少しでも地球を汚さないために、多くの企業や個人がプラスチック製品を使わないように努力しています。脱プラスチックに向けてゴミ袋やストローがかなり減らされていますが、この他に私たちができる効率のいい方法を探してみました。
食品ゴミが激減
筆者はプラスチックごみが半減した経験があります。それは一時的にベジタリアンになった時でした。まず、肉と魚を食べなくなるので、食品トレイなどのパッケージが激減しました。また、地元農家の販売所を利用するようになったので、野菜用のプラスチック袋も激減したのです。
さらに卵も食べなくなったので、卵ケースも減りましたし、ソーセージの袋などの加工食品の類もなくなってしまったのです。2年ほどの経験でしたが、こんなにゴミが減るなんて! と驚きました。今でもできるだけ過剰パッケージされていない品物を選択するようにしています。
プラスチックと環境汚染
『プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命』(シャンタル・プラモンドン、ジェイ・シンハ・著/NHK出版・刊)は、そのタイトル通り、プラスチックのない生活を実践するためのアイデアに満ちた本です。この本を読めば、今よりもさらにプラスチックを日常生活から減らすことができるのではないでしょうか。
そもそも、なぜここまでプラスチックごみが問題視されているのでしょうか。土に還らないため地球環境を汚染することや、それを口にした魚や鳥がプラスチックを胃袋に詰まらせて命を落とすということが頭に浮かぶ人は多いでしょう。
本書ではそれに加えて、プラスチックに含まれる化学物質を口にすることについての心配も書かれています。できるだけ自然に暮らしたいと考えているのであれば、人工的なプラスチックは少しずつでも減らしていくほうが安心でしょう。
レジ袋やストローだけじゃない
本書には、今日からすぐに実践できるプラスチックごみの減らしかたが伝授されていています。欧米での脱プラスチックの動きは日本よりもずっと進んでいて、著者のおふたりはカナダ在住ということもあり、先を行く人からのアドバイスがとても参考になるのです。
日本ではようやくマイバッグやマイボトルやマイ箸が浸透してきた感がありますが、本書では、マイコップやマイテイクアウト容器、そしてマイストローの紹介まであります。マイストローにはステンレス製やガラス製、それから竹や藁を使うものも紹介されていて、特に竹は洗えば繰り返し使えるのだとか。
ベストなマイバッグとは
個人的に常々気になっているのは、マイバッグの素材です。繰り返し使えて便利ですが、実はこれもポリエステル製を使ったら化学的な素材であるわけで、果たしてエコと言えるだろうかという疑問があります。本ではそのことにもしっかり言及していて、木綿とジュートと麻が土に還るのでおすすめだということです。
なかでもベストはコットンのキャンバス地のマイバッグで、これを定期的に洗って使えば清潔さは保てるとのこと。2011年にはマイバッグを洗って使っている人はわずか3%しかいないというアンケート調査も出たそうですが、そうすると雑菌も繁殖しやすくなってしまうので、繰り返し洗える丈夫な素材であることが大切になるでしょう。
本書には、コットンのメッシュ袋を持参すれば、スーパーでのビニール袋を使う回数も減らせるというアイデアもありました。こうして眺めてみるとやはり日頃の食事や食材を見直すだけでもかなりの削減になりそうです。より簡易な包装をするお店を探してみるのも大事な一歩かもしれません。
【書籍紹介】
プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命
著者:シャンタル・プラモンドン, ジェイ・シンハ
発行:NHK出版
これを知っても、まだペットボトルを買いますか? 今、世界的に注目を集めているプラスチックごみ問題。じつは環境だけでなく、私たちの健康にも知らぬ間に害を及ぼしている。使用中に漏れ出す化学物質の作用とは? 使い続けても大丈夫? その危険性の徹底解説から、代替品を使った暮らし方のヒントまで網羅した“プラスチック・フリー”入門ガイド。簡単な6つのステップで、今すぐ8割減らせる!