そう、こんなイヤホンを待っていたーー。
「たとえ音楽が流れていなくても、身に着けていたい」。そう思えたイヤホンは初めてかもしれません。
ファーウェイが新たに発表したフルワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 5」は、デザインにこだわり抜いた逸品。その洗練されたフォルム・質感は、もはや装飾品と言えるレベルに達しています。
【HUAWEI FreeBuds 5(画像をタップすると閲覧できます)】
耳元を飾るアクセサリー
ジャンルを問わず、良い製品というのは、独特の世界観を纏っているものです。私たちは、製品を手に取り、その世界観へ吸い込まれます。
HUAWEI FreeBuds 5とのファーストミートは、言うなれば、ジュエリーケースを開くような感覚でした。
充電ケースの蓋をオープンすると、葉のうえに乗った「しずく」を思わせる美しい曲線が現れます。イヤホン本体を取り出して感じるのは、今までにない新しさと、小さな感動ーー。
「自然」から着想を得たという、曲線のみで構成されたフォルム。しっとりと上品に放たれる「シルバーフロスト」の光沢感も、白色が軽やかな「セラミックホワイト」の爽やかさも。まさに“洗練”という単語がふさわしいでしょう。
イヤホンを耳にはめれば、まるでピアスやイヤーカフを身に着けたかのように、耳元から顔周りがパッと明るくなります。周囲の景色が映り込んで生じる“ゆらぎ”も、狙ってデザインの一部として取り込まれているのが分かります。
斬新なデザイン、だが装着感へのこだわり
斬新なデザインゆえに、使い勝手は大丈夫なのかーーと疑いたくなるかもしれません。しかし、装着感についても、とことん追求しているのが、HUAWEI FreeBuds 5のすごいところ。
同イヤホンの耳に装着する部分は、イヤーピースのない「インイヤー型」です。そのため、製品の形状がダイレクトに使い勝手に影響します。
さらに、人間工学に基づき、人の体に馴染むようデザインされているのが特徴です。装着感への懸念が残らないよう、開発段階で、1万を超える人間の耳のサンプルでシミュレーションをし、何百ものテストを重ねたうえで、0.01mm単位での微調整が加えられています。結果として、小型でありながらも、耳に触れる面積を十分に広く確保しており、快適な装着感・フィット感が実現されています。
なお、耳元での操作については、アーチ型の軸(ステム)部分を
(1)ダブルタップ:「通話への応答・終了」「音楽の再生・一時停止」
(2)上下スワイプ:「音量調整」
(3)長押し:「ANCモードのオン・オフ切り替え」「着信拒否」
のように扱います。
シングルタップによる誤動作が起きにくいため、耳元で角度調整などをしても、機能に影響しづらいことも嬉しいポイント。煩雑な操作が、HUAWEI FreeBuds 5の世界観を邪魔することはありません。
軽やかなインイヤー型なのに、ノイズは消える
機能面については、先述の通りイヤーピースのないインイヤー型でありながらも、環境ノイズを低減してくれる「ANC(アクティブノイズキャンセリング)」機能を備えていることが秀逸。地下鉄で音楽を聴いたり、洗い物をしながらポッドキャストを楽しんだりできます。
なお、ノイズキャンセリングのモードとしては、「標準」と「くつろぎ」の2モードを切り替え可能。さらに2つのモードが自動で切り替わる、ダイナミックモードも搭載しています。
軽やかな装着感と、実生活での聴きやすさを両立している点で、デザインを抜きにしても、ワイヤレスイヤホンとしてかなりの優等生だと言えるでしょう。
通話については、搭載したトリプルマイクによって、ノイズ低減機能が従来製品よりも大幅に向上されていることがポイントです。例えば通話相手に、よりクリアに聞こえます。インイヤー型でありながら、オフィスだけでなく、環境音や風切り音の多い地下鉄や交差点などでの急な通話応答にも、十分に対応できるわけです。
一般的に、インイヤー型のワイヤレスイヤホンでは、これまでこうした性能について諦めなくてはいけないことが多々ありました。しかし、HUAWEI FreeBuds 5は、インイヤー型の装着感のままで、ANCを有効にしたうえでの音楽再生や、ノイズの低減された通話などを楽しめます。こだわり抜いて開発されたイヤホンだということが、こうした特徴からもしっかりと伝わってきます。
妥協しない、パワフルな低音×音圧
さて、肝心の音質については、パワフルな低音域が実現されています。磁気密度を高めたデュアルマグネットリング機構が取り入れられたダイナミックドライバーにより、低音域の迫力が増していることがポイント。気流の通り道を広げることで空気抵抗を減らし、ドライバーユニットの振幅をより大きくしたことで、音圧も強化されています。
