今なにか、悩みの種はありますか?
「ない!」と断言できる人はそうそういないのではないでしょうか。
仕事、家庭、学習、恋愛、人間関係、進路、健康、時間……。
それらの悩みの種を、驚くほどパッと片づけること。それが、「アイデア」というものの真の効力です。
1日1つのアイデアで、仕事も人生もどんどん変わる
アイデアという言葉にどんなイメージをお持ちですか? もしかしたら、アイデアとは特別な仕事の中で優れた成果を上げるためのクリエイティブなものであり、頭のいい人だけが正解を出せるものだ、などと思っていたりしないでしょうか。
アイデアは、特別な仕事のためのものではありません。頭の良さとも全く関係ありません。目の前にある、なんかモヤモヤする不満とか、不便とか、苦手なことを、「あれ? なんだ。こんなことで悩まなくなるんだ」と、あっさり解消する機転が、アイデアなのです。
アイデアは、「悩みの種片付け遊び」、そして「やりたいこと叶え遊び」です。日常で小さな機転をきかせることを、ゲーム、クイズ、スポーツなどと同じような遊びとして楽しむことができるようになれば、あとは勝手に、仕事の難しい問題解決も、新しい物事を生み出すクリエイティブも、どんどん進められる人に変身できます。
おもちゃクリエーターであり、アイデア発想の専門家でもある高橋晋平の2023年2月22日発売の新刊 『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』 (KADOKAWA・刊)では、そのようなアイデアの効力を身につける方法がこれでもかと掲載されています。人生で起こる様々な悩みの解決法アイデア、ベスト365を、考え方と共に読んでいくと、「なんだ、機転をきかせるって、簡単なんだ!」ということが徐々にわかっていきます。
思いついたら、小さなアイデアを実験してみよう!
この本『1日1アイデア』に載っている365のアイデアには、カレンダーのように日付が振られています。この記事が掲載される3月13日、14日のお話を紹介します。
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【3月13日】
荷物を送るときのオシャレなアイデア
仕事仲間が、おもちゃのサンプルを宅配便で送ってくれたことがありました。段ボール箱を開けると、サンプルの周りに、キャラメルやマシュマロのようなお菓子が入っていました。そこに1枚、付箋が貼られていて、
「緩衝材です。」
と書かれていました。なんとしゃれた荷物の送り方(プレゼントの贈り方)だろうと思いました。
ちょっとしたギフトとしてお菓子は最適です。気を遣わせないし、食べるとなくなるので邪魔にならないし、もちろん嬉しいです。それを、わざわざ買って入れてくれたという見せ方ではなく、緩衝材だと言う。すぐにマネしたくなりました。
僕は人に本をあげることがよくあるのですが、わざわざ買ってあげたと思われると気を遣われるかもしれないので、「間違って 2 冊買っちゃったんだけど、めっちゃ面白いから読んでみて」と言って渡したりします。
ちょっとしたプレゼントを、偶然のようにしてあげることが、セレンディピティ(思いがけない幸運)を相手と自分にもたらすことがあります。いいタイミングがあったら、身近な人にさりげない贈り物をする練習をしてみましょう。
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上の話は、どうせ荷物を送るなら、メッセージでも、工夫でも、何でもいいからあとちょっとだけ相手を喜ばせられないかを考えてみる例です。こういうアイデアが何かないかな、と、数秒考えてみる姿勢があると、そのことでどんどん人に好かれていくことができ、仕事や人生が幸せなものになっていきます。
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【3月14日】
満員電車に乗っているムダ時間は、括約筋運動をせよ
電車に乗っているとき、混んでいなければ読書をしたりスマートフォンをいじったりして時間をつぶせますが、満員電車でギュウギュウだと何もできませんよね。狭いところだと、手はもちろん、脚や首を少し動かすだけでも人に迷惑がかかるかもしれません。
僕はそういうときに、腹筋に10秒力を入れることを繰り返す運動をしています。満員電車だけでなく、暇になったら腹筋に力を入れると決めています。腹筋に力を入れるのは、いかなる姿勢でも、他人に気付かれる体の動きがまったくない形で何回でもやれる運動です。電車内はもちろんのこと、行列待ちの間、皿洗い中、デスクワーク中……、いつでもできて道具もいりません。これをやっていると、健康のために筋力を蓄えている気になって、充実感を得られます。
また、エスカレーターの片側が空いていると、せっかちな人は駆け足で上りたくなったりしますよね。エスカレーターで急ぐのは危ないものです。焦らずに、腹筋運動をしながらゆっくり移動してはいかがでしょうか。
腹筋運動以上におすすめなのが、括約筋の運動です。お尻の穴を締める動きを、力を入れて何度も繰り返すのです。実はこの運動は、僕が過去にひどく体を壊して筋力が衰えてしまったときに、全身を良くする万能運動として治療師の先生に教わったものです。筋力、姿勢、血流、冷え、自律神経などが良くなっていき、健康寿命が伸びる効果があるらしいです。結構疲れますが、試してみてください。
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上の話は、ヒマ時間や、ながら時間に運動を組み合わせるだけで、どんどん健康になっていくアイデアです。人生で一番大切な健康は、実は、ほんの少しのマイルールで良くしていけるものです。
これらは一例ですが、皆さんも、まずは自分の悩みの種を、いくつか挙げてみて下さい。仕事の悩み、人間関係の悩み、家庭の悩み……。それらで何年も困っているかもしれませんが、ちょっとだけ見方を変えた行動アイデアを2、3個考えて、実験して、失敗したり成功したりしながら楽しんでいると、その悩みはあっさりと消え、楽しくなった気分が、人生で本当にやりたいことを後押ししてくれます。
試しにこの本のページをめくって参考にしながら、今日からあなたも、アイデアを趣味にしてみませんか?
1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく
著者:高橋晋平
発行:KADOKAWA
アイデアとは、自分の心の中の願望が実現するきっかけです――
この本では、世界中の事例や著者の経験から厳選した「人生を楽しくラクにするアイデア」が1日1つずつ、日付入りで365個紹介されています。すぐに試せるストレスを取り除くアイデアから仕事のスキルを上げるアイデアまで、それぞれ1ページにやり方と考え方を凝縮。読めば読むほど、アイデア発想力が養われていく仕掛けの、これまでにない革新的発想本です。
ぜひ、自分の今のお悩み事を解決する1アイデアを探してみてください。
【筆者プロフィール】
高橋 晋平(たかはし・しんぺい)/おもちゃクリエーター、アイデア発想ファシリテーター。秋田県生まれ。2004年に株式会社バンダイに入社。第1回 日本おもちゃ大賞を受賞し発売初年度に国内外累計335万個を販売した「∞(むげん)プチプチ」など、イノベイティブトイの開発に約10年間携わる。14年に株式会社ウサギを設立。玩具・ゲームの考え方を活かした事業を企業と共同開発し、企画アイデアの発想セミナーやワークショップを全国で実施している。得意なのは笑い・遊びのある企画を作り、話題にし、販売につなげること。TEDxTokyoでのスピーチは累計200万回再生。
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