最近はデジタル一眼カメラはもちろん、コンパクトデジカメでもフルHDや4K動画の撮影ができるものがある。
僕は、カメラを結構持っているし、長いこと撮影もしているし、なんだったら仕事でいろいろなメーカーのカメラのレビューを書いたりもしている。
だが、しかし! 動画撮影は苦手なのだ。
動画撮影のセンスがない
僕はほとんど動画を撮ったことがない。以前、新製品のデジタル一眼レフカメラのレビューのために作例撮影をしていたのだが、そのとき動画も撮ろうと思って何気なく撮影して、後でパソコンで見返してみたら、パソコンの液晶を割ってやろうかというくらいひどいものだった。
手ぶれしているし、風切り音がすごいし、やけにズームしたりカメラを動かしたりしていて、見ていて酔いそうな感じだった。
たまに、ロケをしているときに動画撮影をする場合もあるのだが、その場合は三脚を使い、カメラは動かさず、ほぼ定点で撮影するようにしている。もちろん編集なんてしない。これなら失敗はない。
ホワイトバランスは固定する
せっかく動画が撮れるデジカメをたくさん持っているのだから、少しは動画の勉強もしたほうがいいのでは。そう思い『イチからわかるデジタル一眼動画入門』(CAPA&デジキャパ!編集部・編/学研プラス・刊)を手に取ってみた。
まず目についたのが、「動画撮影時の露出と設定」というページ。露出設定はプログラムオートと露出補正で対応し、ISO感度はオート。このあたりはわかる。思わず「それだ!」と思ったのがホワイトバランスの設定だ。「ホワイトバランスはプリセットが基本」らしい。
静止画ではホワイトバランスはオートがメインだが、動画だと撮影中にカメラの向きを変えて画面内の要素が変わった際などに、オートでは色味が変わってしまう。そのため「太陽光」などプリセットのモードにセットして、ホワイトバランスを固定しておこう。画面の色味が固定され、フレーミングを変えても映像の色が一定に保たれる。
『イチからわかるデジタル一眼動画入門』より引用
僕もこれで失敗したことがある。動画撮影を頼まれ、数本撮って納品したのだが、「ホワイトバランスが動画ごとにバラバラ」という理由で全部ボツに……。お恥ずかしい。これからはホワイトバランスは固定します。
カメラワークの基本は「フィックス」
また、この本を読んでいるとカメラの動かし方についての記述が繰り返し登場する。要はカメラワークだ。
基本は「フィックス」。カメラを動かさずに固定して撮影する方法だ。
カメラを固定した状態で撮る「フィックス」は、どんな映像であっても基本となるカメラワークだ。初級者であるほどカメラを振ったり、ズームしたりしがちだが、そんな撮り方では落ち着きのない映像になってしまう。安定感を与えるためには、動く被写体でもカットの最初から最後までをフィックスで撮ることがポイントだ。
『イチからわかるデジタル一眼動画入門』より引用
動くものを動画で撮影する場合、どうしても動いている被写体を追ってしまいがち。しかし、そこはぐっと我慢をしてフィックスで撮影。この基本を抑えておくだけでも相当違うのだろう。
カメラワークのポイントの記事でも、ほとんどがフィックスからスタート。写真と違い、動画は編集前提の傾向があるから、まずはフィックスで主要なカットを抑え、そこにズーミングをしたりピント送りをしたり、パンをしたシーンを差し込んでいくという感じで考えるといいのかもしれない。
今年は動画撮影にチャレンジしてみよう
以前、映像クリエイターの方にお話を伺ったときは、「まず5秒制止しましょう」と言っていた。
旅行などに行ってiPhoneなどで動画を撮る場合でも、まず目に付いたものをアップで5秒。そして、全体の風景を5秒。家族を5秒。とにかく、5秒以上制止して撮影するのがポイントだと言っていた。
僕が動画を撮影すると、どうしても動いているものを追ってしまうし、3秒も制止していない。動画だから画面が動いていないといけないと思ってしまうのだ。
これから動画を撮影する際は、「フィックス」を念頭に置くことを誓う。5秒撮って次、5秒撮って次。
今年は、少し動画撮影のテクニックを身に付けようと思う、お正月明けなのであった。
【著書紹介】
イチからわかるデジタル一眼動画入門
著者:CAPA&デジキャパ!編集部(編)
出版社:学研プラス
写真はわかるけど動画は不慣れという人のためのデジタル一眼動画入門本。動画特有の用語や基本知識、撮影テクニックなどを、写真にも動画にも精通したプロがわかりやすく翻訳・説明する。このほか、動画編集ソフトの基本的な使い方なども解説。