手がける完全ワイヤレス「Echo Buds」の実力をチェック

AmazonからAIアシスタントAlexaを搭載する左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「Amazon Echo Buds」が発売されました。1万円台前半で購入できるアクティブノイズキャンセリング(ANC)付き完全ワイヤレスイヤホンの“お得度”を1週間に渡って体験してみましたので、その性能をレポートします。

 

日本初登場の第2世代「Echo Buds」

AmazonのEcho Budsは第2世代目の製品ですが、初代機が日本で発売されなかったため日本にはパワーアップした新製品が初めて上陸する運びになりました。

↑第2世代のAmazon Echo Budsが発売されました

 

環境ノイズを低減するANC機能が初代機よりも強化されたこと、本体が約20%小型化したこと、価格がさらに手頃になったことが第2世代機の魅力として挙げられます。

 

初代機はワイヤレスチャージ機能を持たない充電ケースでありながら、米国では129.99ドル(約1.5万円)で発売されました。第2世代のEcho Budsはワイヤレス充電ケース付きのモデルが税込1万4980円、USB(有線)充電ケース付きのモデルは税込1万2980円となります。

↑本体に付属するUSB-C充電ケーブルとシリコン製のイヤーチップ、ウィングチップ

 

筆者は年間に多くのワイヤレスイヤホンを取材・試聴していますが、ANC付きでAIアシスタントも搭載するEcho Budsは、同価格帯のライバルと並べてみてもかなりコスパがよいイヤホンだと思います。

 

シンプルなデザイン。多機能なAlexaアプリ

続いて各箇所のインプレッションを報告していきます。デザインは心地よくシンプルにまとめた印象で、イヤホン、充電ケースは他社製品に比べて突出したレベルではないものの、軽くコンパクトでポータビリティは合格点。

 

タッチセンサーリモコンを搭載する本体側面にアマゾンのスマイルロゴが配置されています。ひと目でEcho Budsとわかる外観は個性的だと思いますが、筆者はちょっと生活家電っぽい感じがしてしまいました。

 

イヤホンの形状はとてもオーソドックスです。筆者は問題なく装着できましたが、耳穴の小さい方はハウジングの内側が耳に少し当たる感覚があるかもしれません。イヤーチップのサイズを合わせたり、ウィングチップで装着感を調整するとよいでしょう。Alexaアプリには、ユーザーの耳に合ったイヤーチップ等を付けて最適なフィットが得られているかを確認できるフィットテストツールも用意されています。装着に不安のある方はそちらを活用しましょう。

↑ウィングチップを装着すると耳に本体があたる感覚が和らぎます

 

↑Alexaアプリのフィットテストツール

 

Echo BudsはAlexaアプリを起動しなくても音楽を聴いたり、ハンズフリー通話を行ったりすることができるイヤホンですが、アプリがあれば本体設定などがより細かく行えます。例えば音声操作に対応するAIアシスタントAlexaのセットアップや、イコライザーによる音質のカスタマイズなど、手頃な価格の割に多彩な機能が充実していると思います。Echo Budsを選ぶのであれば、購入前にAmazonアカウントを作ってアプリを使う準備を整えておくべきです。

 

イコライザーで好みのバランスに追い込める

音質を確かめるため、Google Pixel 6 Proに接続してサウンドをチェックしました。Echo Budsが対応するBluetoothオーディオのコーデックはベーシックなAACとSBCです。

↑Amazon Echo Budsのサウンドをチェックしました

 

Echo Budsの音質はやや中低音域が厚めな印象。特に低音は温かみがあり、スムーズな押し出し感が心地よく感じられました。アップテンポなジャズやEDMの楽曲を聴くと、ゆったりと安定したベースラインの魅力を実感できます。ピアノの温かいメロディ、ボーカルの甘い香りが漂うような余韻も楽しく聴けました。

 

