機材レポート

広角から望遠まで人物撮影を1本でこなす新コンセプトのポートレートズーム誕生! タムロン「35-150mm F2.8-4 Di VC OSD」実写レポ

CP+で開発発表されていたタムロンの35-150mmポートレートズームが遂に発売。高いズーム比ながらワイド端F2.8の大口径を達成し、ポートレートはもちろん、普段使いの標準ズームとしても大活躍しそうな1本だ。今回は「35-150mm F2.8-4 Di VC OSD」についてレポートする。

 

ポートレートから日常まで開放で楽しめる高性能ズーム

ポートレートズームというと、70-150mmなど、主に中望遠域をカバーするものを思い浮かべるが、このレンズはワイド端を35mmまで広げ、より汎用性が高く活用できるように仕上げられた1本だ。ポートレート撮影にはもちろん、ちょっと大きいがテレ側重視タイプの標準ズームとしての存在感も見逃せない。

F値は可変タイプで、ワイド端でF2.8と大口径。テレ端では1段落ちてF4となるが、焦点距離が長めなこともあり、ボケ量としてはこれでも十分。5段分の効果がある手ブレ補正機構も搭載しているので、ズームである利便性を考えれば、実用的なスペックといえる。前玉径は約64mm、フィルター径77mmで、なかなか迫力のある外観でもある。 

ポートレートズームのキャッチコピーが付いているように、特に85mm前後の中望遠域での描写を重視して設計されているのもポイント。解像感は絞り開放から全域で高く、中望遠~テレ端ほどより高く感じるのも特徴。ニコンD 850との組み合わせによる撮影でも満足できる仕上がりだった。ボケは柔らかく、絞り開放での口径食も少なめ。軸上色収差も感じられない。ズーム全域で積極的に絞り開放描写を使いたくなるレンズである。

LDレンズと非球面で諸収差を補正


14群19枚構成のポジティブリードタイプ。LDレンズ3枚、複合非球面レンズ3枚が採用されている。高画質だが、夜景の玉ボケなどでは非球面レンズ由来の年輪ボケが生じることもある。

軽快に操作できるリング&スイッチ

ズーミングによる繰り出しは、最大で約44.7mm(150mm時)。レンズ左側にはAF/MF 切り換えスイッチと、VCのON/OFFスイッチ、逆サイドにはズームロックが付く。花形フードが付属する。

OSDでスピーディにピントを合わせる


AFモーターはOSD(Optimized Silent Drive)を採用。DC モーターながら静音でスムーズな駆動が特徴だ。AF時には、フォーカスリングが回転するので、指で押さえないように気をつけたい。

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