30代になってから、季節の変わり目に体調を崩すことが多くなってきました。
軽い気持ちで立ち寄った漢方薬局。病気じゃないのにいいのかな…と思いつつも、相談員さんにお話しすると「これがいいよ!」と漢方薬とお茶をおすすめされました。初めてのことでドキドキでしたが、実際に飲み続けていくとなんとなく元気になってきた気がする! 何事も続けることが大事なのはわかっているものの続けられず、また季節の変わり目に体調を崩しました(笑)。
そこで今回は「漢方」についてしっかり知っておこうということで『漢方のひみつ』(秋葉哲生・監修、佐藤守・イラスト/学研プラス・刊)より、漢方の基礎知識を学んでいきたいと思います。
センブリ茶やハトムギ茶は、民間薬!
みなさんは「漢方」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?
自然に生えている植物のパワーをお茶などで体に取り入れて、健康を維持する…なんてイメージがあるかもしれませんが、あなたが「漢方」だと思っているのはもしかすると「民間薬」かもしれません。
「民間薬とは昔から経験上でいい伝えられてきた生活の知恵とでもいうのかな…、センブリ茶やハトムギ茶のように多くは1種類の薬草からなるものなんだ。」
(『漢方のひみつ』より引用)
自然にある植物や、鉱物、動物を原料にしているからといって全てが漢方というわけではないということは…漢方って一体ナニ?
原則2種類以上の生薬を組み合わせたものが「漢方薬」
生薬(しょうやく)という言葉も聞いたことがあるかと思いますが、これは植物の葉や根、鹿のツノや鉱物などの中から効き目がある部分を乾燥させたりして保存させるなど加工したもののことを言います。つまりは漢方薬の原料となるものを生薬と呼んでいるわけですね。
「漢方薬は中国や日本の古典・医学書にもとづき、原則2つ以上の生薬を組み合わせてつくる医薬品なんだよ。」
(『漢方のひみつ』より引用)
なるほど〜。私も、以前相談した時には「冷え」がひどくて、眠りも浅くて悩んでいたことを伝えたところ、いくつか質問されて自分に合う漢方薬を処方してもらいました。その時には知識もないままふらりと立ち寄ってしまったため、生薬の名前が書いていた袋も捨てちゃったし、説明受けたのに忘れちゃったし、もっとちゃんと聞いておけばよかった!! 後悔ーー!
「葛根湯」には何がブレンドされているの?
風邪のひき始めに飲む薬といえば…「葛根湯」ですよね! 葛根湯は商品名だと思っていたのですが、漢方薬の名前だったのです! ご存知でしたか? ちなみに漢方薬の名前は、生薬の種類や数、効能、病態などによって作られるそうなので、ドラッグストアに行った際には「これは漢方薬の名前かな? 商品名なのかな?」なんて調べながら選んでみるといいかもしれませんね。
ではでは、さっそく葛根湯の中身を見てみましょう!
葛根(カッコン)
麻黄(マオウ)
大棗(タイソウ)
桂皮(ケイヒ)
甘草(カンゾウ)
芍薬(シャクヤク)
生姜(ショウキョウ)
(『漢方のひみつ』より引用)
合計7つの生薬がブレンドされており、このブレンドは約1800年前に中国で書かれた『傷寒論(しょうかんろん)』に掲載されているものと現在も同じ内容で販売されているそうです! すごい歴史&信頼感っ!!
他にも、胸やけには「安中散(あんちゅうさん)」、胃けいれんには「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」など日本で健康保険が適用されている漢方薬は、148処方もあると言われており、まだまだ知らない漢方薬がたくさん存在しています。
でも、お高いんでしょ?
148処方もあるなら、使ってみたい! と思った方も多いかもしれませんが、「漢方って高いわよね?」と思う方も多いはず。でもご安心ください! 実は、漢方薬にも健康保険が適用されるんです! しかし、健康保険に適用された漢方薬をもらうためには、お医者さんの診断が必要。しっかりお医者さんから診断してもらい、処方してもらう必要があります。どうやって診察してもらうか、事前に把握しておきましょう。
「漢方の診察の基本は「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」の4つから見るんだ。漢方のお医者さんは患者さんが診察室に入ってくるところから診察が始まっているんだよ。」
(『漢方のひみつ』より引用)
日本の病院の多くが「西洋医学」を取り入れているため、体の中から病気の原因を探し出しそれを取り除くための治療することが基本になっています。しかし、漢方診察の場合は、患者さんが本来持っている病気を治そうとする力「自然治癒力」を高め、体を整えることを基本としているため、冷え性や肩こり、気持ちがなんだかモヤモヤする…なんてことでも漢方薬を処方してくれるとのこと。もうほとんど病気なような生活を送っている私にとってはぴったりじゃないかっ! 漢方処方もしてくれる病院に行ってみようかしら。
中国から伝わった医学をもとに、日本独自の発展を遂げたのが「漢方」
漢方と聞くと、中国のイメージが強いかもしれませんが、実は日本独自のものなんだそうです。7世紀ごろ、中国に渡った遣隋使・遣唐使によって日本の漢方医学のもととなる医学書が持ち帰られ、日本独自で発展して行ったんだとか。ちなみに、漢方と呼ばれるようになったのは、江戸時代あたりからと言われているそうですよ。
「オランダから伝わった医学は、オランダの「蘭」を取って「蘭方」と呼ばれたんだ。そして、それまでの日本独自の医学を、「蘭方」と区別するためにつけられた名前が「漢方」なんだ。それ以来、日本独自の医学を「漢方」と呼ぶようになったんだ。」
(『漢方のひみつ』より引用)
中国の伝統医学を現代に引き継いだものは「中医学」というものなので、漢方とは全く違うものなんですって。漢方が日本の医療なら安心だ! と色々と試したくなるかもしれませんが、漢方薬にも「副作用」がありますので、お医者散と相談の上で漢方薬を処方してもらいましょうね。自然治癒力を高めて、いつまでも元気で暮らしていくためにも「ちょっと体調が悪いな〜」と日頃から感じている方は、一度漢方薬を保険適用で試してみるのはいかがでしょうか? まずはお近くの「漢方外来」を実施している病院に行ってみましょう。私もなかなか喉の調子が治らないから、漢方外来予約しちゃお〜。
【書籍紹介】
漢方のひみつ
著者:秋葉哲生(監修)、佐藤守(イラスト)、青木萌(文)、おだぎみを(漫画)
発行:学研プラス
漢方って知っているかな? 実は日本に古くからある医学なんだ。 その漢方が今とても注目されているんだ。 漢方ってどんなことをするの? 漢方薬ってどんな薬? どんなときに飲むの? どうやって作るの? みんなが知りたい漢方のひみつがこの本でわかるよ。