本・書籍
2018/3/20 13:30

オリーブオイルたっぷりの料理なら、おいしく食べつつ心臓疾患を予防できる

最近はオリーブオイルが人気で、その消費量も伸びているそうだ。香りのよさ、おいしさはもちろんだが健康のためにオリーブオイルを選ぶ人々が増えているという。

 

新オリーブオイルのすべてがわかる本』(奥田佳奈子・著/筑摩書房・刊)によると、地中海沿岸で暮らす人々には心臓疾患、血管系疾患がとても少ないそうだ。

 

かつてこれに注目したのがミネソタ大学の生理学者アンセル・キーズ博士で、10年をかけて心臓病の死亡率と食事の関係を7カ国(アメリカ、フィンランド、イタリア、オランダ、ギリシャ、ユーゴスラビア、日本)で比較調査した。その結果、動物性脂肪を多く摂取するアメリカや北欧では心臓疾患による死亡率が高いのに対し、同じように高脂肪食の国でありながらオリーブオイルを食べるイタリアやギリシャでは死亡率はかなり低いことがわかった。この調査結果が発表されると世界中の医師や栄養学者がオリーブオイルの分析や研究に取り組み、“地中海式ダイエット”が提唱されることとなったのだ。

 

 

地中海式ダイエットとは?

ここでいうダイエットとは減量のことではなく食のあり方、食餌療法を指す。

 

キーズ博士の調査から生まれた「地中海式ダイエット」には次のような特徴があります。

1 毎日穀物と豆と野菜とオリーブオイルをたっぷり摂る。

2 魚や乳製品はかなりひんぱんに食べるが、肉類は月に1、2回。

3 デザートは新鮮な果物。ワインも少々ならOK。

(『新オリーブオイルのすべてがわかる本』から引用)

 

日本の食事はもともとは低脂肪だったが、最近では、高脂肪、高たんぱくの過剰な美食、野菜不足になりがちな外食、さらには加工食品の多用により日本人の食生活は偏ってしまった。働き盛りの中高年だけなく、子どもにまで生活習慣病が蔓延。これは脂肪をどのように食事に取り入れるかの知識も経験も日本人にはなかったからだそうだ。

 

オリーブオイルをふんだんに使う地中海式ダイエットは現代の日本人にこそ必要なのだという。では、オリーブオイルがどうして健康にいいのか、その理由を本書から抜粋してみよう。

 

 

オリーブオイルはフレッシュジュース!

オリーブの果実を搾ってジュースを作り、そのジュースをしばらく置いておけば、油分は上に水分は下に自然に分かれる。その上澄みだけ集めたものがオリーブオイルで、余分な加工をする必要がないので、ビタミンなど果実の天然成分がそのまま含まれる。果実を搾ってオイルになるのはオリーブだけ。人類が最初に手に入れたオイルはオリーブオイルで、「オイル」の語源はアラビア語で「オリーブ」を意味するそうだ。

 

オリーブオイルは胃にやさしく消化がいい。また肝臓の解毒作用を強めるため、アルコールを飲んでもオリーブオイルを使ったおつまみを食べていれば悪酔いを防ぐこともできる。さらには脂肪酸の組成が母乳に近いため、オリーブオイルは乳児にも安心して食べさせることができるという。

 

が、オリーブオイルの最大の魅力は酸化されにくいことにある。主成分のオレイン酸が酸化されにくいということに加え、精製をかけないバージンオイルにはビタミンなどの微量成分が豊富で、その中に抗酸化成分がたっぷり含まれているのだ。

 

酸化したオイルは過酸化脂質となって、これを食べることは健康に害を及ぼします。オリーブオイルは過酸化脂質になる危険性が他のオイルよりはるかに少なく、また抗酸化成分によって、わたしたちの体内に発生し、老化や病気の原因となっている活性酸素の働きも抑えることができます。そのため動脈硬化、心臓病、糖尿病、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療、ガンや骨粗鬆症の予防にも効果的だと言われています。

(『新オリーブオイルのすべてがわかる本』から引用)

オリーブオイルの「ピュア」にご用心

さて、オリーブオイルのよさがわかったら、次は選び方、買い方だ。

 

わたしたち日本人は「ピュア」を高品質の証として好む傾向にあるが、オリーブオイルに関してはこの「ピュア」という言葉は混乱のもとになるので注意したい。

 

現在、日本で売られているオリーブオイルは三等級に分類されている。

 

●バージンオリーブオイル
オリーブの果実を搾っただけで、いっさいの化学加工をしていないものがバージンオイル。酸度がもっとも低く、果実の香りや味わいを持ち、欠点のないものをエキストラと分類する。価格はやや高め。

●ピュアオリーブオイル
精製オイルにバージンオイルを混ぜたもの。価格は手ごろで、オリーブ100%の純粋なオリーブオイルには違いない。

●オリーブポマースオイル
二番搾りを精製した無味無臭のオイルの風味づけにバージンオイルを足したもの。日本にも少量輸入されていて、安価。

 

 

テイスティングで好みの味を選ぶ

オリーブオイルは“香り”“苦味”“辛味”の3つの要素で表現される。最近ではレストランにワインリストのようにオリーブオイルリストを備えているところもあり、そういうところではオリーブオイルのソムリエがお客の要望によってオイルを選び、料理との相性を説明してくれるそうだ。

 

スーパーやデパート、小売店でもスペイン産、イタリア産などの輸入品に加え、国産のオリーブオイルのボトルもずらりと並び、どれを選べばいいのか迷ってしまうが、お気に入りのオリーブオイルはやはり自分の鼻と舌を使って選ぶのがいいそうだ。

 

とりあえず3本を用意し、スプーンに1杯ずつ口に含んで味見をする簡単なテイスティングの方法がこの本で紹介されているので試してみたい。

 

ちなみに私は青々とした苦味があるスパイシーなオリーブオイルが大好きだ。もともとは脂っこい料理は苦手なほうなのだが、オリーブオイルだけは別でサラダにも、炒め物にも、煮物にも、そしてパンにもオリーブオイルをたっぷりつけて香りを楽しんでいる。

 

本書には、世界の代表的なオリーブオイルのリスト、オリーブオイルを使いこなす料理のレシピも満載。オリーブオイルを知り尽くしたい人の究極のガイドブックとなるだろう。

 

【著書紹介】

オリーブオイルのすべてがわかる本

著者:奥田佳奈子
発行:筑摩書房

オリーブオイルをもっと楽しむためのディクショナリ。おいしいオリーブオイルの選び方、探し方、和食への応用のしかた、オリーブの歴史や物語、製造方法や産地、健康的だといわれる理由、料理のレシピなどを満載。

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