Netflixで映画やアニメも視聴してみましたが、声が伸びやかで聴きやすく、効果音もパンチが効いています。音楽だけでなく動画鑑賞でも迫力あるリスニングが楽しめるイヤホンといえるでしょう。

 

一方で、全般に高音域の抜け感にもう少し余裕があれば、声の繊細なニュアンスの変化や空間の広がりがつかみやすく感じられるようにも思います。イコライザーを使って調整すると、多少中高音域に広がりが感じられるようになるので、コンテンツに合わせてイコライザーを積極的に使うのもオススメです。

 

強力なANC機能は上手に使い分けたい

ANCとアンビエントサウンド(外音取り込み)は、どちらも効果が分かりやすく、はっきりと感じられます。

 

機能の切り替えはイヤホンのタッチセンサーリモコン、またはアプリから操作できます。本体リモコンの場合、デフォルトはセンサーの「長押し」で切り替える仕様です。少し長めにタッチしないとモードが切り替わらない操作感に最初は戸惑いました。またモードが切り替わる最中にボイスプロンプトが鳴り、代わりにコンテンツの音声が消えます。その間にコンテンツは停止せずに先に進むので、リスニングに空白が生まれる感じも慣れません。アプリから操作すると音楽再生を止めることなく、またボイスプロンプトも鳴らさず静かに切り替えられます。

 

ANCはすべての帯域にまんべんなくよく効き、環境ノイズを強力に消してくれます。筆者はその耳栓効果が少し強めに感じたので、ANCレベルの強弱をコントロールしたいと感じることもありましたが、残念ながらEcho Budsにはその機能がありません。イヤーピースによるパッシブな遮音効果も高いイヤホンなので、静かな場所ではアプリから「外音コントロールをオフにする」を選んで、ANC機能を切って使うのもアリだと思います。

 

アンビエントサウンドは全5段階で外音取り込みの強弱を調整できます。機能をオンにするとややマイクに由来するノイズ感が気になりますが、代わりに外音はよく取り込まれます。屋外を移動しながら本機を使う場面では積極的に使うべき機能だと思います。

 

Echo BudsでAlexaを活用しよう

Echo BudsはAlexa連携がとてもスムーズにできるイヤホンです。モバイルのAlexaアプリからAIアシスタントの初期セットアップが簡単に行えるので、本機を買ったらAlexaを使わない手はありません。

 

Alexaアプリから設定すると、イヤホンのリモコンを操作しなくてもハンズフリーの状態から「アレクサ」と発話してスムーズにコマンドを受け付けます。Alexaが起動したことを知らせるチャイムの音量がやや小さめなのが気になりましたが、いずれ改善されることを期待したいと思います。

↑豊富なアプリの機能。ワークアウト記録やイヤホンの紛失検索などが揃います

 

Echo BudsからもAlexa内蔵のスマートスピーカーやFire TV Stickと同じように、今日の天気やニュースを聞いたり、Alexaに対応するスマート家電の操作、4000件を超えるスキル連携などができます。音声操作の反応も上々。Alexaにイヤホンのバッテリー残量が聞けたり、通話のハンズフリー操作ができるところなどがイヤホンならではといえます。

 

ハンズフリー通話については、イヤホンに内蔵するマイクで拾った自分の声を、通話音声にミックスして聞ける「サイドトーン」も便利でした。

↑本体のリモコンの操作方法も自由にアレンジができます。Apple Musicを音声で操作するスキルも

 

コスパのよさに文句なし。アップデートにも期待

第2世代のAmazon Echo Budsは、ANC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンとしてとてもバランスよくまとまっていると思います。オーディオ機器としてはANC機能のレベル調整や、タッチセンサーリモコンの操作感覚など少しブラッシュアップを期待したい部分もありますが、ソフトウェアアップデートにより変更できる余地が残されているところに期待が持てます。

 

あとはAmazon Echoブランドの知名度の高さと強力なオンライン販売プラットフォームを活かすことによって、同価格帯のなかでイニシアチブを握れる“人気のイヤホン”になると思います。

 

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