本・書籍
2018/12/3 21:45

成功報酬20万円の「婚活マスター制度」も! 地方自治体が進める最近の婚活事情

AIによるマッチングが主流になってきそうな婚活市場。相手の年齢や身長など希望条件を入力すれば、それに合う異性を紹介してくれるのだから便利な世の中になったものである。しかし、AIではなくヒトがマッチングすることにより、成婚率が上がった事例がある。さらには、成婚報酬20万円を出す地方自治体も出てきた。男女のマッチングには、なぜいまだに人力が必要なのだろうか。

 

 

マッチングは直感も必要

以前、とあるマッチングパーティーに出たことがある。本気の婚活ではなく、最初はお友達から、というようなカジュアルなものだった。100人近くいる参加者の中に、特に好みの男性がいなかった私は時間を持て余し、近くにいたメガネ美人さんに話しかけた。こういう場所での同性への第一声は、大抵「どうです? いい人いましたか?」だ。

 

メガネさんは「自分が好きな珍しいメガネブランドの品をかけている男性がいる」と私に教えてくれた。「お話はできた?」「ええ、そのメガネ、○○のものですよねって、だけ」「それじゃダメよ!」「でもどこにいるのか、見つからなくて」「私が探してくるわ」私は彼の特徴を頼りに集団の中からそれらしい男性を見つけた。会場の隅で手持ち無沙汰にしていた彼に「あなたともっとお話したい女性がいるからこっちに来て!」と声をかけ、見事に二人をツーショットに持ち込んだのだった。

 

 

高齢者が婚活の世話人に

婚活パーティーで素敵な人を見つけたのなら、お話をしたほうが絶対にいい。メガネさんはそうした会に初参加だそうで、会場の雰囲気に怖気づき、うまく立ち回れていなかった。なのでついつい私が助け舟を出したのだけど、実は最近、あちこちの自治体の婚活パーティーで、おせっかいな年長者が婚活パーティーのスタッフとして駆け回っているらしい。おそらく、先日の私のような世話好きが大勢いるのだろう。

 

出会いのカタチ 群馬にみる多様化する現代の「結婚」』(上毛新聞取材班 ・著/学研プラス・刊)は、主に群馬県の婚活や結婚のリアルについて新聞に連載された記事をまとめたもの。それによると群馬県には「縁結び世話人」福井県には「地域の縁結びさん」などと呼ばれる人たちがいて、結婚したい若者のサポートをしているという。どちらも60-70代が中心だというから意外と高齢だ。彼らのおかげで成婚率が明らかにアップしたという。

 

 

おせっかいマッチングの驚くべき効果

本によると、こうした支援が進んでいるのは愛媛県で、県内の婚活イベントでの成婚率4.8%に対し、仲介ボランティアによる見合いでの成婚率は11.5%もあるという。前述の福井県「地域の縁結びさん」は2015年度に49組もが成婚に至ったという。効果がある原因は、婚活パーティーの場なので「誰か気になる人はいたの?」などと聞き出し、本人の代わりに「あなたと話したい人がいるわよ」と声をかけに行ってくれるのだという。私自身もその目で見たのでわかるけれど、パーティーの場ではもじもじしているだけでちゃんとお話できていない人が結構いる。話しかける勇気がない人も多いので、仲を取り持ってくれる存在がいるのはありがたいことだ。

 

そして栃木県大田原市では2015年より縁結び仲介役の講習を受けると認定される「婚活マスター制度」を導入した。1組成婚したら、婚活マスターになんと20万円もの大金が報奨金として支払われるという。それだけいただけたら、ボランティアの時とはまた違うやりがいになりそうだ。2018年の時点ですでに6組がこの制度で成婚しているという。それだけ自治体が婚活支援に力を入れるのは、地域の高齢化が進んでいる危機感のあらわれなのかもしれない。

 

 

きっかけを作れないイマドキの若者

ちなみに私がキューピットとなったマッチングパーティーでのメガネ男女は、その後しばらくメッセージのやり取りをしたが、続かなかったという。内気な彼女はメールでも何を書いたらいいのかわからなかったようなのだ。「そういう時は、最近読んだ本とか観た映画のことを聞いてみるだけでも、その人がどんな人が透けて見える時があるし」などと私はもどかしくてしかたがなかった。

 

いくらでも情報が手に入る現代だというのに、婚活はうまく進みにくい。これは、情報に振り回され、もっといい条件の人が現れるのではないかなどと吟味しすぎているからかもしれない。「あなたにはこういう人が合うと思う」という周囲の人の目のほうがむしろ的確なことも多い。多くのカップルや夫婦を地域で見守ってきた世話人の言葉は、婚活に迷う若者には刺さることも多く、だから素直に話も聞くのだろう。

 

【書籍紹介】

出会いのカタチ 群馬にみる多様化する現代の「結婚」

著者:上毛新聞取材班
発行:学研プラス

少子高齢化や人口減少を背景に、結婚やカップルの在り方が変容している。愛する人同士が寄り添い、共に生きることができる社会を実現するためには何が必要なのか。身近に暮らす一般の人たちの取材を通し、多様化する「出会いのカタチ」を群馬から探った。「ニューズブック」シリーズ第6弾。

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