文章を書くということは、日常において意外と多い。僕は、文章を書くことを生業としているので当然のことだが、一般の人でも、仕事上で業務日誌を書いたり、取引先へお礼のメールを書いたり、友だちにメールを書いたり。
文章を書くとき、ただ書きたいことを思いついたまま書いていないだろうか? 何も考えずに書いた文章は、読みにくく、相手に真意が伝わりにくいことが多い。
では、どうしたら読みやすく、伝わりやすい文章が書けるのか?
「接続詞」の方程式を覚えよう
答えは「接続詞」だ。
接続詞は、「そして」「しかし」「だが」「なぜなら」「例えば」「さらに」など、数多くある。これらをちゃんと使いこなせるようになれば、理路整然とした文章になる。
『接続語を使えば、誰でも書ける』(西田みどり・著/知玄舎・刊)は、論理的な文章を簡潔に書くための「接続詞」の使い方について書かれている書籍だ。
この本によると、
「なぜなら→例えば→さらに→それゆえに(したがって)」で書く
(『接続語を使えば、誰でも書ける』より引用)
自分の意見を主張するためには、客観的事実を提出すると説得力が上がる。その例として、本書では「好きなラーメン店について」上の法則を使って書いた文章が掲載されている。
A店のラーメンはとてもおいしいに違いない。なぜならいつも店の前に行列ができているからだ。例えば、先日はその列に高名なラーメン評論家・羅面好太が並んでいた。さらに、その数日後のB新聞のコラムで、羅面が「A店のラーメンはまったりとしておいしかった。特に豚骨ラーメンのだしは絶品だった」と書いていた。したがってA店のラーメンは間違いなくおいしいのである。
(『接続語を使えば、誰でも書ける』より引用)
上の例文を見てみると、「なぜなら→例えば→さらに→したがって」という流れで書かれているのがわかる。この法則を使えば、論理的な文章はすぐに書けるようになるはずだ。
接続詞のバリエーションを増やす
よく、伝わりづらい文章を見てみると、同じ接続詞が並んでいることがある。「しかし」が連発されていたり、「そして」が続いたり。僕も、ちょっと気を抜くとそういうことがあるので、接続詞の使い方にはとても神経を使っている。
「そして」に続けて同列の接続詞を使う場合は「さらに」「加えて」「かつ」「その上」などを、「しかし」に続けて逆説の接続詞を使う場合は「だが」「ところが」などを使うようにすれば、同じ接続詞の連続を避けることができる。
そして、だが、しかし、さらに、例えば……。普段何気なく使っている接続詞だが、文章にとってはとても重要。ちょっと気をつけておけば、見違えるように読みやすい文章が書けるようになるはずだ。
(文:三浦一紀)
【参考文献】
接続語を使えば、誰でも書ける
著者:西田みどり
出版社:知玄舎
短文で説得力がある「論理的」な文章を、接続語(接続詞)の〈型〉を用いて簡潔に連結して書く具体的な方法を解説した文章作法の手引き書。論理的な文章の書き方を、接続詞、推論法、主題(トピック)、具体例で展開する方法や、文の集合体である「パラグラフ」の理解、レポートの具体的な書き方、提出方法などを、たくさんの具体例によってわかりやすく解説。高校、大学や一般社会で、説得性の高い短文・論文を簡潔に書く上での力強い指南書。