付喪神(つくもがみ)をご存知でしょうか?
道具に神様が宿った妖怪のことを指します。室町時代にまとめられた『付喪神絵巻』によれば、道具は100年たつと付喪神に変化できるそうです。
持ち主を破滅へ導く
持ち主が不幸な目に遭ったときに身に着けていたモノには、持ち主の怨念が宿るという話もあります。
“呪いの宝石”と呼ばれる「ホープダイヤモンド」のように、神秘的な美しさを求めて多くの人が手にしてきたものの、その持ち主は次々と不幸になるというエピソードはたくさんあります。古今東西、こうしたモノにまつわるエピソードは事欠きません。
「ムー編集部厳選 ホントにあった恐怖体験 呪の巻」(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)には、インターネットから投稿された“怖い話”が厳選されて紹介されていますが、モノにまつわるエピソードをいくつか紹介しましょう。
指輪の持ち主がやってきた!
ひょんなことから、指輪を拾った人がいました。その指輪を気に入ってずっとつけていると、ある夜、「どんっ!どんっ!」と窓を叩く音が聞こえてきたそうです。「うるさい!」と思いながら布団に入って天井を見上げると…
なんと天井には血まみれの女性の姿が! ニヤッと笑った女は「私の指輪返して…」と話したといいます。怖くなって指輪を外に投げると、女性は姿を消しました。朝に外に出てみると、投げ捨てたはずの指輪はどこにもなかったそうです。
フランス人形の嘆き
人形はモノの中でも特に魂が宿りやすいといいます。本書には、あるフランス人形の話が収録されています。こどものころにフランス人形を買ってもらった女性は、小学校5年生のとき、一度、その人形を捨てました。
ところが、夜に寝ていると、「何で捨てるの?」という声が聞こえてきたそうです。そして、その次の日に女性は交通事故に遭ってしまいました。怖くなって再びゴミ捨て場に行ってみたところ、あのフランス人形がぽつんと残されていたのです。女性は家に持ち帰ったそうですが、恐怖におびえ、そのまま捨てることができずにいるのだとか。
思いがこもったものは魂が宿る
現代日本は豊かになって、モノがあふれています。そのため、飽きたらあっさりとモノを使い捨ててしまう行為が目立ちます。以前にある雑誌の取材で聞いた話ですが、
・人間の形をしているもの
・日常生活でずっと長く一緒にいるもの
…には、魂が宿りやすいのだとか。人形はまさにそういったものの典型ですね。フランス人形を捨てた女性も、しっかり供養するなどしてお別れをすれば、恐怖体験をしないで済んだのかもしれません。
日本には供養の文化がある
現在、上野公園にある寛永寺の清水観音堂では人形供養が行われています。また、千葉県のお寺では、ソニーのペット型ロボット「AIBO」の故障した個体を供養する“AIBO供養”が行われています。
ちなみに、アース製薬などの殺虫剤を作る会社が“虫供養”を行っているのは有名ですが、生き物だけでなく、針供養、筆供養など、とにかくあらゆるモノを供養する文化があるのが日本的です。
捨てる前に感謝の気持ちを持つことが大切です。特に思い入れが深かったものは、神社やお寺でしっかりと供養してもらうのといいでしょう。
【書籍紹介】
ムー編集部厳選 ホントにあった恐怖体験 呪の巻
著者:学研パブリッシング
発行:学研プラス
ムー編集部厳選! ケータイサイト「怖イ話(T_T)ムー」(現在は終了)に投稿されたユーザーからの本当にあった実話恐怖体験集「呪の巻」! 「通学路の手」「首がはずれるけど」「幅30センチの女」ほか収録。
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