今から12年前の2006年に流行語大賞にノミネートされていた『新庄劇場』。
当時メジャーリーグから、日ハムに舞い戻ってきた新庄剛志選手が、スパイダーマンの被り物をしたり、イリュージョンショーを披露したり、小さい新庄選手の顔をちょっと大きい新庄選手が食べている『5人のツヨシ』という謎な被り物をしていたり、試合前にファンサービスしていたことを通称し、『新庄劇場』と呼んでいたのです。私も当時、朝のニュースで「昨日の新庄は?」と楽しみだった記憶があります。
そんな新庄選手、今ってどこにいるのかな〜と思っていたらなんとバリ島!!
現役で稼いだお金で優雅に暮らしていると思ったら、バリ島移住前に20億円を騙し取られていたって、なにソレ!!!?
今回は、壮絶な人生が語られた話題の新刊『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』(新庄剛志・著/学研プラス・刊)より、愛すべきスーパースター新庄剛志さんの人生論をご紹介します。
現役引退後の新庄は何をしていたのか?
メジャーで活躍し、日ハムを日本一に輝かせたのち、華麗に引退した新庄さんは、なんと奥さんとも別れ、単身で一目惚れしたバリ島へ移り住んだというのです。
しかし、移り住む際に自分の全財産を預けていた人に「バリ島に移住するから、お金を引き出して〜」と伝えたら、「残金は2200万円」と思ってもいなかった金額を言われたそうです。メジャー行って、テレビもCMも出まくって、好きなもの買ってエンジョイしてたのに、どういうこと??
僕は、信用していた人にお金を使い込まれていた。
それも、100万円とか200万円のレベルじゃない。
20億円だ。
(『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』より引用)
どうやったら20億円も使えるの!? って話ぃ〜!!
その全財産を預けていた人は、自身でも会社を経営していたそうで、その会社の経営を補うために新庄さんのお金を使っていたというのです。全て自分でやっていなかったことを反省していた新庄さんですが、20億円て……。私だったらゼッタイに許さん!! だって20億円ですよ? 2200万円も見たことないですが(笑)、どうやったらそんなお金を稼げるのでしょうか?? 現役時代の新庄さんの稼ぎっぷりを振り返ってみましょう。
契約金2200万円でメジャーへ『日本の恥』と言われたが……。
高校生の時に、ドラフト5位で阪神タイガースに入った新庄さん。「ドラフト5位」の肩書きが悔しくて必死でトレーニングを重ね、大活躍をしたというのは皆さんも承知の事実。
その後、メジャーリーグへ挑戦するわけですが、日本人がメジャーに挑戦するなんて、当時は夢のまた夢。しかも契約金は、2200万円と格安。メディアでは『日本の恥』なんて言われていたそうです。私も当時「無理っしょ」と思っていたのですが、当時の新庄さんはどんな気持ちだったのでしょうか?
漫画のヒーローだって、マイナスの状況を乗り越えて活躍すると昔から決まっている。僕は、メジャー入りして成功すると信じていた。いや信じていたんじゃなくて、決めていた。
(『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』より引用)
ハート強すぎ!!
今では数多くの日本人選手がメジャーでも活躍していますが、新庄選手がメジャーリーグへの道を切り開いてくれたと言っても過言ではないかもしれません。日本の恥どころか、メジャーリーグの歴史においても忘れられない日本人スーパースターになっちゃったわけですね。
ポーズを取るだけで、8000万円が手に入る
メジャーで活躍するほど、日本での知名度も上がっていき、メディアに引っ張りだこな日々が訪れます。オフに日本へ戻ってきた時、テレビ番組に出て800万円、CM1本1億5000万円と「野球なんてマジバイト」と言いたくなる気持ちもわからなくない状態に。その時のことを、このように語っています。
命をかけて、ギリギリのプレッシャーに耐えて1年間プレーして2200万円を手に入れる一方で、僕はただポーズを取っただけなのに8000万円が入ってくる……。
僕はこのお金の価値のギャップを埋められなかった。
(『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』より引用)
確かに、何のためにメジャーで頑張っているんだって思っちゃいますよね。
スターに憧れて、スターになったはずなのに、自分の得意分野とは違うところで思っている以上のお金が支払われる。単純に羨ましいな〜では片付けられないような感覚なんだと感じました。しかもその貯めてたお金は、だまし取られちゃうとか、ちょっとかわいそうに思えてきちゃったよぉ〜!
ポジティブすぎて、逆にかっこいい!
20億円だまし取られても、残った2200万円と、取り戻した8000万円でバリ島に家を建て、10年ほど暮らしている新庄さん。ペット(犬)のラナと一緒にいる時が幸せで楽しいんですって。
スーパースター・新庄剛志の物語は、まだプロ野球選手として成功したエピソード1と、金銭トラブルでしくじったエピソード2が終わっただけ。
今、僕はエピソード3の途中を生きている。
本当に面白いのは、これからだ。
(『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』より引用)
こんなにズタボロになって、財産のほとんど全てを失っても前向きになれるこの精神力。ポジティブすぎて逆にカッコよく思えてきます。
次なる新庄劇場は、『歌手』としてデビュー!?
バリ島に移住してからは、モトクロスにはまっているとのことなのですが、エピソード3ではどんな新庄劇場を見せてくれるのでしょうか? なんと今気になっているのは「歌」なんだとか。
僕だって、いいことも悪いこともいっぱい経験したから、今なら歌に気持ちを込められるんじゃないか。
(『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』より引用)
確かにすごい歌は歌えそうだけどもっっ! 掲げている目標が高いというか、規格外というか(笑)。
とにかくまだまだ目が離せない、新庄剛志! 今後も私たちを驚かせて、楽しませて、元気にしてくれる人でい続けてくれることは間違いないだろうと感じます。
【書籍紹介】
わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法
著者:新庄剛志
発行:学研プラス
「わいたこら。」その事実を知ったとき、とっさに僕の口から出た言葉だ。標準語でいえば「なんじゃこりゃ?」。僕は、信用していた人にお金を使い込まれていた。100万円とか200万円のレベルじゃない。20億円だ――。「スター新庄」が今、すべてを語る、前代未聞の「しくじり」体験!読めば間違いなく元気になれる、超ポジティブな「人生の立ちあがり方」が満載の本です。