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2018/3/16 16:30

五輪三連覇・野村忠宏が語る「臆病な自分」「ビビりな自分」の克服法とは

国民栄誉賞をいつもらってもおかしくないスポーツ選手がいます。柔道家の野村忠宏さんです。野村さんといえば、アトランタ、シドニー、アテネの3つのオリンピックで、柔道史上唯一の3連覇を達成した天才柔道家です。

 

小柄な体から繰り出される技の数々は見事で、平成の三四郎、小さな巨人といわれました。

 

野村さんは実は臆病だった

戦う理由」(野村忠宏・著/学研プラス・刊)は、野村さんが2015年に引退を決めたときに執筆した自叙伝です。

 

野村さんといえば、その圧倒的な強さから天才肌と言われることが多かった選手です。ところが、この本の中で、本人は自分を“ビビリ”だと言っています。怖がりで、人と対峙して組み合うのも怖い。そして何より、負けるのも怖いのだとか。

 

自分は臆病だと語る野村さんですが、オリンピックのような大舞台で活躍できたのは、なぜでしょうか。そして、どのように憶病を克服してきたのでしょうか。

 

 

弱い自分と向き合う

野村さんの克服法のひとつが、「弱い自分がどういうときにどんなタイミングで出てくるのかを、経験を重ねて知っておくこと」だそうです。自分の弱さを認め、対処方法を考えることで、弱い自分と真正面に向き合うことが大切だと説いています。

 

もうひとつは、「弱い自分を知ったうえで、ビビっている自分が表に出てこない状況をつくる」ことです。野村さんはそのために、自分をとことん追い込みます。プレッシャーを与え、逃げられないような状況をつくります。練習でも強い選手と戦い、しんどい練習をとことん繰り返すのが野村流です。

 

こうした地道な鍛錬を繰り返すことで、はじめて、本番で強い自分を出すことができると野村さんは述べています。やはり、勝利の陰には日々の努力の積み重ねがあったのです。

 

 

ゲン担ぎも忘れない

意外や意外、野村さんは試合前のゲン担ぎも怠りません。これもやはり、自分がビビリで、不安だからこそ、何かにすがりたくなる性格だからなのだそうです。

 

試合前には必ず青いトランクス(後にボクサーパンツになった)を履くようにしています。これは勝利の願掛けパンツと呼んでいるそうです。試合中は柔道衣の下はノーパンになるそうですが、前日から会場で着替えるまでは、青いトランクスが欠かせないアイテムだと述べています。

 

神社などに神頼みにもいくそうです。また、お父さんと奥様からもらう手紙も励みになるそうです。前日のホテルで、手紙を読み返すことで、「やれる」「勝てる」というプラスのイメージがわいてくると言っています。

 

 

負けから学び、次に生かす

野村さんはオリンピックで3連覇をしていることから、無敗、無敵のイメージが強いといえます。ところが、本人によると意外にも「負けることが多い」のだそうです。

 

しかし、野村さんがほかの人と違うのは、「負けて強くなる」ことを自分に課している点です。敗戦から得た教訓を次にどう生かすかが重要で、その経験を生かして、オリンピックのような絶対に負けてはいけない試合で勝つことが大切なのだ、と力説します。

 

野村さんは「ここだけでは負けてはならないという試合で結果を出せる人間であり、競技者になりたい」という気持ちで、世界のライバルたちと戦ってきたのです。

 

 

自分を知ることで勝利を掴む

野村さんのような一流選手でも、大舞台の前では緊張してしまうのです。けれども、弱さを含む自分の性格を理解し、トレーニングを続けてきたからこそ、華々しい活躍ができたのです。

 

本書には、野村さんの知られざるエピソードが満載です。夢に向かって奮起したいときや、はたまた精神的に滅入ってくじけそうになったときなどに、ページをひらきたい一冊です。

 

【著書紹介】

 

戦う理由

著者:野村忠宏
発行:学研プラス

アトランタ、シドニー、アテネの3大会でオリンピック柔道史上唯一の3連覇を遂げた野村忠宏。たび重なる怪我を乗り越えて現役を続行、40歳を過ぎて引退を決意した野村がたどりついた「戦うこと」の意味とは? 学研新書「折れない心」を改題、大幅改稿。

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