私は大学時代にパチンコ店でバイトをしていた。いまでも当時を懐かしんで、たまにパチンコをすることがある。勝ちまくっても負けまくっても、打っている間はあっという間に時間が過ぎていく。仕事にもこのくらい熱中できればいいのにといつも思う。
ギャンブル依存症の恐怖
近年は、某魔法少女アニメをはじめ、萌え系のアニメをテーマにしたスロットの充実振りが目を見張る。10年ほど前、この手の台はホールに数台あればいいくらいだったが、今ではホールによっては半分を占めていることもある。オタクな私はついついつられて打ってしまうほどだ。
さて、パチンコやスロットはほどほどに楽しめばいい気分転換になると思う。日頃の毒抜きにもなるだろう。しかし、何事もそうだが、のめりこみすぎはよくない。のめりこんだ末に莫大な借金を背負ってしまう、ギャンブル依存症は社会問題化している。
依存症になるとどうなる
ギャンブル依存症になると、借金を重ねるようになるだけで終わらない。
日常的に、頭の中にパチンコやスロットの台のイメージが浮かんでくるようになり、仕事や日常生活などが手につかなくなってしまう。借金をするために、まわりの人々に嘘をつくようになってしまうこともあるという。
厚生労働省の調査によると、現在、パチンコ、競馬などのギャンブル依存症の患者は国内に約536万人はいるといわれる。依存症になっている人は決して珍しい存在ではない。
しかも、一度なってしまうと抜け出すのが難しいのが、ギャンブル依存症の恐ろしい点なのだ。
再出発を支援する自己破産制度
『マンガでわかる! 法律の抜け穴 (1) 日常トラブル』(小野寺昭夫・監修/自由国民社(インプレス)・刊)には、パチンコで借金を作りすぎて、サラ金などの取立てに追われるケースが紹介されている。借金が返済できなくなった場合、考えられるのが自己破産の手段だ。
自己破産をすること自体は、実はそれほど難しくない。裁判所に自ら破産の申し立てを行えば誰でも可能だ。財産を処分するなど様々な制約が出てくるものの、認められればそれまでの借金は帳消しになる。
主にビジネスで失敗して借金を重ねた人が行うことが多く、いわば人生の再出発を支援する制度といえるだろう。では、ギャンブルによって借金を重ねた場合は、自己破産が認められるのだろうか?
安易な自己破産は禁物
結論から言えば、自己破産が認められないケースが多いようだ。
本書によると、浪費やギャンブルで借金を積み重ね、「返済できなくなったら自己破産すればいい」と安易に考えている債務者も少なくないらしい。しっかり反省して再出発をしようとしなければ、認可されるケースは低いようである。
日本は山奥などの秘境を除けば、東京、地方都市などいたるところにパチンコ店がある。のめり込みやすい環境がどこにでもあるといえるのだ。
結局のところ、パチンコは息抜き程度に、ほどほどで楽しむのが一番である。間違っても、これで一攫千金を狙おうなどと考えてはいけないのだ。
(文:元城健)
【参考文献】
マンガでわかる! 法律の抜け穴 (1) 日常トラブル
著者:小野寺昭夫、飯野たから、峰岸とおる、沢本英二郎、福神伶
出版社:自由国民社(インプレス)
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