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2018/5/10 13:30

1日に、結ばれるカップルと別れるカップル、どっちが多い?――『日本で1日に起きていることを調べてみた』

統計は、データ(数字)の集まりにすぎません。しかし、データを分析することによって、わたしたちの生活や人生の「ほんとうの姿」が見えてきます。

 

日本で1日に起きていることを調べてみた:数字が明かす現代日本』(宇田川 勝司・著/ベレ出版・刊)は、我が国にまつわる統計データから興味深いものをピックアップ。わかりやすい解説によって理解を深めることができるガイドブックです。

 

 

1日あたりの出生と死亡


1日に、生まれる赤ちゃんと亡くなる人
出生 2,680人
死亡 3,541人
(厚生労働省統計)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

生まれる人よりも、亡くなる人のほうが多い。前年に比べて、年間およそ30万人が減少します。

 

人が住まなくなった場所を「廃墟」といいます。1年間で30万人が消滅するということは、埼玉県春日部市(23万人)、青森県青森市(28万人)、東京都豊島区(29万人)などが、たった1年で廃墟化するようなものです。

 

1年間に生まれる赤ちゃんが、今よりも30万人増えれば、日本の廃墟化を防ぐことができます。活力を取り戻せます。年長者が「結婚はまだか?」「孫の顔が見たい」としつこく言うのは、集団としての生存本能かもしれません。一理あります。

 

 

1日あたりの婚姻と離婚


1日に、結ばれるカップルと別れるカップル
結婚 1,696組
離婚 593組
(厚生労働省統計)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

別れる夫婦よりも、結ばれる夫婦のほうが多い。心が温まるデータです。巷(ちまた)には愛が満ちています。

 

1年間の婚姻件数はおよそ約62万件です。婚姻は「2人」でおこなうものですから、62万件×2人=毎年124万人が「結婚」を経験しています。意外に多いです。あきらめないでください。

 

1年間の離婚件数はおよそ約21.6万件です。単純計算では、35%の夫婦が離婚します。ただし「離婚」と言っても、うしろ向きの理由とは限りません。配偶者のモラルハラスメントから逃れるためかもしれません。人生はやり直せます。

 

愛する人に出会い、結婚して、子を授かったとしても……最期に亡くなるとき、すぐそばに家族がいるとは限りません。いま日本では「孤独死」が社会問題になっています。

1日あたりの孤独死の数


1日に、日本のどこかで孤独死する人
約88人
(NHK調べ)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

1年間では、約3万2千人が孤独死(孤立死)しています。そのうち半数が「60歳以上の高齢者」です。誰にも気づかれずにひとりで死ぬ。孤独死。悲しい響きのことばです。

 

内閣府によれば、ひとり暮らしのお年寄り(60歳以上)は「約600万人」です。遺体の発見が遅れがちで、息絶えた数ヶ月後に発見される事例もあります。

 

孤独死における「発見までの日数」や「発見原因」を調査したデータがあります(日本少額短期保険協会調べ)。死後3日以内に発見されるのは、全体の2割にすぎません。発見までに2週間〜1ヶ月以上を要することが多いようです。

 

発見原因は、郵便物滞留(29.3%)、異臭(18.5%)、家賃滞納(7.0%)などです。孤独死をする人の半数は、親族や友人には見つけてもらえません。

 

Lonely Death(孤独死)。じつは、高齢者だけの問題ではありません。孤独死の25%は「49歳以下の男女」によるものです。他人ごとではありません。

 

 

日本の水資源と仮想水


水資源の年間使用量 約805億㎥
仮想水の年間使用量 約800億㎥
(国土交通省水資源部、環境省統計)

(『日本で1日に起きていることを調べてみた』から引用)

 

仮想水(バーチャル・ウォーター)をご存じでしょうか? 環境省によれば、仮想水とは「食料を輸入している国において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの」です。

 

たとえば「牛丼・並盛」には、間接的に、他国の水資源がたくさん使われています。肉牛を育てるためには、大量の穀物が必要です。肉牛が食べる「1kgのトウモロコシ」を生産するために必要な水は「1,800リットル」。つまり、牛肉1kgに換算すれば「20トンの仮想水」が使われています。

 

わたしたち日本人は、さまざまな食品を輸入することによって、自国の水資源を使わずに済んでいるだけです。統計データを理解すれば、世界の真実を知ることができます。お試しください。

 

 

【書籍紹介】

日本で1日に起きていることを調べてみた 数字が明かす現代日本

著者:宇田川勝司
発行:ベレ出版

「1日あたり、失われる国内の田畑」「1日にコンビニで廃棄される食品」「女子高生が1日にスマホを使う時間」・・・・・・自然現象から日々の暮らしのことまで、言われてみると、意外と知らない現代日本の姿を調べてみました。日々起きている事柄は、見聞きしていても意外と正しく捉えにくいものです。しかし、1日という時間を尺度にした数字で表すことで、その実態を克明に浮かび上がらせることができます。国内では何が起こり、どのような問題があるのか、そして日本はどのように変わりつつあるのか、本書では、客観的な数字やデータをもとにその意外な側面や驚きの事実に迫ります。

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