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2018/6/19 23:00

恐竜界ナンバーワンは誰だ!? 最強を決めるトーナメントを制したのはあの恐竜だ!!――『恐竜最強王図鑑』

「ゴチャゴチャ言わんと、誰が一番強いか決めたらええんや!!」

 

そう言い放ったのは、プロレスラー前田日明だ。この一言から、新日本プロレスは世代闘争に突入。熱い戦いを繰り広げていくことになる。

 

このように「誰が一番強いのか?」というのは、格闘技ファンの間ではたびたび議題に上る。この純粋な疑問を、恐竜界に当てはめたのが『恐竜最強王図鑑』(實吉達郎・監修/学研プラス・刊)だ。

 

かつて地球上に存在した恐竜たちを、時代を超えて戦わせてみたら、誰が一番強いのか。それをシミュレーションして誌上で再現。これがなかなか見応えがある戦いの連続だった。

 

 

 

24種の参加恐竜から注目恐竜をピックアップ

出場恐竜は24種。彼らがトーナメントで競い合う。僕はその一覧表を見ながら予想を立てた。その予想は以下の通り。

 

◎ティラノサウルス
肉食恐竜最強と呼び声の高い恐竜。体長こそ12~13mとそれほど大きくはないが、闘争心や強力なアゴの力は、恐竜界ナンバーワンとの呼び声が高い。

○アルゼンチノサウルス
35~40mという巨大な体を持つ首と尻尾が長い草食恐竜。その大きな体は自然界ではそれだけで強力な武器になる。あとは闘争心がどれだけあるかだろう

▲ブラキオサウルス
25mほどの草食恐竜。最大の武器は長い首と、その首よりも長い尻尾。これらをムチのように使い相手をなぎ倒していけば勝機はあるだろう。

☆デイノニクス
2.5~4mと小型の肉食恐竜。今回のトーナメントでは小柄なためハンデとして3頭1組での参加となる。唯一チームでの出場ということで、大型の肉食恐竜にも勝てる可能性があるのではないだろうか。

 

さて、この予想は当たるのだろうか?

 

 

小兵デイノニクスが意外な活躍

僕が予想した恐竜4頭のうち、最初に登場したのはデイノニクス。初戦は史上最大級の翼竜ケツァルコアトルスだ。デイノニクスは3頭でケツァルコアトルスを包囲し、3方向からの一斉攻撃で勝利した。

 

そのほかの3頭は2回戦からの登場。次に登場したのがアルゼンチノサウルス。相手は初戦でディロフォサウルスを破ったスコミムスという水辺に住む肉食恐竜。スコミムスの連続攻撃に翻弄されるものの、長く太い尻尾の一撃で撃破。危なげのない勝利だ。

 

1回戦を勝ち抜いたデイノニクスが2回戦で当たったのが、恐竜界のメジャー選手ステゴザウルス。草食恐竜だが背中の骨板とトゲで肉食恐竜とも互角に戦っていたよう。しかし3体で攻撃できるデイノニクスは、チーム戦で相手を翻弄し、2回戦も突破した。ダークホースがこのまま勝ち進むか?

ティラノサウルスは順当に勝利。ブラキオサウルスは初戦敗退

2回戦でやっと登場したのが、ティラノサウルス。大本命の凶暴な肉食恐竜だ。相手はトリケラトプス。するどい3本の角と牙を持ち攻撃力のある草食恐竜だ。しかし、戦いは一方的。突進するトリケラトプスを捕まえたティラノサウルスが喉笛に食らいつき、試合は終了。貫禄の勝利だ。

 

25mの巨体を持つ草食恐竜ブラキオサウルスは、1回戦でサウロペルタを破った肉食恐竜ギガノトサウルスと対戦。体格で勝るブラキオサウルスは、動き回るギガノトサウルスを見下ろしじっくりと攻める。しかし、ギガノトサウルスが一瞬の隙をつきブラキオサウルスに噛み付き攻撃。このとき的確に血管を狙うことで大量出血をもたらし、ブラキオサウルスはなすすべもなく敗退。小柄な肉食恐竜らしい戦いだった。残念ながらブラキオサウルスはここで消えた。

 

 

白熱の3回戦、勝ち抜いたのはどの恐竜だ!?

