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2023/2/2 10:30

まるで装着しないヘッドホン、SteelSeriesから出た業界初の5.1chサラウンドスピーカーを体感

デンマークに本社を置くゲーミング機器メーカー・SteelSeriesは、同社初のゲーミングスピーカーとなるArenaシリーズ3モデルを発表しました。ゲーミングスピーカーとしては初とうたう5.1chサラウンドに対応した最上位モデルArena 9を筆頭に、いずれの製品もユニークで、ゲーミングスピーカーと名乗るだけの個性にあふれています。

 

その発表会も一風変わったもので、なんとDJパーティと同時開催。独創的な製品と発表会の模様を取材しました。

 

大型サブウーファーを備える上位機種と、小型ながらパワフルな音を鳴らすエントリーモデル

今回発表された新製品は、Arena 9、Arena 7、Arena 3の3台。そのうちArena 9とArena 7は大型のサブウーファーを装備しています。

 

最上位のArena 9は業界初の5.1chサラウンドに対応した一台。高音域と中音域を再生する2wayスピーカー4基、人の声に特化したセンターチャネルスピーカー1基、大型の6.5インチダウンファイアリングサブウーファー1基という構成です。

 

メーカーによると、人の声に特化したスピーカーを中央に配置した背景には、「ボイスチャットの音がクリアに聞こえるようにしたかった」という、ゲーミングスピーカーならではの配慮があったといいます。また、4基ある2wayスピーカーの背面や脚部の外周にはLEDが内蔵されており、そのLEDをコントロールするためのOLEDコントロールポッドが付属します。

↑Arena 9。左端がサブウーファー、画面の下にあるのがセンターチャネルスピーカーです。なおスペースの関係で、写真には2wayスピーカーが2基しか写り込んでいませんが、さらに2基・合計4基の2wayスピーカーが付属します

 

Arena 7は、2wayスピーカー2基、サブウーファー1基という構成。スピーカーそのものはArena 9と同様ですが、2.1chサラウンドにダウングレードされています。また、OLEDコントロールポッドが付属しないので、2wayスピーカーの背面LEDは、PCから専用ソフトを介して操作します。

↑Arena 7は、Arena 9から2wayスピーカー2基とセンターチャネルスピーカー、OLEDコントロールポッドを省略した構成。スピーカー自体は同じものを使っているので、サラウンド感こそ劣るものの、音の質はほとんど変わりません

 

今回発表された3機種のなかで、唯一サブウーファーを伴わないのが、エントリーモデルであるArena 3。構成は4インチフルレンジスピーカー2基となっています。サブウーファーこそありませんが、一般的なPCスピーカーと比べて大きな4インチのドライバーを搭載しており、スピーカーのサイズに似合わないパワフルな音を鳴らします。

↑Arena 3。スピーカーのサイズが小さいため、上位モデルと比べて設置がしやすいという強みがあります。なお、スピーカー背面のLEDは内蔵されていません

 

いずれのモデルも、有線接続のほか、Bluetooth 4.2による無線接続に対応しています。有線と無線を切り替えて使えるので、スマホやタブレットから音楽を流すことも可能です。

 

ヘッドホンの開発で培ったアルゴリズムを活かした”装着しないヘッドホン”

SteelSeriesはこれまで、多くのゲーミングヘッドホンを世に送り出してきましたが、スピーカーを発売したのは今回が初となります。その狙いについて、同社のジャパンカントリーマネージャー・石井靖人さんは「ゲーミングヘッドホンで培ったノウハウを活かした新しいスピーカーを開発することで、esportsの可能性をより広げたい」と語ります。

↑プレゼンテーションをする石井さん。同社は、マウス、キーボード、ヘッドホンなど、さまざまなジャンルのゲーミングデバイスを発売していますが、いずれの製品も「業界初」にこだわって開発に取り組んできたといいます

 

実際にこれらの製品は、同社がこれまで開発してきたヘッドホンと同様のアルゴリズムを搭載しています。また、音声を自由にコントロールできるイコライザーソフト・SONARと連携するのも、ヘッドホンと同様です。

 

このソフトを使うと、どの音域を強化するかパラメーターで自由に指定できるので、ユーザー自身の手で好みの音を作れます。また数多くのデフォルト設定が用意されており、「APEX Legends」のような有名なタイトルには、最適な音域設定があらかじめインストールされています。

↑SONARの操作画面。有名ゲームタイトルに向けた最適な設定が、あらかじめインストールされています。すでに多くの設定が用意されていますが、ソフトのバージョンアップにより、そのバリエーションは今後さらに増えていくそうです

 

現地で試聴してみたところ、パラメーター設定によって音の聞こえ方は大きく異なりますが、上位モデルになればなるほど、ヘッドホンで音を聞いているようなサラウンド感が強まります。特にArena 9では、スピーカーでありながら、音がどの方向から聞こえているのか感じとれるほどでした。”装着しないヘッドホン”と形容したくなるほどの音の響きです。

 

ただし、本シリーズには1つだけ欠点があります。それが指向性の狭さです。これらの製品は、PCの前に座ってゲームを楽しんでいるシーンを念頭に設計されています。そのため、PCから離れたり、立って音を聞くと、音が明らかに変わってしまうのです。各スピーカーをユーザーの方向に向け、1点に収束させてこそ、極上のサラウンド感を味わえます。

 

新製品発表会と併催したDJパーティは、「esports×culture」の実験

SteelSeriesは2023年のテーマとして、ゲームと別領域の文化を融合させることを掲げています。その第一弾として、今回の発表会は渋谷のカフェを貸し切り、DJパーティと併催する形で実施されました。

↑発表会会場にDJが出現。少なくとも、筆者にとっては初めての体験でした

 

製品開発だけでなく、発表会の形式でも”新しさ”を模索している同社。その姿勢には、メーカーとしてのこだわりが存分に感じられました。発表会では「今回のDJパーティは第一弾であり、今後はほかのジャンルとの融合も試していきたい」といった意欲も示されています。ゲーミングシーンをリードする新たな試みから、今後も目が離せません。

 

【製品の参考価格】

Arena 9:8万270円
Arena 7:4万3970円
Arena 3:1万9990円

【発売日】

3月10日