チルト式モニターを備えたRX0 IIで快適に撮影
カメラを持つ手を水中に入れる磯遊びの撮影では、どうしても目線と液晶モニターに角度差が生じてくる。そうすると、地上撮影以上にモニター表示が見えにくくなる…というか、まるで見えないケースが多い。だから、実際の撮影では、被写体の大きさや位置や全体の構図がアバウトになるケースも少なくない。
だが、RX0 IIのように液晶モニターが上下方向に動く「チルト方式」なら、モニター表示の視認性は各段に高くなる。そのチルト機能を利用して、上から見下ろすアングルではなく、低い位置(もちろん水中)から水平に近いアングルで、水中の生き物を狙う。それによって、あたかも水中に潜って撮影したかのような臨場感を得ることができるのだ。
▲キューブ形のフォルムが特徴的な、ソニー RX0 II。とても可愛らしい小型カメラだが、1.0型の大型センサーを搭載していて、画質クオリティは非常に高い。24mm相当の広角単焦点レンズを採用。
▲自分撮りにも対応できる、上方向約180度・下方向90度までのチルト可動式液晶モニターを搭載。この機構によって、海面近くの水中撮影が、かなり快適に行えるようになる。
例えば次のようなシーン。潮だまりの底に、赤っぽい海藻を見つけたので、水中に浸けたカメラをその位置まで下げ、上方向に可動させた液晶モニターを見ながら撮影。このカメラの最短撮影距離は「20cm」とあまり近くないが、そのぶん周囲の様子までわかる。よく見ると、背後に泳いでいる魚の姿も!
ソニー RX0 II プログラムオート F4 1/100秒 WB:オート ISO125
海岸の岩場(陸上)にも目を向ける。夏の到来を感じさせる色鮮やかなスカシユリが咲いていたので、それにカメラを向けてみた。背丈が低い花なので、普通に見下ろすと図鑑的な写真になりがち…。だが、カメラを地面に近い位置まで下げて上に向けた液晶モニターを見ながら撮影すると、周囲の状況まで写し込める“花のある風景”に仕上げられる。
<しゃがんで見下ろして撮影>
<チルト機構使用で地面近くから撮影>
共通データ:ソニーRX0 II プログラムオート WB:オート ISO125
山間部で生まれ育った筆者は、幼い頃から野山や川の自然に触れながら遊んでいた。そんな自分にとって、たまに出かける海での“磯遊び”は、驚きと感動に満ちた時間であった。色鮮やで変化に富んだイソギンチャクや海藻、動き回るカニやヤドカリ、ちょっと不気味なウミウシの類、などなど…。オリンパス Tough TG-6の顕微鏡モードによる生き物のクローズアップ撮影や、ソニー RX0 IIのチルト式液晶モニターを使用した“臨場感のある海中風景”。それらは、幼い頃から抱いていた海への憧れや関心を呼び起こしてくれた。
次回は自然公園に舞台を移し、マクロ撮影を中心に、普段目にするのとは違う斬新な視点や描写を楽しみたい。