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2018/5/22 13:00

【今日の一冊】40歳から人生は、夢・目標・計画・現状を明確にする――『これからがうまくいく! 40代選択の知恵』

これからがうまくいく! 40代選択の知恵』(佐藤綾子・著/学研プラス・刊)は、パフォーマンス学の第一人者として活躍している佐藤綾子さんの“生き方指南書”だ。

 

パフォーマンス学とは、人の中にある良いところを上手に表現できるようにするアメリカではじまった実践的な学問だ。佐藤さんはこれを日本人として初めて導入し、各方面で活躍する人々の表現技術の指導にあたってきた。

 

本書には心理学の確かな理論をバックボーンに、ちょっとした工夫で40代をもっと楽しくする方法がたくさん紹介されている。女性向きに書かれた本だが、よりよい40代を選択するさまざまなヒントは、男性たちにも大いに役に立つだろう。

 

 

コブつき大学院生、通訳、講師、主婦

今から30数年も前になるが、佐藤さんからいただいた名刺の肩書きには“コブつき大学院生、通訳、講師、主婦”と書いてあった。佐藤さんが処女作『愛して学んで仕事して』という本を出された後、お母さん雑誌の特集で彼女を取り上げることになり、編集プロダクションに入ったばかりの駆け出しの私がインタビューに向かったのだ。当時は、芸能人をはじめ、スポーツ選手、料理研究家、手芸家などなど、ありとあらゆるジャンルの人の元へ取材に行っていたが、今でもその日のことを鮮明に思い出せるのは、佐藤綾子さんひとりなのだ。それこそ自己表現の技術、パフォーマンスのチカラではないかと思う。

 

「私には5つの顔があるのよ」と佐藤さんは言っていた、母として、妻として、学生として、通訳として、講師として、一日の中で顔を使い分けていた。密着取材をさせてもらったのだが、時間の無駄がいっさいなく、すべてを完璧にこなしていたし、なによりも前向きな姿に私は感銘を受けたのだ。

 

 

40歳は新しいスタートライン

さて、人生の折り返し地点である40代になると、それまで順調にキャリアを重ねてきた人も、ふっと「このままでいいのかな?」と疑問を感じることがあるだろう。ここで、正しく、また、長持ちする選択の知恵を身につけられるかどうかが、今後の人生を左右していくのだ。

本書は、

第1章 「40代の選択」三つのヒント

第2章 大人の女性の人づきあい

第3章 仕事とどうつきあうか

第4章 家族とどうつきあうか

第5章 大人の女性は美しい

という構成になっている。では、いくつかを抜粋してみよう。

後悔しない選択のヒント

選択をするときに大切にしたいのは、「快適かどうか」だと佐藤さんは言う。仕事は今のままでいいのか? 結婚は? 子どもは? そして親の介護は? 40代になると否応なく選択の場面を迎える人が多い。そのとき、押さえるべきポイントは3つだ。

 

1 毎日を前向きに一生懸命生きること →自信がつき、判断力が鍛えられます

2 「選択の瞬間」は人まかせにしないで、集中して自分の頭でとことん考えること →あとで人のせいにして、後悔しなくてすみます

3 いったん決めたら、どんな選択であっても、人をうらやまず、後悔しないこと →「隣の芝は青い」と言いますね。人の選択の真価は外側からはわからないものです

(『これからがうまくいく! 40代選択の知恵』から引用)

 

3つの条件を忘れずに選択をすれば、それはあなたの人生後半への素敵なプレゼントになるそうだ。

 

 

人づきあいにおける11か条

ビジネス上でも、プライベートでも、人づきあいに関する悩みはたえない。が、どんな場面でも以下の11項目を守っていれば、あなたの人間的魅了はグンと上がるはず。さあチェックしてみよう。

 

□ポジティブな会話ができる人を友だちに選ぶ

□イヤな相手でも「自分に役立つ何か」を一つは見つける

□「何にお金を使うか」を明確に絞る

□義理だけのおつきあいはお断りし、自分磨きのための時間を確保する

□約束を忘れたり、ドタキャンしたりするのをやめる

□相手の立場に立って話を聞く

□裁判官のように、間違いをただすのはやめる

□だれに対してもフェアに振る舞う

□ブレない価値観をもつ

□人の悪口は言わない

□心を込めて、ていねいにお礼を言う

(『これからがうまくいく! 40代選択の知恵』から引用)

 

 

“キャリア”の本当に意味とは?

ところで、キャリアとは有名大学を出たり、大企業に就職したり、特別な仕事に就いたりすることと勘違いしている人は多いようだ。これについて佐藤さんはこう言っている。

 

あなたが「これは大切だ」と思い、生涯ずっと引っ張り続けることができる何か、それがキャリアです。それは、ときに高収入でしょうし、ときにはあまり収入にならないかもしれません。例えばNPOの活動として、ベトナムに学校を作るというようなことを、生涯かけてやっていれば、これはその人にとっての立派なキャリアです。このキャリアは、高収入や高いポジションの仕事という定義ではありません。

(『これからがうまくいく! 40代選択の知恵』から引用)

 

さて、40歳になり、毎日ただ同じように流されていると感じているなら、まずは夢を描くことを佐藤さんはすすめている。白い紙のいちばん上に「夢」を、その下に「目標」を、さらにその下には「計画」を、そしていちばん下に「現状」を書き出してみるのだそうです。そうすることで、40代をどう過ごせばいいのかが、くっきり見えてくるという。さっそく試してみよう。

 

ところで、夢を追いかけると心配になるのが“お金”のこと。

 

お金が第一と思っている人は、お金が減ったり増えたりすることに一喜一憂するでしょう。でも、自分の夢に向かって一生懸命走っている人は、そのことのために多少お金が少ないときがあっても、一喜一憂したりはしません。自分が好きな仕事をしているということのほうが大切なのですから。このほうがさわやかに生きていけます。

(『これからがうまくいく! 40代選択の知恵』から引用)

 

心配しなくても、楽しんで仕事をしていればお金はあとからついてくる!そうだ。

 

本書ではこの他に、家族と楽しく過ごす方法も実例をあげて解説している。また、表情や立ち居振る舞いなど外見を磨くテクニックも紹介されていて、とても参考になる。

 

 

【書籍紹介】

 

40代選択の知恵 これからがうまくいく!

著者:佐藤綾子
発行:学研プラス

人生の大きな選択に迫られる40代の女性。心理学をもとに、効率よく選択をして、これから幸せに過ごすための知恵をアドバイス。著者自らの経験を交えて、40代の人との付き合い方、仕事との付き合い方、家族との付き合い方と、美しさをキープするコツを伝授

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