伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2023年12月号 アザーショット【後編】
第2世代へとリニューアルした「FE 16-35mm F2.8 GM II」と「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」。どちらのレンズも初代よりも小型軽量で、携帯性や機動力に優れ、描写性能に関しても進化を遂げている。この2本のズームレンズの描写力を、小型軽量の6100万画素モデル「α7CR」と組み合わせてチェックした。
後編では「FE 70-200mm F4 Macro G OSS II」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2023年12月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- FE 16-35mm F2.8 GM II 実写チェック
- FE 70-200mm F4 Macro G OSS II 実写チェック
FE 70-200mm F4 Macro G OSS II
[マウント] ソニーEマウント [最大径×長さ] φ82.2×149.0mm [重さ] 約794g (三脚座を除く) [レンズ構成] 13群19枚 [最短撮影距離] 0.26m (70mm時) / 0.42m (200mm時) [最大撮影倍率] 0.5倍 [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ72mm
参考価格 249,700円 (税込)
背景のボケに口径食はあるが縁取りは少ない
テレ端開放でススキを撮影。口径食はそれなりにあるが縁取りは少なめ。前後のボケに色付きはなく、被写体本来の色でぼけている。光っているススキの穂が二線にボケているのは、反射部分が曲面になっているためでレンズが起因ではない。収差が少ないレンズだとボケが収差に呑まれることなく、よりクッキリして見える。
近接撮影に強く、ピント面のにじみがなくクリアな描写
製品名に「Macro」と入っているように、最短撮影距離はワイド端で26cm、テレ端で42cmと、近接撮影に非常に強い。望遠ズームとしてだけではなく、望遠マクロレンズとしても楽しめる。近接撮影時、絞り開放でもピント面ににじみはなく、フォーカスも速い。AF-C中に強制MFできるフルタイムDMFスイッチが搭載されていて便利だ。
フレアは少なく周辺減光をほとんど感じない
少し薄雲で減光されているが、夕陽を画面内に入れてもフレアっぽくならず、シルエットになった枯れ枝や枯れ葉はビシッと黒が締まって再現されている。1/3段絞っているが、周辺減光はほとんど感じない。標準ズームでは撮れない切り取り系の風景撮影に最適な1本だ。
ランタナに付いた水滴ににじみがなく、微ボケ領域まで繋がりがスムーズ
雨上がりにランタナをワイド端でマクロ撮影。最短撮影距離まで近寄れば、花が画面いっぱいになる大きさで捉えられるが、微ボケの描写を見るためあえて少し引き気味の構図で撮影してみた。これくらいの撮影距離でも被写界深度はかなり浅いが、ピントを合わせた水滴とその前後のボケの繋がりもスムーズだ。
テレコンバーターが使えるのは大きなセールスポイント
小型軽量化と最短撮影距離の短縮に加え、テレコンバーターが装着できるようになったのがII型の大きなセールスポイント。1.4倍テレコンなら開放F5.6とさほど暗くはないし、280mm域までカバーできるので、動物園や飛行場からの航空機撮影にはちょうどいい。1.4倍ならテレコンによる画質低下はそれほど気にならない。
■1.4X テレコンバーター SEL14TC 使用
本記事で紹介していない実写作例と詳しい解説は『CAPA』2023年12月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。