日本には四季があることを嬉しいと思って暮らしているが、では季節の決まりを守っているかというと、てんで自信がない。とりわけお正月が近づくと、何をすべきだったかわからなくなり、ひたすら焦っているうちに新年に突入する。今年こそはと思っていたのに、早くも12月。えらいこっちゃと呟きつつも、日ばかりが過ぎていく。
絵本で学ぼう、季節と暮らしのマナー
これではいけないと、『季節と暮らしのマナーとコツ』(伊藤美樹・絵/学研プラス・刊)をひもといてみた。日本が世界に誇る礼儀作法が、イラスト入りでわかりやすく書かれている。肩肘を張らずに、自然と学ぶことができるのが嬉しい。
今さら人には聞けないということも細かく書かれていて、毎日の生活における「虎の巻」の役割も果たしてくれる。今まで、外国人の友達に日本について質問される度に絶句してきたけれど、この本があれば安心だ。
覚えておきたい6つのマナー
『季節と暮らしのマナーとコツ』には、大きく分けて6つのシーンが取り上げられている
1 公共のマナー
2 訪問とお招き
3 日常のおつきあい
4 冠婚葬祭のマナー
5 和食のマナー
6 日本の歳時記
どれもが、日本人として知っておきたい事柄なのに、案外、はっきりしないことばかり。
苦手分野もフォローしてくれる
とくに私は日本の歳時記に弱い。お正月の飾りはどのタイミングで飾るべきか?とか、お年始まわりはいつからしてよいのかなど、わかっているふりをしているが、厳密に言うといつなのかよくわからない。
正月の飾り
縁起が悪いとされる29日の「苦(9)飾り」、31日の「一夜飾り」は避けて、12月30日までに飾ります。
年始まわり
家族だけで祝う1日を避け、2日~7日までに。(『季節と暮らしのマナーとコツ』より抜粋)
恥をかかずに生きていける
初詣の参拝の仕方も、わかっているようでわかっていない。絵馬のかけ方もお賽銭のおさめ方も、私はいつも迷いながら行っている。いいんだっけ、これでいいんだっけ、と思いながら・・・。
いい年をして恥ずかしいと思いつつ、「ま、いいか」の繰り返しだ。
しかし、冠婚葬祭となると「ま、いいか」と言ってはいられなくなる。恥をかくのが自分だけですまないときも出てくるからだ。ましてや、結婚式の受付係をするときなどは、ふくさの扱い方や相手への接し方など、自分が試されていると思った方がいい。
正解がないからこそ深いのがマナーの世界
正解があるようでないのがマナーの世界。だからこそ、最初にきちんと覚えてしまえば、こわいものはない。自ら堅苦しさを破り、わざと崩してみるのも一考かと思うのだが、いかがだろうか。マナーを覚えることは、結局のところ文化の理解に通じる。
マナーを制するものは最後に笑う?
たかがマナーと思っていると、あとでしっぺ返しをくらうことがある。とくに葬儀などでマナー違反をすると、信頼を失ってしまうことが多いように思う。一度失った信頼は、取り返すまで長い時間がかかる。
たとえば私の知り合いは、ご主人の葬儀で、場違いな服装やふるまいをした人を絶対に許せないと言っていた。喪服をちゃんと着ていたのにと思って聞いてみると、派手なネイルにストッキングをはかず生足だったというのだ。
お悔やみ事には、とくに神経を使うべきだ。何事にもいい加減な私だが、改めてマナーについて点検しなくてはと思う。
【著書紹介】
季節と暮らしのマナーとコツ
著者:伊藤美樹(絵)
出版社:学研プラス
累計150万部突破のベストセラー、「マナーとコツ」シリーズにベスト集成版が登場!「ていねいに暮らすための方法」「好印象を与えるためのマナー」「周囲の人と、より親しくなるためのコツ」を、オールカラーのイラストで紹介。
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