さらに、LDACといった高解像度コーデックもサポート。加えて、耳の形の差を考慮して、音質を最適化する「アダプティブイヤーマッチングテクノロジー」なども実装されており、音質面でも抜かりはありません。EQについては、リアルタイムで最適化される一方で、10段階カスタマイズで自分好みに調整することも可能です。
ここで、オーディオ機器に詳しいライター 山本敦さんに、音質についてレビューをいただきました。
FreeBudsシリーズはANCを搭載する開放型イヤホンの先駆けです。音の心臓部であるドライバーユニットを包み込み、バランスを整える役割も担う外殻のハウジングが開放型であることで、音楽や通話音声の透明感と広大な音場の表現力などに反映されます。
ANCをオンにすると、音楽や通話音声が一段と聞きやすくなります。さらに音楽や通話音声のバランスを崩さず、ノイズだけをピタリと抑えます。開放型であることから外の環境音にも注意を向けられるので、歩きながらでも安全に使えるイヤホンです。イヤーチップで耳を塞がない“耳のせ”スタイルで、心地よいフィット感も持続します。
強力な磁力を生み出せるデュアルマグネットリング機構を搭載したドライバーは、クラシックの弦楽器やボーカルの繊細なニュアンスを丁寧に引き出します。ロックやEDMのビートをズシンと腹の底に響かせる低音のインパクトも見事。大編成のオーケストラやジャズバンドの演奏とも相性が良く、繊細なディティールと雄大なスケール感を味わいました。ユーザーの耳の形や装着状態に合わせてサウンドを最適化するリアルタイムEQの精度が高く、音のバランスがいつも安定しています。LDACやHWAに対応するスマホや音楽プレーヤーと組み合わせて、ハイレゾワイヤレス再生を楽しみましょう。
リスニングシーンを問わず、イヤホンでいい音を楽しみたい方に本機をおすすめします。
急速充電と、最大30時間のバッテリー持ち
うっかり充電を切らしてしまった、そんな時、5分間の充電をすることで約2時間の音楽再生が行えるまで回復します。一般的なインイヤー型の機種に比べても、充電速度はかなり高速な部類だと言えるでしょう。
なお、充電ケースでイヤホンを100%まで充電するのにかかる時間は約20分。空の充電ケースを有線で100%まで充電するのにかかる時間は約40分です(ワイヤレス充電だと約240分)。
バッテリー持ちについては、ANCをオンにした状態で、イヤホン単体で約3.5時間の音楽再生が、ANCをオフにした状態で約5時間の再生が可能です。これは前世代のFreeBuds 4と比べると、それぞれ+約1時間ずつ伸びています。
充電ケースを併用すれば、ANCオンで計約20時間、ANCオフで計約30時間の音楽再生が可能になります。こちらについても、前世代と比べて、それぞれ+約6時間、+約8時間も伸びています。スタミナ面での懸念は一切ありません。
最後にーー
イヤーピースのあるカナル型のイヤホンはどうも苦手だったという人にとって、HUAWEI FreeBuds 5はかなり魅力的な選択肢だと言えます。軽やかな装着感が魅力のインイヤー型でありながら、ANCや通話時のノイズ低減もしっかりサポート。音質は、低音域・音圧にもこだわられていて、ハイレゾサウンドもサポートされています。
そして何より、先進的で、美しいデザイン——。ほかのイヤホンにはない体験がここにあります。先述したような堅実な機能・性能が土台にあるからこそ、これまでのワイヤレスイヤホンとは一線を画すデザインを、不安なく楽しめるでしょう。
自分へのご褒美でも、大切な人へのプレゼント用でも。
ぜひ、耳元にスマートなアクセントを。
〈商品概要〉
HUAWEI FreeBuds 5
・価格:2万1800円
・サイズ(イヤホン本体):約W17.6 x H32.4 x D22.8mm
・サイズ(充電ケース):約W50.1 x H66.6 x D27.3mm
・質量(イヤホン本体):約5.4g
・質量(充電ケース):約45g
・カラー:シルバーフロスト、セラミックホワイト
・形状:インイヤー型
・ANC:対応
・通話ノイズキャンセリング:対応
・ダイナミックEQ:対応
・センサー:加速度センサー、赤外線センサー、ホールセンサー、タッチセンサー
・スピーカー:11mmのデュアルマグネットダイナミックドライバー
・再生周波数帯域:16Hz〜40kHz
・通信仕様:Bluetooth(R)5.2、近接接続規格
・デュアル接続:対応
・電池容量(最小値):42mAh(イヤホン本体)、505mAh(充電ケース)
・充電ポート:USB Type-C
・ワイヤレス充電:対応
・防水・防塵性能:IP54(イヤホン本体)、耐水性なし(充電ケース)
撮影/松浦文生