ライバルメーカーの一歩先を行くソニーが、さらにレンズラインナップを拡充。画質性能を追求した大口径標準Gマスターに加え、広角から標準のコンパクトな3本まで、魅力的な単焦点レンズのバリエーションが一気に拡大した。
純正Eマウントレンズがついに60本を突破!
ソニーは2020年夏から2021年にかけて「α7S III」「α7C」そして「α1」と、キャラクターの異なる新しいカメラを次々と発売している。その勢いはレンズにもおよび、すでに盤石と思われていたラインナップをさらに拡充してきた。そんな状況でこの3月に発表したのは大口径の標準レンズと、広角〜標準の小さくて手ごろな価格の単焦点3本という、両極端な立ち位置のレンズたちだ。
解像性能と美しいボケを両立した大口径標準レンズ「FE 50mm F1.2 GM」
[発売日] 2021年4月23日 [参考価格] 279,400円 (税込) [レンズ構成] 10群14枚 [最短撮影距離] 0.4m [最大撮影倍率] 0.17倍 [フィルター径] 72mm [絞り羽根] 11枚 (円形絞り) [大きさ] 最大径87×長さ108mm [質量] 約778g
ソニー純正のEマウントレンズには、50mm近辺の標準レンズがマクロも含め4本ある。5本目となる「FE 50mm F1.2 GM」はGマスターの名を冠し、ソニー製レンズとしては過去も含めた全製品の中でもっとも明るい。ファインダーをのぞいてシャッターを半押しすると、フワッと被写体が浮かび上がってくる。6100万画素の「α7R IV」で撮影すると、絞り開放でもピントの合った部分は精緻という言葉がふさわしい。そこから前後へ強く優しくぼけていく。高推力のXDリニアモーターを採用し、大口径ながらAFも静かで高速だ。
近接時でも絞り開放からハイレベルな描写性能
絞り開放で最短撮影距離に近いあたりまで猫に接近。リアルタイム瞳AFを使ってピントを合わせたが、合焦部分のシャープさはF1.2+近接とは思えない。ボケ味も素晴らしく、Gマスターの名にふさわしい描写力だ。
激しい動きでも追従するAF性能
F1.2の大口径レンズとは思えないほどAF駆動はスムーズかつ高速。試しにAF-Cと瞳AFで至近距離のブランコを追いかけたが、しっかりと追従してくれた。機動力が欲しいユーザーでも満足いくはずだ。
ボディとのバランスが良くホールドしやすい
最大径87mmと決してコンパクトではないが、ホールド性は高い。ポートレート撮影で縦位置が多いことを想定したのか、フォーカスホールドボタンを側面のほか上部にも備える。
回すだけで楽しくなる絞りリング
絞りリングのクリックはオンオフの切り替えが可能。クリックの節度はもちろん、オフにしたときの滑らかさも上質だ。
ソニーの光学技術を注ぎ込んだ10群14枚
3枚の超高度非球面XAレンズを使用。設計で球面収差を抑えるだけでなく、製造時にも細かな調整を施すという。また絞り羽根は円形を描くよう11枚で構成している。