本・書籍
2018/3/28 16:30

スマホ充電のために10キロ歩く! 史上初のマサイ族ライターがめっちゃ頑張っててカワイイ

小学生の体育時間に「マサイ族〜!」なんてジャンプの真似をしていたのですが、そんなマサイ族のリアルな日常を伝えてくれるネットライターがいるのをご存知でしょうか?

 

マサイの戦士ことルカさんは、2015年から集落の枯れた井戸を直すお金を稼ぐため、ネットメディア「ロケットニュース24」でライターとして活躍しています。ルカさんを見つけたのは「ロケットニュース24」の編集長であるGO羽鳥さん。最強のマサイ族を探すという企画で、この地を訪れた際に出会い、「井戸を作りたいからお金くれ」というルカさんに対し、てめーで稼げ! とスマホを送りつけそれ以降ネットライターになったのだとか。

 

羽鳥さんとルカさんは、Facebookのメッセンジャーを使い英語で記事のやりとりをしながら、現在までに147記事が公開されています。そして『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』(ルカ・サンテ&GO 羽鳥・著/学研プラス・刊)が発売するまで大人気連載となったのです!  すごいっ!!

 

 

マサイ族でスマホを持っている人はほぼゼロ!

日本では10代から最近では60代の方までほとんどの人がスマートフォンを保有しており、格安スマホの登場により今まで手を出しにくかった世代にまで浸透してきてますよね。まるで世界中のみんながスマートフォンでつながっているような気持ちになります…が、マサイ族にはスマホユーザーはほぼいません!

 

ルカさんの生活は、朝5時に起きて、朝ごはん食べて、ランチして、昼寝して、22時には寝るというシンプルライフ(ある意味うらやましい!)。もちろん電気が当たり前に通っている村ではないので、充電するのも一苦労なわけです。

 

 

スマホ充電のために10キロ歩く!

じゃあどうやってスマホを充電しているかというと…

 

まずな、基本的にオレがスマホを充電するためには、家から10キロ先の充電スポットまで行かなきゃならない。ライオンが出るかもしれないデンジャーロードを、10キロも歩いて行くんだ。スマホを充電するために徒歩10キロ。それだけのために、だ。

(『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』より引用)

 

書籍の中には、笑顔のルカさんの写真や、「え、なにこれ?」な草原の写真があったりするのですが、10キロも歩いて充電したスマホでこんな写真を送ってくれていると思うと、写真1枚1枚がめっちゃ愛おしく感じます。

 

ちなみに、この充電スポットには「ソーラーマン」がいて、34円でフル充電してくれるそうです。ソーラーマンが気になる方はぜひ『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』で確認してみてください。もちろんルカさんが撮影したレア写真で掲載されています!

 

一位の人はヤギがもらえる! 男たちのためのマサイオリンピック

ほとんどのマサイ族が参加すると言われている通称『マサイオリンピック』の模様も掲載されています。競技もさまざまで、ヤリ投げにジャンプ、ゲームのように頭を使った競技も繰り広げられています。

 

そこで入賞すると、

1位:ヤギ

2位:毛布

3位:ナイフ

がもらえるのですが、ヤギが1位って! なんてツッコミも聞こえてきそう…。しかし、ヤギは日本円にして約1.5万円で売れるため、参加者たちは生活のためにと奮闘します。

 

 

オリンピックの様子を動画で送ってくれたが…

せっかくなら動画で見てもらいたいと、マサイオリンピックの様子をルカさんが頑張って動画撮影してくれたのですが…、

 

--ななな、なんと! 動画、すべて壊れていたんだよ(涙)。音は出る。でも映像が出ない、マジかよ……!!

(『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』より引用)

 

読んでいても笑ってしまったのですが、その時の様子がちゃんとネット記事に出ていました。雰囲気だけでも体感したい方はぜひご覧になってみてください!

 

【マサイ通信】第8回:マサイ五輪こと「マサイオリンピック2016」最速レポート!! しかも動画あり

https://rocketnews24.com/2016/02/23/714105/

マサイ族は一夫多妻だけど、ちゃんと育児もする!

マサイ族だけでなく、世界中には一夫多妻制が取り入れられている部族も多く存在しています。一夫多妻と聞くと、「いっぱい奥さんがいて、男は遊べていいな〜」と羨ましい気持ちになる人が多いと思いますが、マサイ族はたくさん女性を囲んでヘラヘラしているようなイメージとは全然違い、イクメン揃いなんだとか。

 

マサイの男は積極的に育児をする。日本で言うところの「イクメン」ってやつだ。

(『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』より引用)

 

というのもマサイ族の女性は、とにかく働き者! 料理をしたり、日常の家事をこなすだけでなく、収入源となるアクセサリーを作ったり、象のフンで家も建てます。だからこそ夫婦で分担・協力して子育てをしているそうなのです。お互いを尊敬し合って素敵な夫婦関係を築いているわけですね。

 

ちなみにルカさんは、現在ひとりの奥さんとふたりのお子さんがいるそうなのですが、今の所ふたり目の奥さんを迎える予定はないんだとか。すべての男性に複数の奥さんがいるというわけでもないんですね!

 

タイトルの『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』にもあるように、ルカさんが実際に井戸を掘れるくらいライターとして稼げたのか…の正解はぜひ書籍でご確認ください! ひょんなことから日本人とマサイ族が出会い、一冊の本を出すまでに至るというのは、まるでドキュメンタリー大作映画をみているような感覚になります。

 

日常を撮影しお金を稼ぎ、新たな目標に向かうルカさんと、それを厳しくも優しく支える羽鳥さん。ふたりが出会わなければ日本に住んでいる人たちが知らないマサイ族のこともたくさんあったし、ルカさんの人生も変わっていたと思うと、面白楽しく書かれている文章も涙なしでは読めないです!

↑ルカさんはじつは「ムー民」だった!

 

 

【著書紹介】

マサイのルカがスマホで井戸を掘る話

著者:ルカ・サンテ & GO羽鳥
発行:学研プラス

マサイ族の青年ルカが綴った「マサイ通信」が書籍化! 壊れた井戸を直す資金を原稿料で稼ぐべく、マサイの生活、文化、食事、戦い、ファッションに恋愛に結婚などなどリアルなマサイを写真いっぱいにレポート。世界初(?)のネットライター・マサイが誕生!

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