人生の中で、誰もが一度は「図鑑」を読んだことがあると思います。学校の図書館で、プレゼントで、友人の家の本棚で……思い出すと懐かしくなりますよね。
そんな図鑑の王様である学研が、学研の図鑑LIVEを大幅リニューアルして『昆虫 新版』『恐竜 新版』『危険生物 新版』を発売しました。今回は、自宅にあった古い図鑑と読み比べながらご紹介したいと思います!
【学研の図鑑webはコチラ】
学研の図鑑LIVE、新版が発売!
2022年6月23日にリリースされたのは、昆虫と恐竜と危険生物の3冊です。全てにDVDがついていて、ライブと名付けられている通り、動く昆虫や動物を見ることができます。また図鑑には、アプリと連携したAR拡張機能もあるので、スマホを片手に、さらにリアルな生き物のCGを楽しめるようになっています。
またすごいのが、それぞれに収録されている「種」の数!
『昆虫 新版』は、約2800種掲載
『恐竜 新版』は、約420種掲載
『危険生物 新版』は、約760種掲載
昆虫2800種って! しかも、図鑑製作中に発見された新種「ガッケンホソカワゲラ」も収録されているそうです。
世界で初めて図鑑に掲載された「ガッケンホソカワゲラ」。他のカワゲラと何が違うのか、どんな特徴があるのかは、学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』で確かめてみてくださいね!
これだけの数を収録するためには、どれだけの人が関わったのだろう……と思ったのですが、なんと3冊合わせると総勢70名以上の研究者が監修・執筆に携わっているのだとか。 編集部の本気度が伝わってきますね! 子どもはもちろん、大人が読んでもワクワクしちゃうこと間違いなしです。
昆虫は全て生きたまま撮影!
ここからは我が家にあった、昔の「学研の図鑑」と新しく出版された学研の図鑑LIVEを比べてみたいと思います。まずは、1999年6月(20刷)に発刊された『昆虫』から比べてみましょう。
昔は外側のケースと内側の本誌と2種類の表紙がありました。ケースの表紙で「ひゃっほーい」な姿をしているのは、ゴマダラカミキリです。昔は、ひとつの昆虫を大きく掲載していましたが、学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』では、たくさんの昆虫がずらりと勢揃いした表紙になっています。
もくじも比べてみると、昔は「〇〇のなかま」や「そのほかの昆虫」と14のカテゴリでざっくりと分類されていましたが、現在は「〇〇目」の表記で30のカテゴリに分類されています。また、カブトムシやチョウなどの人気の昆虫から紹介されていたのが、新版では原始的な順から紹介されています。
そして一番の変化を感じられるのは、昔は大半がイラストで描かれていた昆虫たちが、実写になっているところです。
同じ「スズメバチ」でもこんなに違うんですよ! 学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』は、標本写真ではなく、昆虫を生きたまま撮影しているんです。
写真はすべて生きた昆虫を白い背景で撮影し、それぞれの特ちょうがいちばん見やすい角度にしています。
(学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』より)
色が鮮やかで、今にも動き出しそうな躍動感を感じるのは、「生きていたから」なんですね。小さいころは、昆虫の図鑑に描かれている絵を触るのも「無理〜〜〜」と恐る恐るページをめくっていたのですが(笑)、ここまでリアルだと昆虫がカッコよく見えてくるので不思議です。本物と遭遇した時も「図鑑で見たのと一緒だー!」と、喜びが湧き上がりますよね!
ちなみに、目次をみてお気づきの方もいるかもしれませんが、ちゃんとゴキブリも掲載されています。家の中やCMでのイメージが強いですが、実は草むらや森林にもゴキブリがいて、人家に現れるのは一部のものでしかないそうです。アウトドアでのびのび暮らす写真も掲載されているので、昆虫が苦手な人も彼らの新しい一面を知って好きになること間違いなしです。
恐竜にも毛が生えている!?
続いて、1990年4月(初版)の『恐竜』と比べてみましょう。
表紙に描かれているのは、ティラノサウルスとパラサウロロフス、そしてトリケラトプスです。私的には、このイメージから恐竜は進化していなかったのですが、学研の図鑑LIVE『恐竜 新版』のティラノサウルスページをみてびっくり……毛が生えている!
30年でこれだけ変わってしまうとは! まだまだわからないことがたくさんあるジャンルなので、また30年後には、私たちが思ってもいなかったイラストに変わっているかもしれません。そう思うと、恐竜の図鑑ってめっちゃロマンチックですね!
眺めているだけでも楽しい恐竜の図鑑ですが、個人的に面白かったのは「恐竜の絶滅」について解説しているページです。90年に発刊された学研の図鑑『恐竜』では、「巨大いん石の衝突」「細菌やウイルスによる伝染病」など、恐竜が絶滅した要因について10近い仮説を伝えつつ「どの考えにも無理がある」と紹介されていました。そう、30年前はまだ絶滅の理由が確定していなかったのです!
恐竜の絶滅については、数えきれないほどの考えがあるのだが、残念ながら、どの考えにも、欠点がある。
例えば、今もっとも支持されている“巨大いん石説”に対しても、「いん石によって恐竜とともに、水に住むモササウルスなども絶滅したのに、ワニやカメはどうして生き残ったのだ?」と反論されると、これをうまく説明することができない。
(学研の図鑑『恐竜』より)
一方、学研の図鑑LIVE『恐竜 新版』では、恐竜が絶滅した要因を「巨大隕石が衝突した」として、その科学的な根拠を解説しています。ワニやカメが生き残った理由についても、「少ない食べ物でも生きていける変温動物だったから」という理由が説明されていました。
こうして、昔と今では学説が変わっていくのですね。もしご自宅に昔の恐竜図鑑があるのなら、ぜひ「絶滅理由」の解説ページも読んでみてください。これまで研究者たちの汗と涙の結晶を感じることができますよ。
学研の図鑑LIVEのココがスゴイ!
大幅リニューアルした学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』『恐竜 新版』『危険生物 新版』はまだまだ見どころがたくさんあります。
2015年に発売された『危険生物』も、以前よりも紙面がパワーアップしています。特に「くらべてみよう」というコラムが新たに追加されています。その中でも「カメのくちばし」は、池の水を抜いてみるとたまに出てくるカミツキガメや、アオウミガメのくちばしを比較することができます。同じカメでもこんなに違うの!? と、15分くらいじっくり見比べてしまったページです(笑)。
また、学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』に掲載されている、じっくり観察するための「昆虫の採集と飼育」も見逃せません。図鑑でしっかり予習して、親子で昆虫採集とかいいですよね。学研の図鑑LIVE『昆虫 新版』なら、どの昆虫もカッコよくイキイキとした写真で掲載されているので、お子さんも「とってみたい」と言ってくれるはず!(笑)必要な道具や育て方、見られる場所や時期まで丁寧に解説されているので、昆虫採集経験のない親御さんでも安心です。
図鑑の世界観をいつでも、どこでも楽しめる「オリジナル学習ポスター」も各巻についています。昆虫はひらがな、恐竜はカタカナ、危険生物はアルファベットのポスターなので、小さいお子さんがいるなら、部屋の目立つところに貼っておくのにもおすすめです。
大人も子どもも夢中になれる学研の図鑑LIVEシリーズは、この夏をもっともっと楽しませてくれる図鑑です。ご自宅に昔の図鑑があるという方は、読み比べてみるのも楽しいですよ。よりリアルに、ボリュームも内容もパワーアップした学研の図鑑、ぜひ読んでみてくださいね。