3回戦に突入。アルゼンチノサウルスが対戦したのは、鋭い牙と頑丈な前足で勝ち抜いてきたカルカロドントサウルス。10~14mとアルゼンチノサウルスに比べれば小柄だ。アルゼンチノサウルスは長い首でカルカロドントサウルスに一撃を食らわし優勢に。カルカロドントサウルスもするどい牙で反撃をするものの、最終的にはアルゼンチノサウルスが体格差を活かし踏み潰しで勝利した。

 

小兵ながらチーム戦で勝ち抜いてきたデイノニクスは、肉食恐竜ケラトサウルスと対戦。ケラトサウルスは1体ずつ仕留める作戦に出るが、多勢に無勢。やはりデイノニクス3体による攻撃には叶わず敗北。デイノニクスが準決勝へ進出した。

 

ティラノサウルスは、2回戦でブラキオサウルスを破ったギガノトサウルスと対戦。肉食恐竜同士の激しい戦いが予想される。互角に見えた戦いだったがティラノサウルスの咬む力が勝り、ギガノトサウルスが体勢を崩した隙に喉に食らいつき勝利した。

 

 

いよいよ決定! 恐竜界最強は誰だ!?

準決勝第一試合は、アルゼンチノサウルスとデイノニクス。これまでチーム戦で勝ち上がってきたデイノニクスだが、体格差があまりにも違いすぎる。ちょこまかと動き回るデイノニクスに業を煮やしたアルゼンチノサウルスが、デイノニクス1体を豪快に地面に叩きつけた瞬間、他の2体は退散。アルゼンチノサウルスが決勝進出を決めた。

 

次はティラノサウルスと、史上最大級の水竜スピノサウルス。映画『ジュラシック・パーク3』ではスピノサウルスが勝利したが、今回はどうだろうか。戦いの場は水辺ということでスピノサウルスに有利な展開に。しかし、ティラノサウルスはスピノサウルスの背びれに噛み付き動きを止め、最終的にスピノサウルスの喉に噛み付いて勝利。これで決勝戦はティラノサウルスとアルゼンチノサウルスの対決となった。

 

決勝戦はティラノサウルスとアルゼンチノサウルス。大きさでは圧倒的のアルゼンチノサウルスだが、戦闘力はティラノサウルスのほうが有利。大きな体から繰り出す首と尻尾で近づくティラノサウルスを蹴散らし、なかなか近づけさせない。しかし、ティラノサウルスはアルゼンチノサウルスの攻撃をかわし前足に噛み付く。強力な顎力で筋肉を断ち切られたアルゼンチノサウルスは万事休す。そのまま倒れ込んでしまった瞬間、ティラノサウルスは喉元に食らいつき、この勝負を終わらせた。

 

この瞬間、恐竜界ナンバーワンはティラノサウルスに決定した。やはり、攻撃的な性格と強力な咬む力は、他の恐竜を寄せ付けない強さとなったようだ。

 

 

絶対王者を破る恐竜はいるのだろうか?

恐竜を実際に見たことはないが、本書に載っている戦いの様子を読むと、まるで本当に恐竜が戦っているような錯覚に陥った。

 

あまり殺伐とした世界は好きではないが、1億年くらい前の地球では、このような戦いが繰り広げられていたのではないだろうか。もはや想像の世界でしか恐竜を感じることはできないが、想像だからこそいかようにもリアルにすることができる。

 

しかし、ティラノサウルスの強さは圧倒的といってもいい。絶対王者ティラノサウルスを倒すのは、いったいどの恐竜なのだろうか。第2回目のトーナメント開催に期待しよう。

 

 

【書籍紹介】

恐竜最強王図鑑

著者:實吉達郎
発行:学研プラス

大人気シリーズに「恐竜編」が登場! ティラノサウルス、トリケラトプス、ギガノトサウルス、アルゼンチノサウルス……ジュラ紀、白亜紀の恐竜たち24体が、最強の座をかけてトーナメントを繰り広げる、エンタメ図鑑の大傑作! 恐竜コラムも充実。

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