「常にバタバタしているよね」と言われて余計に「余裕ある人に見せなくちゃ〜」とバタバタしていたことがあります。
また、締め切りのギリギリにならないとやる気スイッチが入らなくて、結局間に合わず「すみません、明日に延期してもいいですか?」なんて連絡することもあったりと、日ごろの焦りやバタバタが原因で仕事に支障がでちゃうなんてことが重なり自分を責めてしまう……。 「この山場が終わったら自分の趣味の時間をつくるぞ!」と思っても次なる山がそびえ立ち、いつまでたっても自分のやりたいことができない……。
今回はそんな焦りからくる負のループを抜け出す方法を、精神科医である水野広子さんの著書『焦りグセがなくなる本』(水島広子・著/PHP新書・刊)よりご紹介していきます。
なんでいつも「焦って」しまうのか?
焦ってしまう人の多くは、常に「間に合わなかったらどうしよう」という不安を抱えていたり、「自分はやりたいことができていない」という自己嫌悪から焦ってしまう心のクセがついてしまっているそうです。またこのクセがついている人は、やらされているという被害者意識を持ってしまう人も多いんだとか。例えば、以下のような負のループに陥ってしまった経験はありませんか?
デスクが散らかっている
↓
デスクなんて、片付けている暇はない!(焦りグセ)
↓
こんなに汚いところで働きたくないのに働かされている!(被害者意識)
↓
イライラして、仕事の効率が下がる
↓
いっそう焦る
(『焦りグセがなくなる本』より引用)
精神衛生がよい状態であれば「あー散らかってる。片付けよう」で済むことなのに、いつものクセから被害者意識に発展し、自分で自分の首を絞めてしまっている…なんてことになってしまうんですね。恐ろしい! 自分の人生なのに、いつも人のせいにしてイライラしちゃって、もったいないと感じます。焦らずに自分らしい人生を送るヒントを紐解いていきましょう。
「やらされている人生」にならないためには?
生きていますから、仕事をしていますから、この世の中「やるべき」ことであふれています。しかし、この「べき」が自分をやらされている感に追い込み、自分らしい人生が送れないとなったら……つらいですよね。
でも、あなたのその「べき」って、本当にやる「べき」ことなのでしょうか?
「焦りグセ」から抜け出すために必要なことは、この想念のような「べき」ではなく「したい」を優先すること、また、「べき」と思えることを精査してできるだけ必要最低限に減らしていくこと。
(『焦りグセがなくなる本』より引用)
「べき」が増えると心が不安になる原因が増えてしまうため、焦りに拍車をかけて「私はやりたくないことをやらされているんだ」と感じてしまうそうです。焦らないためにも、今の自分の状況を把握するというのが何よりも大切かもしれませんね。
焦っている時ほど、気分転換が大切
やることが山積みの時にこそ、気分転換をした方がスッキリするそうなのですが、そうは言っても休めないのが人間。それに、「ここで休んだら負けなのでは?」という気持ちになってしまって、逆に体調を崩してしまったりなんてこともよく聞く話ですよね。気分転換することに自己嫌悪があるなーという方は以下のように考えてみるのはいかがですか?
仕事に集中する時間、リフレッシュに集中する時間、と常に目の前に集中できる自分を作ることは、あらゆる場面で「効率」と「持続可能性」を高めます。そのためのトレーニングだと考えれば、「気分転換などしたら永遠に怠けてしまうのではないか」という不安を減らすことができるでしょう。
(『焦りグセがなくなる本』より引用)
オンオフ、メリハリがつけられるようになったほうが「効率」がよくなり、長くしっかり続けられるようになるというのはうれしいですよね。いきなり今日から「私は効率のよい人間です!」なんてことはできませんし、スイッチが入って急になにかができるようにはならないので、日々トレーニングだと思って、ちょっとずつ気分転換できるクセをつけてみてはどうでしょうか?
人生のオーナーになれれば、焦りグセは消える
最後に、「自分らしく生きる」というのは言葉で、頭ではわかっていてもどう過ごしたらいいか? とお悩みの方に向けて『焦りグセがなくなる本』よりご紹介させていただきます。
ときには忙しく、ときにはリラックスして、バランスのよい人生を送っていくことです。もちろんその主役は自分自身です。忙しさの罰ゲームの哀れな一参加者よりも、人生の主役として充実感や達成感を持って生きていったほうがずっと気持ち良さそうですよね。
(『焦りグセがなくなる本』より引用)
毎日リラックスし続けろというわけでも、忙しくし続けろというわけでもありませんから、バランスよく、自分に正直に、自分がやりたいことを優先していけるように生きていきたいですね。『焦りグセがなくなる本』には、日々メリハリを意識できるコツがたくさん紹介されていますので、自分に合うものを選びながらちょっとずつ自分をアップデートしていけるといいですね。私も今日から気分転換しまくろうと思います! って、もともと気分転換ばっかりしているじゃないか! なんて声が聞こえてきそうで怖いよぉ〜〜。
【書籍紹介】
焦りグセがなくなる本
著者:水島広子
発行:PHP研究所
実際にはそれほど忙しくないのにいつも焦ってしまい、「どうして自分はこんなに要領が悪いんだろう」と悩む人。本当は忙しいのに、なぜかいつも余裕があり、やりたいことがサクサクできている人。この両者の違いはどこにあるのでしょうか。本書では、そのメカニズムを解説し、自分自身が人生の主役になれる方法を紹介していきます。