本・書籍
2018/4/25 13:30

妄想が妄想をよぶ憧れの8ホイールライフ――『ル・ボラン 2018年5月号』

たとえば、日本上陸したばかりのグルメバーガーか老舗有名店の天丼か。PS4かニンテンドースイッチか。Apple WatchかG-SHOCKの上級モデルか。そして国産車か輸入車か。あるいはイタリア車かフランス車か。

 

お昼のメニューから車まで、人生は大小の選択の連続。迷って迷って、どうしようもない時にどうするか?  特に大きな買い物をする時は “どちらか”ではなく、“どちらも”というチョイスがあったら最高だ。

 

イケナイ妄想ほど楽しいことはない

ル・ボラン 2018年5月号』(ル・ボラン編集部・編/学研プラス・刊)で「いま、クルマ2台持ちならどんなペア!?」というなんとも贅沢なシミュレーションに関する特集記事が組まれている。車を2台持つという暮らし方はなかなか想像できない。でも、それをできるだけリアルに展開してしまおうというのが主旨。10人のクルマ好きによって、それぞれの“8ホイールライフ”が綴られる。

 

クルマってのは不思議なもので、たとえ夢に見た1台を手に入れたとしても、「もう1台買うなら……」とイケナイ妄想をしてしまう。そしてこの浮つきが、何より楽しいことをクルマ好きたちは心得ている。今回は10人の執筆陣が2台持ちを妄想。その超真剣な回答をご覧あれ。

『ル・ボラン 2018年5月号』より引用

 

専門誌の執筆陣が繰り広げる妄想は上質で、説得力があるに違いない。ざっと見ただけでもワクワクし、うなってしまう組み合わせばかり。

 

 

対極のスーパーカーライフ

まずは清水和夫さんのケース。ルノーTWINGO GTとマクラーレン720S。テーマは「対極のスーパーカーライフ 日常と非日常の絶妙な距離感」。その心は、「720Sはサーキットで全開走行、トゥインゴは日々の走りを堪能したい」ということになる。

 

この2台、外見からしてまったく違う。全身筋肉のような720Sと、いかにも接しやすそうなトゥインゴのカップリングは、完全にしっくりくる。トップを飾るだけあって、説得力十分だ。

 

ウィークデーは使い勝手のよいトゥインゴで通勤や買い物、そしてお迎えなんかをてきぱきこなし、ウィークエンドは720Sで遠出してドライブを楽しみ、かつサーキットで攻めの走りを極める。こういう8ホイールライフが楽しくないはずがない。

 

 

贅沢なツートップ

清水さんのテーマが対極なら、石井昌道さんのそれは並列。BMW M5とロータスELISEの組み合わせは、ドイツ・イギリス両国の往年の名フットボーラーでたとえるならクローゼとオーウェンという感じだろうか。

 

背が高くてヘディングが強く足元もうまいクローゼと、石井さんの表現をそのまま借りれば“万能な「羊の皮を被った狼」”であるM5。そして、点を取るために生まれてきたようなオーウェンと走るために作られたELISE。石井さんは語る。「M5を軸に据えておけば、もう1台はプリミティブなスポーツカーという選択肢がとれる」

 

車の原点である走りという機能を考えれば、これ以上贅沢で華麗なツートップはないだろう。

この組み合わせ、憧れちゃいます

特集全体を通して筆者が一番実現したい組み合わせは、島下泰久さんのトヨタALPHARD HYBRIDとホンダNSX。島下さんは語る。「私が思い描くのは10ホイールのオールハイブリッドカーライフ。避けられない電化の波、楽しんだもの勝ち?」

 

10ホイール?  ALPHARDのハイブリッド車に自転車まで積み込んでしまおうというアイデアだ。このクルマ、自転車を積み込めるほどのスペースがあるにも関わらず、走りが大幅に進化しているらしい。海に行って、そこで自転車を降ろし、風を受けながらビーチ沿いを走るなんていうこともできそうだ。

 

NSXに関して言えば、国産スポーツカーの中でもかなり多くのファンを持つことで知られている。純粋に走りを楽しむことが目的なら十分すぎるだろうし、何より車体のフォルムが美しい。子どもの頃に抱いたスーパーカーに対する憧れに近い感情がかき立てられる。

 

そして、どちらもハイブリッド車。電化の波を楽しむためにはまさに絶好の組み合わせとなるのだろう。自転車を車に乗せて運ぶというのも、抜群におしゃれ。

 

 

おしゃれ大賞はこのペアどうでしょう

おしゃれをキーワードにするなら、嶋田智之さんのCITROËN 2CVとASTON MARTIN VANQUISH Sという組み合わせに賛成。独特なフォルムで他の追随を許さない2CV。そして、ボンドカーとして超有名なASTON MARTIN。誰も着ていないようなユニークなデザインのフランス製コートと、英王室御用達テイラーのオーダーメイドのタキシード。そんな趣の組み合わせだろうか。

 

「両極端なクルマを所有できたら乗り換えのたびに新鮮に感じられ、究極に素敵な2台持ちになるだろう」というのが嶋田さんのコメント。こういう2台持ちは、モテるだろうなぁ。

 

という具合に、クルマの達人10人が繰り広げる妄想はどれも思い入れとうんちくに満ち満ちている。残りのペアリングに関しては、本誌でどうぞ。この特集、ひたすら楽しいです。

 

 

【書籍紹介】

ル・ボラン 2018年5月号

著者:ル・ボラン編集部(編)
発行:学研プラス

ドイツ車をはじめとする輸入車を軸に、クルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信する月刊自動車雑誌。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があるほか、欧州車を中心とする独自の現地取材企画は高い人気を誇る。

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