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【イルミネーション&ライトアップ撮影の実践⑧】ノスタルジックな建物と高層ビルのマッチングはどう撮る?

冬は街にイルミネーションやライトアップされた被写体があふれ、カメラを向けたくなる季節。ここでは、それらをキレイに撮るためのカメラ設定や撮影機材などの基本知識から、ツリーやタワー、建物など、被写体ごとの対応法までを紹介。

基本編ではイルミネーションやライトアップの撮り方の基本を紹介したが、ここからは被写体ごとの細かな撮り方や注意点を解説。今回は「建物のライトアップ」の後編。

 

 

【基本編】

1. 特別な機材は必要なし!使用機材はコレだ!
2. カメラ設定は試し撮りで適宜確認!
3. イメージ通りに仕上げるカメラ設定は?
4. 真っ暗?トワイライト?撮影のベストな時間帯
5. 華やかに仕上がる構図は空間の切り取り方で決まる!

【実践編】

1.「ツリー&オブジェ」の前編 ツリー&オブジェは前ボケでふんわり仕上げ
2.「ツリー&オブジェ」の後編 光り輝く華やかさは多重露出機能を使って演出!
3.「光のイベント」の前編 光のカーテンで画面を埋め尽くそう!
4.「光のイベント」の後編 広角レンズで躍動感のある構図を狙おう!
5.「タワーのライトアップ」の前編 遠景のタワーは望遠レンズで大きく引き寄せよう!
6.「タワーのライトアップ」の後編 近景のタワーは広角レンズで全体像を取り入れよう!
7.「建物のライトアップ」の前編 一年中撮れる建物は脇役で個性を出す!

 

撮影テクニック3

望遠レンズの圧縮効果を利用して、周囲の建造物と絡めにぎやかさを演出
望遠レンズは手前と奥の被写体の遠近感を圧縮して写し出す効果があり、主役と脇役を絡めた構図作りに便利だ。その効果を利用して撮ったのがこれらの写真。ライトアップされたノスタルジックな建物と窓の明かりがまぶしい高層ビルという、時代を超えた建物のマッチングをにぎやかに捉えられた。

 

50ミリ相当

100ミリ相当

最初は近くから広い構図で狙ったが、空が入るので撮影場所を後ろに移動。そして100ミリ相当のレンズで東京駅のドーム部分をアップで切り取り、新旧の建物だけの対比で見せた。建物は全体像を撮るのもよいが、アップも重要な表現手段だ。
 

100ミリ相当

250ミリ相当

100ミリ相当で広く撮ると城内の様子はわかるが説明的な写真だ。さらに望遠250ミリ相当で寄ると、余分な物が排除されて、より直接的に主役と背景との対比が表現できた。秀吉がこの絶景を見たらなんというか聞いてみたい。

250ミリ相当 絞り優先オート(F11 4秒) ISO100 WB:白色蛍光灯

 

“ 建物” のライトアップ撮影の注意点

レトロな建造物は温かみのある色合いに
肉眼では白く感じられるライトアップされたレトロな建物も、ホワイトバランスの設定で赤味を強くすることで、レトロ感を強調することができる。色合いは好みもあるが、WB「太陽光」にするのがおすすめ。


WB「オート」

WB「太陽光」

実際にはWB「オート」に近い色合いだったが、「太陽光」に設定することで、石造りの建物の温かさやレトロ感を強調して表現できた。
 

白壁のライトアップは白とびしやすい
ライトアップされた白壁の建物は白とびを起こしやすいが、撮り方を工夫すれば目立たなく撮ることも可能。特に注意したいのはアップ時。白壁は面積が広いので、真っ暗な時間帯に撮ると明暗差で白とびしやすい。
アップなら暮れるまで

空が薄明るい時間に撮ったので、天守閣と空の明るさのバランスがそろい、白とびは抑えられた。真っ暗だと確実に白とびするだろう。
引きなら夜もOK

白壁は白とびを起こしているが、引き写真だと構図に占める割合が少ないので、白とびはあまり目立たず、気にならない程度だ。