ポイント経済圏を上手に活用するのが、いま流!
さらに市場規模は拡大し、選択肢が増えていく
昨今、テレビやネットなどのキャッシュレス関連のニュースで、「ポイント経済圏」という言葉を見たり聞いたりする機会が増えた。これは、企業が独自のポイントを流通させて、そのポイントを通貨として用いて関連グループ内で“経済を完結させる”ことで、利用者を囲い込むという戦略だ。
現在日本では、「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」「dポイント」「Pontaポイント」「WAON POINT」が“6大ポイント経済圏”を形成(下表参照)しているが、いずれも消費者にとって魅力的な仕組みといえる。たとえば、楽天経済圏では、楽天市場や楽天カード、楽天銀行などのサービスを利用することでポイントが貯まり、そのポイントを楽天グループ内の様々なサービスで利用可能。これにより、消費者はひとつの経済圏内で多くのサービスを利用し、ポイントを効率的に活用できる。
また、企業側にもメリットは大きい。ポイントプログラムを通じて顧客のロイヤルティを高め、リピーターを増やせる。さらに、ポイントデータを活用して顧客の購買行動を分析し、マーケティング戦略を最適化することも可能だ。
ポイント経済圏は今後も拡大し続けると予想されており、2028年には日本のポイントサービス市場規模が約3兆3千億円に達すると見込まれている。そのなかで特に注目されるのは、「ポイント運用サービス」。ポイントを貯めるだけでなく、投資や運用に活用する動きが広がっている。
このように、今後さらに成長が期待される経済圏。これを上手に利用すれば、おのずとおトクがついてくる。
【クレカのプロ、大澤日出男さんのアドバイス】
経済圏に飲み込まれることなく、賢く利用することが重要「経済圏は企業に“取り込まれるもの”ではなく、利用者が“活用するもの”と考えれば、より大きなメリットを得られます。市場のシェア争いが激化している時期は、特に企業が大盤振る舞いを行うため、その初期段階に積極的に参加してポイントを稼ぐのは有効な戦略といえます」
●大澤日出男:「GetNavi」連載「GetNavi Money」キャッシュレスパートのご意見番。ウェブメディア「クレジットカードDB」を運営する。
6大ポイント経済圏
1)楽天ポイント(楽天)
多様なサービスを網羅し、いち早く経済圏を構築
買い物、旅行、銀行、証券など複数サービスを利用すると楽天市場での還元率がアップ。おトクなキャンペーンを利用して、ポイントを効率的に貯めて使いやすい。
2)PayPayポイント(PayPay)
コード決済の利便性を広め、キャッシュレス普及に貢献
大規模なキャンペーンで注目を集めるとともに、コード決済の利便性を世に知らしめた。利用額に応じてポイントが貯まり、多彩なキャンペーンも定期開催される。
3)Vポイント(三井住友フィナンシャルグループ)
Tポイントとの合併で日本最大規模に拡大
昨年Tポイントと統合し“新生Vポイント”として誕生。三井住友カード、三井住友銀行、Oliveフレキシブルペイなど、複数のサービスを利用することで効率的に貯められる。
4)dポイント(NTTドコモ)
ポイントを中心に多様なサービスを展開
NTTドコモが提供するサービスを連携。dポイントを中心に、携帯電話サービス、インターネット回線、キャッシュレス決済、オンラインショッピング、金融サービスなどを展開する。
5)Pontaポイント(au)
au PAY機能を備えau PAYでの決済も可能
ロイヤリティマーケティングが提供するポイントサービス。2020年、au WALLETポイントと統合した。アプリ内にau PAY機能を搭載し、au PAYのコード払いが可能。
6)WAON POINT(イオン)
流通系巨大企業が展開するネットワークを支える
流通、金融、モール運営、飲食、レジャーなど、イオングループは多角的なサービスネットワークを展開。WAON POINTは、同社のポイントプログラムだ。