怒りの「飼い主」になろう
手っ取り早く怒りの感情をコントロールするコツがある。(中略)友だちになってしまうことだ。そのためには「怒り君」「怒りちゃん」と呼んでみるといい。
「お、怒り君が芽ばえてきたぞ」「あら、怒りちゃんがやってきたわ」というように。
(『たった2分で、怒りを乗り越える本。』から引用)
「ムカッ」「イラッ」という気持ちを止めることはできません。怒りを「飼いならす」ことによって、表情にあらわれるのを防ぐことができます。
動物が好きならば、イヌやネコなど「ペット」のつもりで、怒りと向き合います。激情にかられるたびに、「ニャーン」とか「ワンッワンッ」というカワイイ鳴き声を思い浮かべます。怒りを通り越して、笑いがこみ上げます。クールダウンするための知恵です。
「自称・正義の怒り」には近づかない
「自分は正しい」「私は正義の代表」「私はいい人」と思い込んでいる人は、かなり危険だ。(中略)「私はこんなに正しいことをしているのに、それを理解しないあなたは悪」といった、間違った方向に進んでしまう。
(『たった2分で、怒りを乗り越える本。』から引用)
怒鳴り声をあげる人は、葛藤が少ない人です。「自分が間違っているかもしれない」という可能性に考えが至りません。だから、相手を傷つけるような言葉づかいをします。
怒りを感じるのは誰にでもあること。しかし、大声でわめき散らすのは「甘え」です。敵意を向けたあとも、相手が許してくれると思い込んでいます。それは、泣きわめけば母親があやしてくれると思っている「赤ちゃんレベル」の感情表現です。
怒りをムキ出しにしている人を見かけます。理由もなく食ってかかってくる迷惑な人がいます。本書『たった2分で、怒りを乗り越える本。』の著者は、そういう相手に対しては、「お! 愛情不足の野良犬だな」と心の中でつぶやきます。痛快なフレーズです。お試しください。
【書籍紹介】
たった2分で、怒りを乗り越える本。
著者:千田琢哉
発行:学研プラス
「怒り」と耳にして構える必要はない。怒ってしまったからと落ち込む必要もない。怒りを本能のままにコントロールできず、むき出しにすることが損な生き方であり、人として恥ずかしいことなのだ。怒りと上手に付き合い、ともに乗り越えていく方法を教えよう。